私立中高進学通信
2015年12月号
10年後のグローバル社会へのミッション
東京女学館中学校
世界に羽ばたく女性の育成をめざす
伝統校の真の国際化教育

約3週間の滞在で、現地の先生ともすっかり打ち解けました。2015年夏に行われたアメリカ研修旅行には、30名が参加。
多文化共生の時代を生き抜くインクルーシブ・リーダーシップ
「諸外国の人々と、対等に交流できる女性の育成」が建学の精神である同校。
「創立以来130年近い歴史のなかで、建学の精神は深く熟成されてきました。そして今、世の中のグローバル化の流れのなかで、時代に沿う形での国際交流を通した人づくりをしていこう、という思いを強くしています」
(教頭/渡部さなえ先生)
国際化が進み、価値観も一様ではなくなった21世紀。子どもたちは、正解のない課題や見たことも聞いたこともない課題に直面することも少なくないでしょう。こうした多文化共生の時代を生き抜く力として求められているのが、インクルーシブ・リーダーシップです。
「一人がリーダーとなり人を動かすのではなく、適材適所という言葉のように、互いの良さを理解し、みんなの力を総合的に集めてやり遂げていくリーダーシップのことです。これには高いコミュニケーション力はもちろん、他国の文化理解が欠かせません」(渡部先生)
伝統校ならではの国際交流プログラムと『国際学級』
同校では、アメリカと東南アジアへの文化研修をはじめ、短期留学生を迎える提携校相互交流などを通して、国際交流を行っています。
「特に東南アジアの提携校とは、ホームステイを通じて相互の交流を深めています」(英語科/多田道子先生)
生徒の家庭がホストファミリーとなって留学生を迎えるなど、海外に行かなくても異文化体験ができるのも魅力。同校の国際交流は20年近く続いており、蓄積されたノウハウは財産となっています。また、アメリカ文化研修で行われる「ジョブ・シャドウイング」は、同校ならではのプログラムです。
「社会の第一線で活躍する女性に丸一日、密着させていただきます。文化の違いを肌で感じて、気づきを得ることが成長につながります」(渡部先生)
国際交流を通じた国際化教育は、同校の柱です。この求心力となっているのが、2004年に開設された『国際学級』です。世界で通用する、英語力の育成に特化したクラスで、帰国生と一般生が机を並べて学んでいます。
「国際学級には、国際交流に高い意識を持つ生徒がいます。こうした生徒が刺激となって、一般学級の生徒も含めた学校全体がグローバルな視野を広げています」(渡部先生)
伝統の精神と、時代に合わせた柔軟な教育が、次世代のリーダーシップを担う女性を育んでいます。
東京女学館の取り組みレポート
異文化を理解する広い視野を育てる 2つの海外文化研修

オレゴン州の豊かな自然のなかで学ぶアメリカ文化研修
夏休みを利用して、高1と高2の希望者を対象に行われています。オレゴン州のTIUA(東京国際大学アメリカ校)での寮生活を基本に、週末にはホームステイなども組み込まれた約3週間のプログラムです。
生徒は、研修終盤のジョブ・シャドウイングに向けて準備を重ねていきます。研修に先だって、英語のブラッシュアップと相手国の文化を学ぶ授業を目的に、1泊2日の事前研修も組まれており、単なる語学研修に留まらない学びが得られます。

ホームステイで地元の文化を知る東南アジア文化研修
タイとマレーシアの提携校で、それぞれの学校の生徒の家庭に1週間ずつ滞在。さらにマレーシアのマラッカやタイのアユタヤなど古都への小旅行も加えた約17日間のプログラムです。提携校では地元の生徒たちと共に授業にも参加するなど、文化や歴史を様々な機会を通じて学びます。出発前には、参加者を対象に社会の教員による歴史の学習も行われています。タイでは、貧しい地域への見学も含めるなど、生徒の問題意識を喚起する研修内容となっています。
イギリス・アメリカ名門女子校へ 1年間の留学制度

高2生を対象に、学業面および生活全般において優れた生徒を選抜して、イギリス・アメリカの提携校に派遣しています。これからのグローバル社会を生きる生徒にとって、最高の自分磨きの機会となっています。
6年間を通して自分の考えを英語で表現する力をつける

