私立中高進学通信
2015年12月号
目標にLock On!! 私の成長Story
サレジオ学院中学校
目標だった「25歳の男づくり」
振り返り気づく先生の支え

OB 平賀皓太さん 理学療法士
部活動でのアクシデントが今の仕事を知るきっかけに

サレジオ学院を卒業し、理学療法士として活躍する平賀皓太さんは25歳を迎えました。25歳はサレジアン(サレジオ生)にとって特別な年齢です。同校では大学を卒業し、社会に出て数年が経ったころであるこの年齢を『25歳の男づくり』と呼び、一つの目標にして日々を過ごすよう指導しています。
25歳の今、平賀さんが就いている理学療法士の職業に出会ったのは同校在学中のサッカー部の試合で、骨折をした時でした。
「自分がレギュラーに選ばれるかどうかという中2の試合の時でした。出場できたことが本当にうれしかったので、骨折したことよりも、試合の場から去らなくてはならないショックのほうが大きかったことを覚えています。その後に受けたリハビリ治療で、人の体を癒す理学療法士という職業を知り『こんな仕事もいいな』と興味をひかれるようになりました」
将来やりたいことから進路を決めなさい
同校では高1生を対象に2泊3日の泊まり込みで進路ガイダンスを開催します。
「大学の先生の講演を聞いたり、適性を知るためのワークをしたり。夜になると卒業生が30〜40人来て、進路に関する話をしてくれるんです」
ガイダンスは、卒業生が仕事や学校の後で足を運びやすいようにと、都内で開催されます。
「当時は、先生の話よりも同じ学校で生徒として過ごしたことがある先輩サレジアンのアドバイスのほうが素直に聞けました」
平賀さんはそう笑顔で振り返ってくれました。
進学校として知られる同校ですが、偏差値重視の進路指導ではなかったそうです。
「先生からは『偏差値の高い大学をめざせ』ではなく『自分のやりたいことから進学先を選びなさい』と言われました」
生徒の主体性を引き出す進路指導に加え『25歳の男づくり』という言葉を日々繰り返し聞くうちに、生徒たちは自然と大学卒業後の自分の姿を意識するようになります。
「サレジオは進路指導に限らず、生徒のやりたいことを応援し、支えてくださる先生ばかりでした」
生徒を支える=アシストすること、これは同校の母体であるサレジオ会の創立者ヨハネ・ボスコの提唱するアシステンツァ(assistenza)=「共にいる」の精神からくる教育方針です。
支え合いから身についた周りへの気遣い

「みんな伸び伸びと過ごし、誰もが個性的でした。また何をするにも『みんなで』というアットホームな校風もあり、お互いの心の距離が近かったと感じます。だからこそ、自然に相手を気遣う気持ちがわいてきました」
この気遣いは、仕事をするうえでも大いに役立っています。
「患者さんの中には、病気やケガの影響で十分に会話ができない方もいらっしゃいます。そんな時、その方が何を伝えようとしているのか、何を感じていて、どうしてほしいのか、それを気遣える力はサレジオで身につけたものです。
そして25歳になってみて、今までは患者さんにばかり目を向けていましたが、職場環境や後輩指導など、これからは広い視野を持って仕事を捉えなければならないと感じています」
昨年、同校主催で「25歳の同窓会」が開催されたそうです。
「会には、さらに25歳上の50歳になられた大先輩も参加されていました。同級生とその大先輩の1人が同じ会社ということがわかり、とても盛り上がっていました。サッカー部では必ず毎年1月3日に『蹴り初め』で集まりますし、このように卒業してからもつながりがあります。そろそろ結婚をする同級生も増えてきたので、『いつか家族ぐるみで集まろう』という話も出るようになりました」
目標の25歳を迎えてもなおそれぞれが成長し続けるように、サレジアン同士のつながりも、卒業後も広がり続けています。
「25歳の男づくり」に込められた
「世の中に還元できる人間に」という願い

中1時代の担任だった小川剛史先生と思い出の1年C組の教室で。
当時、小川先生は今の平賀さんと同じくらいの年齢。「若い先生だったので、親近感がありました」と平賀さん。
「1年C組は本当ににぎやかなクラスでした。25歳になってもみんなあの頃の元気な面影は残したまま、それぞれが自分の能力を活かし社会で活躍しています。本校はミッションスクールなので『25歳の男づくり』という言葉には『25歳になった時には一人ひとりが与えられた命を、世の中に還元できる人間になっているように』という願いも込められています」と小川先生。
(この記事は『私立中高進学通信2015年12月号』に掲載しました。)
サレジオ学院中学校
〒224-0029 神奈川県横浜市都筑区南山田3-43-1
TEL:045-591-8222
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