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私立中高進学通信

2016年6月号

思春期の伸ばし方

桐朋女子中学校

生徒たちは成功と失敗を通じて学び
プロセスの重要性や達成感を養います

校舎内には理科実験室が6つもあり、物理・化学・生物・地学それぞれで本格的な実験を行っています。

校舎内には理科実験室が6つもあり、物理・化学・生物・地学それぞれで本格的な実験を行っています。

創立75年目に誕生した桐朋女子初の女性校長
千葉裕子(ちば・ゆうこ)千葉裕子(ちば・ゆうこ)
1955年4月15日生、1960年桐朋幼稚園入園。以降、桐朋小学校、桐朋女子中学校、桐朋女子高等学校に学び、教員を目指し1974年東京学芸大学入学、1978年桐朋女子中高等学校保健体育科非常勤講師、東京学芸大学附属小金井中学校非常勤講師、1984年桐朋女子中高等学校教諭。2016年4月桐朋女子中高等学校校長就任。日本陸連公認コーチ。

 創立75年目にして初の女性校長が誕生した桐朋女子中学校。千葉裕子校長は、幼稚園から高校までの14年間を桐朋女子で過ごした根っからの“桐朋ガール”。

 どのような思いで校長に就任したのでしょうか。抱負を語っていただきました。

「女性初というよりも、生徒と教師、両方の立場を知っている人間がトップに立つことに今回の就任の意義があると思っています。本校で学び教えた私だから伝えられること、私にしかできないことがあると思いますし、還暦を迎えて人生最大の挑戦を始めた姿をぜひ生徒たちにも見てもらいたいです」

女性校長ならではの“女子脳”教育
各教室にはピアノが1台あり、自由に使用できます。また、授業ではヴァイオリンなど本格的な弦楽器にも挑戦できます。各教室にはピアノが1台あり、自由に使用できます。また、授業ではヴァイオリンなど本格的な弦楽器にも挑戦できます。

 さて、根っからの桐朋女子である千葉校長は、思春期という多感な時期を過ごす生徒たちをどのように伸ばしていきたいと考えているのでしょうか。

「私は桐朋女子の教育を語る時、“女子脳”というキーワードは欠かせないと考えています。
 “女子脳”とは、『結論を急がず過程(プロセス)を大事にすること』や、『横の意識の広がり』のことです。多くの女性に共感していただけるかと思うのですが、“話すうちに理解が深まっていく”ことがあります。ものごとをいろんな角度から見ていくと、確実だと思えていたものの中に迷いや疑問が生まれます。その“なぜ”をとことん追求した先に、はじめて事の本質が見えてきます。
 ですから私たちは、ご家庭でも会話の結論を急がないようにとお願いしています」

 “女子脳”のもうひとつの特徴は「横の意識の広がり」。こちらはどのように学校の教育に取り入れているのでしょうか。

「5月に行われる体育祭は、桐朋女子を象徴するイベントのひとつ。
 一番のポイントは学年対抗で行われる点です。ついこの間まで小学生だった中1の生徒にとって、高3生とハンデなしに競うのはとてつもない体験です。これをきっかけに、学年という横の連帯が強く育まれていきます。複雑な内面を抱える思春期の女子にとって、横の結びつきはとても大切です」

期待より信頼をー
任された喜びが成長に
『思春期の伸ばし方』の心得
  1. 女子脳を刺激して、結論を急がずに過程を大事に
  2. 転ばぬ先の杖をつかず、見守って
  3. 期待よりも信頼が、生きる力に

 桐朋女子の特色のひとつに、中1から高3までの6年間を2年ごとに分けた「3ブロック制」があります。中高一貫ならではのスキームであるといえます。

「キャンパスをABCの3つのブロックに分け、2年ごとの節目を明確にしています。思春期の6年間は山あり谷ありで、生徒たちも日々成長を続けています。中学、高校という3年単位の分け方では追いつかない部分を3ブロック制では細やかに対応できます。例えば、Aブロックは教科ごとの授業や集団生活という部分から指導していく必要があります。集団と共生する自己を確立していくBブロックにはまた別の配慮が必要です。Cブロックは桐朋生活のまとめとして中心的な役割が期待されると同時に、未来に向かって意識を広げていくステージになります」

 学校教育は、卒業後の人生を大きく花開かせるためにあります。学校で学ぶことは勉強だけではありません。千葉先生は、桐朋女子という場を通して「先の人生までを意識できる6年間を生徒たちに与えたい」と考えているそうです。

「桐朋女子にいる6年間よりも、その先の人生のほうが圧倒的に長いもの。生徒一人ひとりに伝えたいのは、『あなたの居場所は必ずある』ということ。表に出て活躍する人も、裏で支えることが得意な人も、それぞれがその道のリーダーです。生徒たちは成功と失敗を通じて多くを学び、プロセスの重要性やチームワーク、達成感、自己肯定感を養っていきます」

 失敗を通じて「自分の居場所」を見つけていく生徒たち。家庭でも同じ心がまえであってほしいと千葉先生は言います。

「親の字は『立ち木のそばで見守る』と書きます。子を思うばかりの『転ばぬ先の杖』は不要です。
 私たちが肝に銘じていることは、“期待よりも信頼を”です。期待は不要なプレッシャーを招きますが、任せてくれた喜びは信頼に応えたいという素直な意欲を引き出します。こうして積み重ねる小さな成功体験が、6年間のその先にある人生を勇敢に切り拓いていく大きな原動力となっていくのです」

“本物に触れる”授業
「家庭特講」
知識を体感で確実なものにしていく「特講」授業は、高1~高3の各学年で開講しています。知識を体感で確実なものにしていく「特講」授業は、高1~高3の各学年で開講しています。

 授業には3つのコンセプトがあります。それは、“本物にふれる” “考えを深める” “互いに高めあう”。高校3年生の選択授業である家庭特講では、育児休暇を取得している本校教員の赤ちゃんを迎えて、子どもの発育発達について学びました。その他、産休・育休制度について、待機児童の問題に関してもディスカッションを行い、様々な学びに繋げていました。実際に自分の目で見て、肌で感じて「体感」することが、桐朋教育の特色です。

(この記事は『私立中高進学通信2016年6月号』に掲載しました。)

桐朋女子中学校  

〒182-8510 東京都調布市若葉町1-41-1
TEL:03-3300-2111

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