私立中高進学通信
2015年12月号
Teacher's Lounge 先生たちの座談会
立正大学付属立正中学校
レベルの高い授業と生徒との個人面談で
やる気を高め、着実に学力アップ!
第一志望の大学合格をめざす「特進クラス」


高2特進文理混合クラス担任。担当教科は英語。現在、プライベートな時間を使い、大学院で英語教育について学んでいる。
――貴校では、中学2年から、特進クラスと進学クラスに編成を分けて指導をされているとうかがいました。特進クラスとはどのようなクラスなのでしょうか。
中村先生
はい、昨年度まで特進クラスが設けられているのは中3からでしたが、今年度からは中2から特進クラスができました。特進クラスの生徒は、全員、一般入試での大学進学をめざしています。
横野先生
中学の特進クラスは、主に学内のテストの成績によって、高校の特進クラスは外部の模擬試験の成績によって編成されます。中2で特進クラスに入ると、中3、高1、高2でクラスの入れ替えがあります。高2以降の2年間はクラス替えがありません。
中村先生
特進クラスの選考は成績による評価が原則ですが、特進クラスまであと一歩という生徒も、意欲や向上心があれば入れます。そういう生徒は、クラスにいい刺激を与えてくれるんですよ。特進クラスで互いに切磋琢磨して、合格実績も着実に伸びています。
松本先生
今、高2特進理系クラスで担任をしていますが、生徒は、ほぼ進路も固まり始めていて、目標に向かってがんばっているところです。

高2特進理系クラス担任。担当教科は理科(生物)。昆虫学の研究で、農学博士号を持つ。山岳部の顧問として今夏は南アルプスを踏破した。
――特進クラスと進学クラスでは何が違うのですか。また、特進クラスに進む際には、どのような指導をされていますか。
松本先生
特進クラスは授業の進度が早いのが特徴です。また、進学クラスに比べて掘り下げた内容を取り扱います。理科では副教材も多用しています。高校に入ると大学入試問題を積極的に活用して演習も行います。
中村先生
英語は高校では、難易度の高い教科書を使っています。また、授業の単位数も多いですね。
横野先生
数学は、中学は同じ教科書を使っていますが、高校の授業内容を先取りしています。定期テストも難しい内容ですね。
中村先生
進学クラスから特進クラスに上がる際は、フォローもしているので心配はありません。生徒は意欲的ですし、たとえば中学の場合、同じ教科書を使用していることもあり、特進クラスにはスムーズに溶け込むことができます。
横野先生
そうですね。中学から高校に入る段階では、参考書などを勧めて準備をしておくなど、具体的にアドバイスを行います。それに特進クラスに入ると周囲の学ぶ姿勢に引っ張られて、なじんでいくので大丈夫です。

高3特進文理混合クラス担任。担当教科は数学。受験間近な生徒の指導で忙しい日々を送る。休日はサッカー部でアドバイザーも務める。
――特進クラスの位置づけや、目標について教えてください。
松本先生
今のクラスは中2から担任をしていますが、最初に「みんなが勉強している様子を見て、自分も特進クラスに入りたいなと思ってもらえるような存在になろう」と生徒に言いました。実際、よいお手本になっていると思います。
横野先生
特進クラスは、生徒のやる気を大切にしているので、特進クラスを希望する数によって、学年でクラスの数は異なります。
松本先生
実際、昨年の高1は特進クラスが2つでしたが、高2になって3つに増えているんですよ。
――先ほど、授業の難易度が高いとうかがいましたが、その他に特進クラスにはどのような特徴があるのでしょうか。
松本先生
大きな特徴として、進学指導や苦手克服、勉強法のアドバイスなどのために、1年を通じて、何度も個人面談をすることが挙げられます。
中村先生
同じ特進クラスで学んでいても、めざす大学や学部によって、教科の必要度も学力のレベルも異なります。授業は一斉に行われますから、生徒一人ひとりに応じた細かい学習指導については、面談が果たす役割は大きいですね。面談の回数は特に決まっていませんが、1人15〜20分くらいで、年間5回を目標にしています。
横野先生
私も5回は面談を行っています。受験を間近に控えている今は、精神的にサポートしてあげることが大事だと考えてアドバイスをしています。この時期、伸び悩むケースも見られるのですが、意欲を失わずに志望校合格に向けてがんばろうと。夏休み中も、中だるみしないように生徒を学校に呼んで、勉強の進み具合などの話を聞きました。
松本先生
高2の担任をしているので、将来を見据えて、どんな学部・学科に進んだらいいのか方向性についてアドバイスをしています。また、そのためにどんな準備をしたらいいのか、重点的に学ぶべき内容などをかなり細かく指示します。特進クラスではスケジュール帳を活用しているので、それを見せてもらいながら上手に時間を使えるように、計画を立てるための指導もしています。
中村先生
私が今重視しているのはラーニングスタイルです。1人でコツコツ勉強する、人と協力しながら勉強するなど、やり方は人それぞれです。生徒に気付かせる、提案することも、面談の大切な役割です。自分でやり方を選ぶことでモチベーションも上がるんですね。
横野先生
一人ひとりスケジュール帳をチェックしながら、個人面談をするのは大変ですが、志望する大学に入ってほしいですし、特進クラスでの学ぶ姿勢は学校全体にもプラスの影響を与えますから、面談での指導は大事だと思います。
松本先生
特進クラスの担任は進級してもそのまま、クラスを受け持ちます。ですから、生徒一人ひとりのこともよく分かっているんですね。面談でも、そのメリットは活かされています。
中村先生
このほか、ロングホームルームでOBを招いて、受験についての話をしてもらうこともあります。本校版「しくじり先生」というような感じで、先日も中学から高校までの特進クラス全員を対象に、浪人経験のある大学生に体験談を話してもらいました。
横野先生
身近な先輩の失敗談は、勉強を進めるうえでとても役に立ちます。
中村先生
イベントと言えば、東京エクセレンスというプロ・バスケットボールチームの代表の方を招いて、講演を行ったこともあります。この方はスポーツ・ドクターで、いかに自分のパフォーマンスを上げるかということをテーマにお話をしてもらい、生徒にも大変好評でした。もちろんこうしたイベントは、特進クラスだけでなく、学年ごとや、進学クラスの生徒も交えて行うこともあります。

――特進クラスの存在が、学校全体に与える影響も大きそうですね。
松本先生
私は中1の理科も教えていますが、すでに特進クラスを意識していて、中2では特進クラスに入りたいと言う意欲的な生徒も多いですね。
横野先生
高校生の特進クラスはすべて6階にあります。朝早くから来て6階で勉強をしている様子を、進学クラスの生徒も見ているので、刺激にはなっていると思います。
中村先生
今以上に、一般受験をめざして、進学クラスから特進クラスを希望する生徒が増えてくることを期待しています。
(この記事は『私立中高進学通信2015年12月号』に掲載しました。)
立正大学付属立正中学校
〒143-8557 東京都大田区西馬込1-5-1
TEL:03-6303-7683
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