LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2016年2・3月合併号

10年後のグローバル社会へのミッション

聖ヨゼフ学園中学校

文化や国境を越え
他者を理解する心を育成する

お話しいただいた清水勝幸校長先生。

お話しいただいた清水勝幸校長先生。

「グローバル」からさらに「ユニバーサル」へ

 戦後の混沌とした空気が残る1953年(昭和28年)に、カトリックの男子修道会アトンメントのフランシスコ会によって、「鶴見聖ヨゼフ小学校」が設立されたことから始まった同校。以来、「信・望・愛」を建学の精神に掲げ、普遍的な価値判断ができる人を育てる教育をめざしています。

「『アトンメント(atonement)』という言葉には、『和解』や『一致』といった意味があり、さまざまな理由から分裂してしまったキリスト教の教会がもう一度一致すること、さらには、異なる考えを持つ人が歩み寄り一つになることを目的とした考え方を指します。
 グローバル社会の到来が叫ばれる現代でも、さまざまな人が、それぞれの主義、考え方を強く主張し合って、多くの対立や紛争が生まれています。そんな時代においてこそ、違いを理解し、和解と一致を掲げるアトンメントの思いは、大切に受け継がれていかなければならないことだと感じています」(校長/清水勝幸先生)

 同校の「宗教」の授業では、違いを理解する力を養うために、イスラム教や仏教などの他宗教を学ぶことに時間を割いています。自分たちが当たり前だと思って信じていることも、文化や宗教によっては当たり前ではなくなることを学び、また、世界の紛争や対立の背景にはいったい何があるのか、その根底にある社会問題などにも目を向けていきます。

「今日では、『グローバル』という言葉が広く浸透していますが、私自身は、グローバルという言葉を使わずに、『ユニバーサル』という言葉を使って表現していきたいと思います。
 グローバルが『規模』を指すのに対し、ユニバーサルには、必ず『人間の心』が必要です。語学力だけではなく、そのもっと深い部分にある『違う民族や人種を、国境を越えて理解し合う力』を育成することこそが、一番大切なことだと考えています」

コミュニケーションの基本となる「国語力」や「思考力」が重要

 創立以来、授業以外にもさまざまな場面で英語に触れる機会を設け、実践的な英語力の育成に力を入れている同校ですが、重要な役割を果たすのはコミュニケーション力であるという認識のもと、国語力の育成も重視しています。

「人と理解し合うために必要なコミュニケーション力ですが、その基本となるのは国語力や、さらには思考力だと思います。本校では英語力と同様に、国語力を伸ばすさまざまな取り組みを行っています。また、感性を養う音楽や美術、生活に必要な力を養う家庭科などの教科も重要だと考えています。海外の人と豊かなコミュニケーションを取るためにも、グローバル社会の中では、バランスのとれた人間性が大切になってくるのではないでしょうか」

聖ヨゼフ学園の取り組みレポート
使う英語を意識して実践的な英語力を養う

 言語習得には、目標言語の大量のインプットが必要。そのために、授業はもちろん、学校生活のさまざまな場面で英語に触れる時間を設けています。

「週に1度、英語で聖歌を歌ったり、お祈りをしたり、英語表現を学ぶ練習をしたりする『英語朝礼』の時間があります。ネイティブの先生が普通のスピードで話しますが、生徒たちはすぐに適応していきます」
(清水校長)

 また、高校生に人気があるのが、ネイティブの先生たちと自由な話題で会話しながらランチを楽しむ『イングリッシュ・ランチ』です。

「好きなテーマで話せるので話題が広がります。自分の英会話力は、そこで身につけたと話す卒業生もいます」

        
英語のインプットを増やし、学んだ英語を使用する場面を増やすために、英語の授業中に取り入れているのが、洋書の「多読」と、与えられたテーマについて友達と話す「スモールトーク」。各教室には、たくさんの洋書が積まれたワゴンが置かれています。英語のインプットを増やし、学んだ英語を使用する場面を増やすために、英語の授業中に取り入れているのが、洋書の「多読」と、与えられたテーマについて友達と話す「スモールトーク」。各教室には、たくさんの洋書が積まれたワゴンが置かれています。
生徒たちが作った英語の絵本。楽しみながら英語を使用する場面を増やしています。生徒たちが作った英語の絵本。楽しみながら英語を使用する場面を増やしています。
生徒たちが作った英語の絵本。楽しみながら英語を使用する場面を増やしています。
生徒たちが作った英語の絵本。楽しみながら英語を使用する場面を増やしています。

