私立中高進学通信
2016年1月号
10年後のグローバル社会へのミッション
日本大学豊山女子中学校
英語にたくさん触れて
自主的に英語を楽しむ環境づくりと教育

少人数授業やスピーチコンテストで英語をアウトプットする
同校の英語教育では、より多くの生徒が、英語に親しめるように工夫が凝らされています。
中学校では、週に1時間、1クラスを2つに分けて、ALT※と日本人教員のペアによる授業(チームティーチング)を行っています。
「普段の英語の授業で学んだ英語表現や英単語などを、ペアやグループで実際に英語を使うことで、知識の定着をめざします。ALTと日本人教員で打ち合わせを重ね、わかりやすい授業を心がけています」
(英語担当/相澤早紀先生)
英語を学ぶ行事として中学全体で行われているのが、英語スピーチコンテストです。これは共通課題の暗唱(レシテーション)部門と、自作の英作文の発表(スピーチ)部門とで行われ、ALTと英語科教員の審査によって学年ごとの優勝者が決定されるというもので、チームティーチングの時間にスピーチコンテストの練習が行われます。発音はもちろん、抑揚やジェスチャーなど、表現したいことを的確に伝える方法を実践で繰り返し学ぶのです。
「クラス全体から代表者を選ぶ予選があり、全員で練習します。昨年の中1はハンプティ・ダンプティを暗唱しました。まだ習っていない文法や単語も多いので、最初は詩の内容を理解することから始めます。後日、授業で学んだときに『あのときこれを暗唱していたのか』と理解もしやすいようです」(相澤先生)
また中学全校生徒が受検する英検全員受検を始め、放課後英会話教室、ALTによるクッキング授業、高校での海外英語研修、TOEIC対策など授業以外でも英語に触れる機会を多く設けていることも特色です。
英検は同校が準会場となっていて、全校生徒が受検します。受検対策は授業の一部として全員で取り組み、希望者には放課後対策授業を行うなどして、中学卒業までに準2級取得をめざしていますが、2級を取得する生徒もいるそうです。高1・2の希望者を対象に実施されるカナダ海外英語研修では、カナダの有名女子高である St. Margaretʼs School の学校敷地内にあるドミトリー(寮)や、ホストファミリー宅にホームステイしてリアルな英語に触れることができます。
「日本大学の教育理念と目的は『自主創造』。さまざまな機会に英語に触れ、親しみを持って自主的に学ぶ精神を育むのが本校の魅力です。国際感覚を持った人材育成をめざして教育に取り組んでいます」
(英語科主任/松﨑祐介先生)
※ALT=Assistant Language Teacher(外国語指導助手)
日本人教師を補佐し、生きた英語を子どもたちに伝える英語を母語とする外国人。
日本大学豊山女子の取り組みレポート
ALTと日本人教員とで行われる少人数制授業のチームティーチング

普段の授業に加えて少人数制のチームティーチングを行い、英語に触れる機会を増やすことで英語に親しめる工夫をしている同校。本場の発音が聞ける環境の中で、ゲームやペア活動、発表などを通して楽しく英語表現や英単語に親しんだり、人前で英語を使う練習をしたりと、理解した内容をアウトプットする機会を多く設けています。一人ひとりの生徒がたくさん発表できるのも少人数制授業のメリットです。さらに中3では高校進学に備えて週3時間、基礎学力と応用力を定着させるための少人数制授業を行っています。
練習を繰り返して表現力を磨く
全員参加の英語スピーチコンテスト

中学全体で行われているのが英語スピーチコンテストです。共通課題の暗唱(レシテーション部門)では、マララさんのスピーチやハンプティ・ダンプティなどの有名な英文から教科書の本文のような身近な英文まで、幅広いバラエティーの中から学年ごとに課題の英文が選ばれます。全学年で行われるので、生徒たちは刺激を受け合い、特に中1生は先輩たちの豊かな表現を見て、英語を学ぶ楽しさに触れられる機会となっています。また高校生では、全国の日本大学付属校の代表者によるスピーチコンテストが行われます。代表生徒がコンテスト前に全校生徒の前で発表する機会もあり、6年間を通じてスピーチに親しめます。
国際感覚豊かな人間を育成する「カナダ海外英語研修」
高1・2の希望者を対象に毎年7月の約2週間、カナダのブリティッシュコロンビア州・ヴィクトリアで英語研修を実施し、今年で20年目を迎えました。最初の1週間はカナダの有名女子高であるSt.Margaret’s Schoolの学校敷地内のドミトリー(寮)に宿泊。ゲームやスポーツ、日常会話のレッスンなどを繰り返しながら、実用的な英会話を学びます。後半の1週間は一般家庭のホストファミリーのもとでホームステイし、コミュニケーションの大切さを学びます。
「アクティビティ、ボールゲームなどを通じて実用的な英会話に触れ、生徒同士で理解を重ねることで成長しています」(本年度引率/篠原大生先生)


(この記事は『私立中高進学通信2016年1月号』に掲載しました。)
日本大学豊山女子中学校
〒174-0064 東京都板橋区中台3-15-1
TEL:03-3934-2341
進学通信掲載情報

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