私立中高進学通信
2016年7月号
グローバル時代の学び方
佐野日本大学中等教育学校
ASEAN諸国と教育連携
ALT授業で英語力を強化
中国、マレーシア、オーストラリアと新たな交流がスタート

アメリカ出身のマーシー先生と英語科の丹野先生の授業は、明るく楽しく進みます。
新たな取り組みにより交流範囲を大幅に拡大
「学びを継続的に充実していける中等教育学校の利点を、グローバル教育でも活かしたい。そのためにいくつかの新たな取り組みをスタートしました」
そう話すのは2015年に就任し、同校に新風を吹き込む渡邊明男校長先生です。これまで行ってきた海外研修に加え、2016年からはASEAN諸国の学校と新たに提携。双方の学校を訪問するなど、さまざまな交流が始まりました。
「提携先は、10年後の社会を念頭に置いて探しました」
と渡邊校長先生。オーストラリアは貿易を通して日本との関係が深く、時差が少ないことからタブレットを利用した交流も行われています。日本語を第一外国語として学ぶ、中国の有名校・月壇中学校とも交流が始まりました。マレーシアとは、互いに学校を訪ね合う『フィールドワークツアー』がスタート。6月には同校の生徒32名がマレーシアを訪れる予定です。夏休みにはハーバード大学の学生が講師となり、英語でグループワークをしながら※クリティカルシンキングや英語表現を養う『SLICEプログラム』も新たに導入されました。
※クリティカルシンキング…客観的な批判精神に基づいた、論理的な思考法。考え方の技術。
グローバルな力となる論理的思考と英語力を磨く
同校では論理的思考力がグローバル時代に不可欠だと考え、その育成にも力を入れています。国語の授業では、『論理エンジン』という教材を使って、自分で考えをまとめ、論理的にアプローチする学びを実施し、英語、日本語ともにディベートを多く行っています。
確実な英語力の習得にも力を入れ、英語の授業には※ALTの先生が指導に入ります。より英語力を高めたい生徒にはタブレットを利用したオンライン英会話レッスンも始まりました。
「こうした取り組みに早い段階で参加し、そこで受けた刺激を日々の学習や将来の夢に活かしてほしいと思っています。また、6年間でさまざまなプログラムに何度も参加し、広い視野を持ってほしいですね」
(英語教諭・国際交流部部長/丹野隆史先生)
※ALT…外国語指導助手=Assistant Language Teacherの略。日本人教員を補佐し、生きた英語を教える英語を母語とする外国人を指す。
チャレンジする生き方を育てる

「グローバルとは、ボーダレス(国境がない)ともつながります。そうした時代に、国内外を問わずチャレンジングな生き方をする生徒を育てたい。そのための国際交流であり、論理的思考力の育成です。自国内にとどまらず広く世界を見据えている同年代の生徒と出会うことで、多くの刺激と学びを得ることでしょう」
(渡邊明男校長先生)
Action Report File001
すべての取り組みを統合して国際感覚を磨く
国際交流プログラムが2016年からさらに充実

Action Report File002
『フィールドワークツアー』が始動
マレーシアへプチ交換留学

2015年に始まったマレーシア・Sri UCSI中等教育学校との教育連携。昨年はUCSI校の生徒が同校生徒の自宅にホームステイし、一緒に授業を受けました。今年、2016年6月には、同校生徒がUCSI校に10日間滞在します。参加生徒の中には、マレーシアの生徒のホストファミリーとなった生徒もいます。
「お互い片言でも留学生と英語で話せて楽しかった」、「苦手な英語に興味が出た」、「将来のために英語力を伸ばしたい」と、来るべきツアーへの期待と夢を話してくれました。
Action Report File003
自然と英語的な感覚や表現力が身につく
ALT教員のリードで学びを充実
中1がオールイングリッシュで自己紹介
1年生(中1)のイングリッシュルームでの授業は、ALTのキャリー先生と英語科の細井健先生により、すべて英語で行われます。この日のテーマは自己紹介。「Ready Go!」の合図で16個のマス目が書かれた紙を持った生徒同士が、1対1で自己紹介をします。自己紹介が終わったら相手の紙にサインをして次の人を見つけます。16個のマスがすべて埋まったら、次はその紙を使ってビンゴゲーム。楽しみながら、英語に慣れていきます。


英単語探しやしりとりで語彙力アップ!
4年生(高1)の英語の授業は単語をテーマに、ALTのマーシー先生が授業をリードし、英語科の丹野先生がフォローする形で進められました。ヒアリング力が試される聞き取りゲームや英単語のしりとりなど、楽しみながら語彙力を高める授業が行われました。班別で点数を競うため、メンバーで協力しながら大いに盛り上がりました。


(この記事は『私立中高進学通信2016年7月号』に掲載しました。)
佐野日本大学中等教育学校
〒327-0192 栃木県佐野市石塚町2555
TEL:0283-25-0111
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 地域社会に貢献する体験型授業横浜富士見丘学園中学校
- 知の拠点 学校教育専門の司書が常駐 今年誕生した新図書館大宮開成中学校
- 100年以上の歴史を持つ伝統校の活気ある活動開智日本橋学園中学校
- 文武両道を実践して人間的成長を促進共栄学園中学校
- 身近な謎をカガクする未来の博士たちサレジオ学院中学校
- 高い意識を持って勉強と部活を両立させる獨協埼玉中学校
- 実力と精神力を高める濃密な部活時間多摩大学目黒中学校
- 人感センサー付きのエスカレーターを備えた地上11階の高層校舎日本大学豊山中学校
- 生徒たちのくつろぎの空間となるベンチ式の木製大階段富士見中学校
- 相互通行型授業で育てる国際社会を生き抜く力三田国際学園中学校
- 英語が苦手な生徒も成長したセブ島語学研修駒込中学校
- 世界を意識した学びを実践昌平中学校
- 理系テーマから世界を考える文京学院大学女子中学校
- 世界の多様性と温かさに触れる3つの海外研修東京女子学園中学校
- ASEAN諸国と教育連携 ALT授業で英語力を強化佐野日本大学中等教育学校
- 活発なグループワークを通じて“自ら気づく学び”を実践目白研心中学校
- 林業・漁業・農業体験は好奇心を刺激する貴重な時間日本学園中学校
- グローバル社会で、生き抜く力を育てる十文字中学校
- 将来に向け、学力とともに生きる力を育む日本工業大学駒場中学校
- 芽ばえ、花開く時期は一人ひとり異なります 環境・聞く・待つことが大切です恵泉女学園中学校
- 「有意義な失敗」と「欲張りな文武両道」で人としての在り方を学ぶ国士舘中学校
- 日本で唯一の「ダブルディプロマコース」文化学園大学杉並中学校
- 「学びを深め(修学)、それを実際に行動で示すこと(修行)」のできる生徒の育成立正大学付属立正中学校
- 仏教の教えのもと、学力の向上、人間的な成長を大切にした教育世田谷学園中学校
- 人を喜ばせることで自分も幸せになれる“清く・賢く・やさしい”女性を育てたい東京純心女子中学校
- 学び続ける姿勢を培い自分の基軸を持つ人物を育てる女子聖学院中学校
- 120年の伝統を核に「人を育む」男子校であり続ける京華中学校
- 創造力を高め、個性を尊重し生徒自らが「育つ」力を養う芝浦工業大学柏中学校
- 将来を見据えた授業改革と中学入試改革足立学園中学校
- 「指導員制度」と「チューター方式」で新中学1年生の学校生活をサポート八雲学園中学校
- 細やかな進路指導と校内講座で志望校に合格トキワ松学園中学校