生徒たちが作った英語の絵本。楽しみながら英語を使用する場面を増やしています。

コミュニケーションのベースになる国語力と問題解決能力を養う

 グローバル社会で求められるコミュニケーション力を養うために、英語力の育成と同様に力を入れているのが国語教育。国語科では、『漢字検定』『語彙・読解力検定』へのチャレンジや、自分の思いを論理的に伝えていく力を身につけるための『論理エンジン』の教材を取り入れた授業を実施。また、総合学習の時間には、学年ごとに、さまざまなテーマで『クリティカル・シンキング』を中心とした探究型の学習を行っています。

「世界で起こっているさまざまな問題の解決方法は、決して一つではありません。『クリティカル・シンキング』を通じて、答えが一つではない課題に対して、自分で問題点を探して、自分の頭で解決する力をつけていきたいと思っています」

『語彙・読解力検定』の勉強会の様子。新聞を読み、時事用語などの語彙や読解力を高めます。『語彙・読解力検定』の勉強会の様子。新聞を読み、時事用語などの語彙や読解力を高めます。
中1の総合的な学習の時間での『探究学習』のプログラム。ユニバーサルデザインをテーマに、違いを乗り越えてともに生きる方法を探究しました。中1の総合的な学習の時間での『探究学習』のプログラム。ユニバーサルデザインをテーマに、違いを乗り越えてともに生きる方法を探究しました。
さまざまな文化に触れる「イギリス語学・文化研修とイタリアの旅」
寮生活で、他国の学生たちとも交流を深めます。寮生活で、他国の学生たちとも交流を深めます。

 高1の希望者を対象に、夏休み中の18日間の日程で行われる「イギリス語学・文化研修とイタリアの旅」。最初の約10日間は、イギリスのシュリューズベリーでの語学研修に参加して、ヨーロッパを中心とする他国の生徒たちと一緒に寮生活を送ります。その後、ロンドンを観光してからイタリアに向かい、ローマやバチカン市国を訪れます。日本とは異なるさまざまな文化に触れることができる、とても充実した研修です。

今までの自分の、一歩外へ!「ヨゼフチャレンジ」

 清水校長先生の「学生だからこそ、失敗を恐れずにチャレンジしてほしい。それも簡単なチャレンジではなく、失敗と成功の境目を狙った大胆なチャレンジを!」という呼びかけのもと、始まったのが「ヨゼフチャレンジ」です。

「当たり前だと思っている価値観を破って、一歩外に踏み出してみると、今まで自分が思ってもいなかったような世界が必ず開けていくものだと思います。グローバル社会と言われる時代だからこそ、生徒たちには、自分の枠組みを越えてチャレンジする気持ちを持ってほしいですね」

     
ヨゼフチャレンジには、生徒だけではなく先生たちも参加。校長室の入り口には、それぞれが宣言したチャレンジの内容が掲示されています。清水校長も、アルトサックスに挑戦中。ヨゼフチャレンジには、生徒だけではなく先生たちも参加。校長室の入り口には、それぞれが宣言したチャレンジの内容が掲示されています。清水校長も、アルトサックスに挑戦中。
チャレンジの中間報告。「小さな学校なので、チャレンジをしている生徒の顔が思い浮かぶのもいいところです」チャレンジの中間報告。「小さな学校なので、チャレンジをしている生徒の顔が思い浮かぶのもいいところです」
進学通信2016年2・3月合併号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