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私立中高進学通信

2016年6月号

アクティブラーニングで伸ばす新しい学力

日出学園中学校

テスト問題を生徒が作成・答えを解説

質問するのが当たり前の活気ある授業
考える力・プレゼン能力がグンと伸びる
一人ひとりを伸ばすために

 生徒一人ひとりの自分らしさを伸ばす教育を理念とする同校。生徒が進んで参加し、より能動的に学ぶために、2015年度の中3生から「生徒自身に考えさせる」アクティブラーニング型の授業を試験的に導入しました。なかでも生徒たちに大きな影響を与えたのが、英語科の「テスト問題を生徒が作る」授業でした。

「文法を覚えさせるだけでは、生徒の『自分から勉強しよう』という気持ちは伸びない。“活用する場面”を具体的にイメージできてこそ、英語が身につく」

 との考えから、英語科の石川茂先生が編み出した方法です。

逆転の発想が意欲を高める
「アクティブラーニング型授業では、教師はリーダーではなく、良きフォロワーであるべき」と話す石川茂先生。「アクティブラーニング型授業では、教師はリーダーではなく、良きフォロワーであるべき」と話す石川茂先生。

 50分間の授業のうち、前半25分は文法や単語解説、読解など教科書を使った講義、後半25分をアクティブラーニングにあてています。

 石川先生は、夏休みに英語の問題とその解答・解説を作成する宿題を出しました。これを小テストにしてみんなで解き、答えは先生ではなく、問題を作成した生徒が詳しく解説するのです。このスタイルを約半年続けた結果、授業アンケートでは「英語が好き」と答える生徒が増加。授業での生徒の質問が飛躍的に増えたそうです。

「生徒が先生役をすると、ほかの生徒たちは気兼ねなく質問するようになります。説明がわかりにくい場合は厳しい質問も出ますし、生徒同士で教え合うようになります。すると『わからないこと』や『間違えること』が怖くなくなるのでしょう。通常の授業でも積極的に手を挙げる生徒が増えたのです」(石川先生)

 授業で学んだ文法や言い回しを、生徒にアドリブで実演させる。英語の詩を読んで絵を描くなど、石川先生は、10年ほど前から生徒に考えさせる授業を行ってきました。

「これからの時代は、場面や状況をイメージする『想像力』と、自分からものごとを生み出す『創造力』がなければ生き抜けないと思います。そのための力をつけるのが学校の授業なのです。その意味を理解すると、生徒たちは自分から学ぶようになります。中高6年間だけでなく、未来に役立つ知識や“学び方”を伝えていきたいですね」

 他の教科でも、生徒の積極性を促す試みが取り入れられています。社会科では、ディベート形式の授業を導入。一つのテーマについて肯定側・否定側の立場から意見を戦わせ、論理性を競うことで論理的思考とプレゼンテーション力を磨きます。国語科では読んだ本の魅力を他者に伝える『ビブリオバトル』を実施。最も読みたい本を投票で決めるため、読書量も増え大いに盛り上がるそうです。これらの取り組みも、生徒が自分で考え、わかりやすく意見を述べる力を養うことにつながっています。

 最初から答えを教えるのではなく、生徒に考えさせて、その意見を尊重し、一歩踏み込んだ助言で自信を持たせて学習意欲を高める。そのような授業の在り方が、生徒から無限の可能性を引き出しているのです。

日出学園
英語授業のアクティブラーニング
Step 1生徒が英語の問題を作成 解答と詳しい解説文を書く

ココがPoint!
自力で考える力を養う

 選択肢問題、記述問題、1つの文章を作る並べ替え問題などを自由に作成。解説は答えを導き出すまでの考え方と説明を「せりふ」のように詳しく書き込む。

自力で問題を考え出すことで理解度が高まる自力で問題を考え出すことで理解度が高まる
わかりやすい解説のし方を自然と考える 深く理解しないと解説文が書けない言い回しや文の組み立てを深く考察深く理解しないと解説文が書けない言い回しや文の組み立てを深く考察
わかりやすい解説のし方を自然と考える
Step 2生徒の名前が入った小テストをみんなで解く

ココがPoint!
自作した問題をみんなが解くことで、自尊心が高まり、自信がつく

 自作した問題を集めて先生が小テストを作成。問題の横には作成した生徒の名前が入る。

名前が出ることでモチベーションアップ!

名前が出ることでモチベーションアップ!

Step 3問題を作成した生徒が前に出て解説

ココがPoint!
論理的な説明ができる 質問に答えることで理解が深まる

 昔話風の文章をベースに作問した小林拓海くんが、前に出て問題を解説します。文中の“born” (“生む”の過去分詞)と“bone”(骨)の発音を「似ているけれどちょっと違う」と説明すると、他の生徒が「どう違うの?」と質問します。発音のお手本を示した小林くんは、みんなにも「言ってごらん」と練習させる先生ぶり。さらに石川先生が「この文章は1行ごとに韻を踏んでいるね、カッコイイ。すごいよ」と付け加えると、新たな発見に全員が「おお~!」と感動。勉強する喜びを共有した瞬間の、新しい授業のひとこまでした。

先生が助け舟を出すことも。フォローでより学びが広がる先生が助け舟を出すことも。フォローでより学びが広がる
質問が出る出る!質問が出る出る!
ココも注目!
質問しない授業はもう考えられない

 生徒が作成した問題は、歯ごたえのある良問ばかり。しかし最初からそうだったわけではありません。

「クラスメイトの問題や解説を見るうちに、自分も難しい問題の作成に挑戦したくなりました」と成田百花さん(右)。みんなに説明するからには正しく教えたいと、授業により集中するようになり、授業で学んだことを復習する習慣も身についたそうです。

「質問をしない授業はもう考えられません。自分の意見もきちんと発言できるようになりました」
(左・柴田咲さん)。

進学通信2016年6月号
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