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私立中高進学通信

2016年6月号

The Voice 新校長インタビュー

国士舘中学校

失敗を恐れず行動することで
社会に役立つ自分が見えてくる

福田 三郎 (ふくだ・さぶろう)

始業式が行われたこの日、
桜の花びらが美しく舞い降りていました。

福田 三郎 (ふくだ・さぶろう)
岩手県出身。多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。画家名「荒屋三郎」。
国士舘中学校・国士舘高等学校の美術科教員を経て、教頭、副校長職を歴任。2016年4月より現職。
モットーは「美術を通して、子ども達の想像力、個性を伸ばす」。

教員になったのは絵を描くことと同じくらい子どもが好きだったから
大学卒業後、「画家」として初めて描き上げた作品が校長室に飾られています。大学卒業後、「画家」として初めて描き上げた作品が校長室に飾られています。

 美術大学を卒業した私は、生涯にわたって画家として生きていくつもりでしたが、恩師のアドバイスなどもきっかけとなり、美術科教員になりました。その決断に迷いがまったくなかったのは、絵を描くことと同じくらい子どもが好きだったからです。その後も、教頭として3年間、副校長として12年間、感性豊かな十代の若者達と過ごした時間は、私の教員人生の中でかけがえのない思い出になっています。

 大正6年に私塾「國士舘」として設立された本校は、いよいよ来る2017年に、創立100周年という大きな佳節を迎えます。「活学」を講ずる教育道場として設立された本校の歴史は、併設の高校や大学よりも長く、机上の勉強よりも、日々の実践の中から醸し出される学びを生きる力に変え、国家社会に貢献する人材を養成するという教育的視点は何一つ変わっていません。数多くある私学の中でも、最も私学らしい私学と評価される「国士舘」の奥深さではないでしょうか。

「國士舘」の伝統から人間の心の在り方を学ぶ
豊かな人間性を育む3つのポイント
  1. 「礼節」をわきまえること
  2. 自発的に学習する姿勢を身につけること
  3. 部活動をはじめとする「文武両道」を全うすること

 創立者の柴田徳次郎先生が綱領に掲げた「読書・体験・反省」という活学をベースにした学びのサイクルは、現代で言うところの「PDCA」サイクルと重なるのではないかと私は思っています。これからすることを自ら考え、計画したことを実行し、その結果が良かったか悪かったかを判断し、見直しをかけて、また次の計画に進む姿勢と重なるからです。

 大正から昭和、そして平成と時代が移り変わっても、「國士舘」の古き良きDNAは不変です。単なる知識の詰め込みだけで満足するような、いわゆる“頭でっかち”ではなく、迷いながらも、自ら進むべき道に向かって邁進する信念のある人材の育成こそ、本校の使命ではないかと思っています。

 本校では、多様な経験を通して、礼節をわきまえること、自発的に学習する姿勢を身につけること、部活動をはじめとする「文武両道」を全うすることの3点を特に重視しています。スポーツができればいい、勉強ができればいいといった偏った価値判断ではなく、“豊かな人間性がそこにあるか否か”で、自らの生きる価値、自らの使命といったものが決まってくると考えているからです。人としての心の在り方を6年間の学校生活を通して学び、社会に役立つ人材になってほしいと願っています。

異文化と触れ合うことでさらなる“宝物”探しを

 本校は昨年度より週6日制となり、より多くの授業時間を確保できるようになりました。その中でも特に時間数を増やしたのが英語の授業で、週10時間の枠を設けました。そのうちの5時間が、月曜日から金曜日の毎朝、1時間目に行っている英語の朝イチ授業です。“授業”と言っても教科書を使った内容のものではなく、歌やゲームのレクリエーションをはじめ、発声練習などもどんどん取り入れながら、とにかく楽しんでもらっています。

 この効果は当初の予想を上回るほど大きく、この春に中2となった生徒は全員、英検4級ないし5級を取得することができました。もちろん英語科の先生方のご苦労もあってのことですが、英語に対する自信を持ち始めた生徒達の瞳の輝きを見ていますと、この先が本当に楽しみで仕方ありません。

 外国人観光客の数が過去最高を記録し、職場にも地域社会にも、外国人の姿が当たり前に見られるようになった今、言葉の壁を乗り越えてつながるコミュニケーションは、まさに宝物と言ってもいいものです。ちなみに今、国士舘大学の21世紀アジア学部で学ぶ留学生に協力してもらう、中大連携による『英語村』構想が進行しています。学校にいながらできる異文化コミュニケーションを通して、また新しい宝物を見つけてほしいと思っています。

本質を見極める目を持てば知らないことは恥ではない

 校長として生徒に期待することは、どんどん失敗してほしいということです(笑)。知らないことは恥ではありません。とにかくやってみて、失敗したら次にどうすればよいかを考えればいいのです。今の世の中はどちらかと言うと、結果だけを見て善し悪しの判断が下されるような傾向がありますが、そこに実体験が伴っていなければ、真の価値を見出すことはできないのではないかと私は思っています。国士舘教育の基盤となる「活学」の視点も、結局はそこにあるのです。

 ずっと長い間、「十年一昔」と言われてきた世の中の流れが、今は“五年一昔”、あるいは“三年一昔”と言われるほど早まっています。もっと言うと、2~3年先のことはちょっと読めない、というふうな感じもしないではありません。しかし、流れの速度がどうこうというより、物事の本質を見極める目を失っては何にもなりません。例えば、グローバル化の流れの中で揺れ動く世界で、日本人としてのアイデンティティを見失うことはマイナスです。大切なことは、日本を、日本人であることを、世界に向けて堂々と発信できる力です。これからも、国内外の人々の役に立つ人材の育成に、尽力してまいりたいと考えています。

[沿革]
1917年、私塾「國士舘」として麻布に創立。以降、国士舘中等部、至徳中学校と名称を変えながら発展。1994年には男子校から男女共学校へとなり、2017年には創立100周年の佳節を迎える。

(この記事は『私立中高進学通信2016年6月号』に掲載しました。)

国士舘中学校  

〒154-8553 東京都世田谷区若林4-32-1
TEL:03-5481-3114

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