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私立中高進学通信

2016年2・3月合併号

未来を生き抜く学力のつけかた

聖学院中学校

独自の学習プログラムL.L.T.で
自ら考え、学ぶ探究心や共に生きる力を育てる

グループ内で意見を交わし、自分たちで問題を見つけて、正解のない答えを探していきます。

グループ内で意見を交わし、自分たちで問題を見つけて、正解のない答えを探していきます。

独自の教育プログラム
L.L.T.とは?
L.L.T.の構築を担当された、中学部長で地歴・公民科の大野泰邦先生。 L.L.T.の構築を担当された、中学部長で地歴・公民科の大野泰邦先生。

「Only One for Others」(他者のために生きる個人)を教育理念の柱として、世界に通用する力の育成に取り組んできた同校は、今年2016年で創立110年を迎えます。

 伝統校でありながら、常に世の中の変化に合わせ、良いものは進んで取り入れる精神が同校にはあります。そうした教育理念と土壌から生まれたのが『L.L.T.』と呼ばれる同校独自の教育プログラムです。

 L.L.T.は「Learn Live Together」の頭文字をとったものです。通常の教科では学べない、命の大切さや他者との共生など、哲学的・道徳的なテーマをメインに中学3年間を通して課題に取り組んでいきます。

 生徒たちは答えが一つではない難しいテーマと真剣に向き合い、話し合いを重ねることでお互いを尊重し、共に学び合うことを身につけていきます。

「これからの人生にとって重要な基礎をつくる中学生の時に、L.L.T.の学びを通して自分がどう考えているのかを可視化して、それに気づく経験をしてもらいたいのです」

 と中学部長で中1のL.L.T.を担当する大野泰邦先生は語ります。

先生方の熱意と取り組みが生徒の成長をサポート

 同校では入学後すぐに2泊3日での新入生合宿があり、いろいろな形で生徒同士が密に交流します。

「意見を交わし合う授業スタイルについていけるのか、不安に思う保護者の方もいらっしゃいますが、合宿を経て生徒同士の距離が近くなり、自分の意見を発信したり、友だちの考えに耳を傾ける授業にもすぐに適応しています」

 同校では、L.L.T.以外にもさまざまな教科で、自ら考え、ディスカッションするアクティブラーニング型の授業形式を取り入れています。試行錯誤して授業を進めるなかで、生徒たちの意外な考え方や行動を知ることができ、多くの気づきを得られているそうです。

 3学期、中1の地理の授業では、アクティブラーニングを取り入れた『日本の未来をつくろうプロジェクト』という新たな取り組みを実施する予定だそうです。将来の日本をどうつくっていくのかについて、人口問題やエネルギー問題などのカテゴリーごとにグループワークで討議しながら考察していくというものです。

「『地方活性化』というカテゴリーもあるので、良いレポートができたら国務大臣の石破茂氏に送ろうと生徒たちと今から盛り上がっています」

アウトプット重視のアクティブラーニング

 これからの時代に求められるのは、自分なりに仮説を立て、論理的に思考し、他者と意見を交わしてまとめていく能力です。この能力を養うため、同校ではL.L.T.に加えてアクティブラーニングを積極的に取り入れた授業スタイルに取り組んでいます。

「特に、自らの考えを言語化することがとても大事だと思います。生徒にはワークシートなどを使って、たくさん書いてもらうようにしています。そうして書いたものは、人に言われたものではなく自分で考えて表に出したものですから、その重みが違います」(副チャプレン※/百武真由美先生)

※チャプレン 牧師。同校の教員として聖書の授業を担当。

すべての情報発信地・図書館でも授業が行われます。保護者の方が本を借りることもできます。すべての情報発信地・図書館でも授業が行われます。保護者の方が本を借りることもできます。
他者の意見を踏まえながら、自分の見つけた答えや考えをワークシートに書き込んでいきます。他者の意見を踏まえながら、自分の見つけた答えや考えをワークシートに書き込んでいきます。
本物に触れる体験学習が人間力を鍛える
知識として知っているのと、実際にやってみるのとでは大違い。農村体験学習での体験は、生徒たちの一生の宝となりました。知識として知っているのと、実際にやってみるのとでは大違い。
農村体験学習での体験は、生徒たちの一生の宝となりました。

 北アルプスの蝶ヶ岳に登頂する中2の夏期学校や、米作りの盛んな新潟県糸魚川市の農家に3泊4日でホームステイを行う中3の農村体験学習など、同校では体験型教育に力を入れてきました。

 特に、30年続いているという農村体験学習は、旅行会社に任せてしまうのではなく、毎年、担当の先生がホームステイ先の農家1軒1軒を訪ねてお願いしているのだそうです。

「農村体験学習は、ICT化が進んでバーチャルな世界にいる現代の男の子に、本物に触れてもらいたいという思いで取り組んでいます。農村体験学習の後、生徒たちが変わってくるのがわかります」
(副校長/清水広幸先生)

人生の基盤を醸成する
独自の学習プログラムL.L.T.

 毎年異なるテーマをもとに1年間を通してL.L.T.の授業は行われます。中1では、「いのちの大切さ」をテーマに進められます(表参照)。中2では、「プロジェクトマネジメント」、中3になると「食と人間」「キャリアデザイン」がテーマになります。本誌2015年10月号でお伝えしたとおり、企業提案型コンテスト『クエストカップ2015』で、初出場にして見事グランプリを獲得したメンバーも、中1からL.L.T.の授業を受けてきました。

「中1の1学期の授業では、人間は20代前までさかのぼると約100万人にもおよぶ祖先との結び付きがあり、1人でも組み合わせが違えば今の自分はいないことや、一人ひとりがどれだけ奇跡の存在なのかなど、自己認識についていろいろな切り口で考えていきます」(大野先生)

「2学期の授業では、『自分にはどんな地位や権利が与えられているのか?』や『友だちの条件ってなんだろう?』という問いに対して投票してもらいました。また、いじめについて、『聖書』や童話の『泣いた赤鬼』を使って、傍観者はいじめの賛成者であるという授業を行いました」(百武先生)

中1生におけるL.L.T.学習の内容
学期 テーマ 主な学習内容
1学期 「大切なきみ」 「命のつながり」「命のはじまり〜子ども編、母親編〜」「「いのち」の使い方〜賜物探しをしてみよう!〜」「自分の命を大切にするって?」 など
2学期 「いじめを克服する」 「これっていじめ?」「みんなの権利」「みんなの友だち」「傍観者にならない」「友だちのために働く」 など
3学期 「人間関係の構築」 「音楽を通じての自己理解、他者理解」「友人が持つ様々な価値観を知り、自分と他者の違いを知る」「日常会話の少ないクラスメートとの交流」「ことばの伝達と理解のトレーニング」 など
        
中1生でも、クラスのみんなの前で堂々としたプレゼンテーションができていました。中1生でも、クラスのみんなの前で堂々としたプレゼンテーションができていました。
聖書の授業を担当されている百武真由美先生は、「L.L.T.を通して学んだことを社会に出たときの突破口にしてもらえたらうれしいです」と話します。聖書の授業を担当されている百武真由美先生は、「L.L.T.を通して学んだことを社会に出たときの突破口にしてもらえたらうれしいです」と話します。

(この記事は『私立中高進学通信2016年2・3月合併号』に掲載しました。)

聖学院中学校  

〒114-8502 東京都北区中里3-12-1
TEL:03-3917-1121

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