私立中高進学通信
2016年2・3月合併号
中1の始め方
藤村女子中学校
FUJIMURAノートと少人数クラスで
学習姿勢と生活習慣を細やかに指導

八ヶ岳研修旅行では「人間ドミノ」に挑戦。
「仲」の人文字で、仲の良いクラスを作りたいという目標を表現しました。
自宅での学習習慣をつけ勉強と部活を両立させる

2015年度から、難関大学合格をめざす『特選コース』と基礎学力をしっかり養う『特進コース』を設け、新たなスタートを切った同校。各コースとも1クラス約10名の少人数制で、細やかな学習指導を行っています。
「特選コースでは、週2回7時間目の30分授業があり、演習や、高校内容を取り入れて、高校への学習の種蒔きをしています。ふだんの授業では高校のカリキュラムを先取りして教えています。進度が早い分、補習や自宅学習用のプリントなどでフォローアップし、一人ひとりの習熟度を高めています」(特選コース担任/増森理世先生)
自宅での学習習慣をつけ、日々の授業内容を定着させるために、2015年度から導入したのが『FUJIMURAノート』です。1週間の目標、時間割、自宅での学習時間と内容などを記録することで、自立学習の確立、生活習慣の見直しを図っています。ノートは毎週提出するため、担任が生徒一人ひとりの学習時間、生活態度を把握し、コミュニケーションを深める際にも役立ちます。
「自宅学習の時間を集計したことで、学力が伸びる生徒の特徴がわかりました。1日1時間程度勉強する生徒、夕食後や起床後など勉強する時間帯が決まっている生徒、テスト後にも勉強時間が極端に減らない生徒は、確実に成績が上がっています」(増森先生)
また、本校では、ほぼ100%の生徒が部活動に参加しています。中1では、慣れない電車通学も加わり、部活動と勉強をどのように両立すればよいのかわからない生徒も出てきます。そんな時にも、ノートが役立ちます。
「ノートで生活習慣をチェックし、『夜は疲れてしまうなら、朝少し早く登校して、宿題に取り組んでみては?』などと教員からアドバイスしています。もしも自宅学習に多くの時間を割いているのに成績が伸びない場合は、『勉強のやり方を見直してみようか』と生徒と一緒に改善策を考えることもできます」(入試委員長/廣瀬真奈美先生)
多彩な学校行事で友達づくりの不安を解消
新しい環境で、仲の良い友達ができるかどうかも中1生が抱える不安です。そのため同校では、入学間もない5月に八ヶ岳研修旅行に出かけ、親睦を深めています。
「中1の5月は、まだ友達関係が固まっていない時期です。寝食をともにし、屋外での調理やそば打ち体験などの共同作業を行うことで、一気に距離が縮まります。
最大のイベントは『人間ドミノ』。と言っても、これはドミノ倒しではありません。曲に合わせて、各クラスのテーマを人文字で表現するマスゲームです。2日間かけ、何を表現するか、どのような動きにするかを生徒たちで話し合うため、完成する頃にはクラスも一致団結。研修旅行から帰ってくると、見違えるように一体感が増しています」(増森先生)
夏休み前には、グループに1人ネイティブの英語講師がつき、3日間かけてグループ学習を行う『English Program Days』も待っています。
「今年度はみんなで架空の国を考えて英語でプレゼンテーションしました。アイデアを出し合いディスカッションをするうちに、お互いへの理解も深まったようです」(廣瀬先生)
地域の方々との触れ合いで社会への関心を育てる
クラスや校内だけでなく、地域の方々との触れ合いを大切にするのも同校の特徴です。校舎からほど近い井の頭恩賜公園の池で外来魚を捕獲したり、お年寄りから戦争体験を聞く機会を設けたり、学年が上がると清掃ボランティアなどにも取り組みます。
「最近は、自分に近い人とは親しくするものの、そうでない人々とは接点を持とうとしない傾向が強くなっているように感じます。地域の方と接することで社会とつながり、広い視野を持ってほしいと考えています」(増森先生)
「本校のある吉祥寺は、アットホームな街です。街の方々も生徒たちを温かく見守ってくださっていることへの恩返しをしたいと思っています」(廣瀬先生)
生徒と先生の距離も近く、地域の方々のサポートにより安心して学校生活を送れる同校。
「行事が多く、とにかくいろいろな経験を積めるのが魅力です。たくさんの壁を乗り越え、社会に出ても物怖じしない頼れる女性になってほしいですね。中1生の新たなスタートを、私たち教員もサポートしていきます」
(廣瀬先生)
自立学習を促進する『FUJIMURAノート』
FUJIMURAノートは、生徒自身でスケジュールを管理し、勉強計画を立てるための生活記録ノートです。日々の時間割、宿題、持ち物をメモするほか、週ごとの目標、自宅での学習時間とその内容を記入します。
「ノートの導入により、忘れ物が格段に減りました。また、週末にはその週の合計学習時間を記入するため、生徒たちの励みになっているようです。1週間を振り返っての感想文も、空いたスペースを作らないように最後までしっかりと書くことを指導しています。200文字程度ですが、毎週書くことで文章力、表現力もつくのではないかと思います」(増森先生)


その日の出来事、日々感じたことも記録。先生と保護者も目を通します。
(この記事は『私立中高進学通信2016年2・3月合併号』に掲載しました。)
藤村女子中学校
〒180-8505 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-16-3
TEL:0422-22-1266
進学通信掲載情報

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