英語力の育成は、同校の教育の柱でもあります。その特色として挙げられるのが、スピーキングの重視。「次々に与えられるプレゼンテーションやディベートなどの課題を通して、日本語でも英語でも、自分の意見を発表することへの抵抗感が、学年が上がるとともに薄れていくように感じます」と多田先生。また英作文も多く取り入れ、受け身ではなく自ら発信できる力を育てることを大切にしています。
一生涯の出会いを育む 提携校からの訪問団の受け入れ
タイやマレーシアの提携校とは、先生と生徒が本校に来校する相互交流を行っています。また、2014年からは夏休みにアメリカの名門女子校スミス・カレッジの学生を迎えてエンパワーメント・プログラムを実施。いずれのプログラムも生徒の家庭がホストファミリーになるなど、生活面からも親睦を深めています。
「英語力に関わらず、国際的視野を広げられる内容です。こうしたプログラムを通して深まった海外の生徒との絆は、生徒の一生涯の宝になっているようです」(多田先生)


(この記事は『私立中高進学通信2015年12月号』に掲載しました。)
東京女学館中学校
〒150-0012 東京都渋谷区広尾3-7-16
TEL:03-3400-0867
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 社会のために“自分ができること”を考えるクリスマス クリスマス礼拝&活動恵泉女学園中学校
- 仲間と協力してアイデアを形にする 文化祭日本工業大学駒場中学校
- 約1年間をかけて全力で取り組んだ『銀杏祭』 素顔の東邦生が躍動するAmazingな2日間東邦大学付属東邦中学校
- すべてを女子の手で!女子伝統校の文化が自分の力で乗り越える力を育む国府台女子学院中学部
- 伸び伸びと自己表現! 生徒の自発性・創造力を高める場としての『しいの木祭』城西大学附属城西中学校
- 合い言葉はThink & Challenge! 先輩・後輩が絆を結び自主性を高める体育祭 笑顔と感動が明日を育む横浜翠陵中学校
- 生徒一人ひとりの“情熱”が結集 創意あふれる『姫竹祭』には「語学の神田」ならではの展示や劇も出展神田女学園中学校
- 戦後70年に平和への思いを込めた『白亜祭』共立女子第二中学校
- 生徒主体の体育祭 さまざまな競技を通して団結力を養い 高3生は創作ダンスで有終の美を飾る富士見中学校
- チームワークとコミュニケーション力で「麗澤らしさ」を発揮する3日間麗澤中学校
- 「英語の佼成」を発展させた「グローバルの佼成」が合言葉に佼成学園女子中学校
- 6年にわたる多彩な取り組みで 豊かな心と学力を育み 自立し、自律した女性をめざす横浜富士見丘学園中学校
- 自然に恵まれた環境と充実した施設の中で送る 伸び伸びとした学園生活獨協埼玉中学校
- オーストラリア・グローバルリーダー研修 自分の生き方を考える 12日間成城中学校
- K-sep 「楽しさ」から生まれる英語を話したくなる気持ち共栄学園中学校
- オンライン学習支援システム “fgs-webcampus”で主体的な学習を促す普連土学園中学校
- 茶道部/筝曲部 複数のクラブの兼部も可能! 礼儀作法も学びながらアクティブに活動品川女子学院中等部
- 演劇部 一人ひとりの個性が融合し より一歩高い自分たちに!トキワ松学園中学校
- 理科研究部 理科への興味・関心と探究心が論理的に考察する力に!高輪中学校
- 科学部/吹奏楽部 「究理探新」精神のもと 思いやりと自ら学ぶ心が育つ東京農業大学第三高等学校附属中学校
- 友だちと仲良く学びながらほんとうの私を生きる浦和明の星女子中学校
- 知性に慈悲と勇気を加えて「智慧」を生む世田谷学園中学校
- 6年間の総合的な学習を通して生徒の生きる力や考える力を育てる川村中学校
- 海外での多彩な「体験」がグローバルな発想と思考を育てる獨協中学校
- 世界に羽ばたく女性の育成をめざす 伝統校の真の国際化教育東京女学館中学校
- 英語力と人間力を身につけグローバル社会を生き抜く安田学園中学校
- オーストラリア語学研修での成果を活かす 国内留学体験『グローバルキャンプ』光英VERITAS中学校(現校名 聖徳大学附属女子中学校)
- 中学3年間で習得した弦楽器の見事な腕前を披露江戸川女子中学校
- 次代を担うポテンシャルの高い生徒を歓迎!聖望学園中学校
- 「生きる力」を養いバランスのとれた人材の育成をめざす国士舘中学校
- 生徒を信頼し任せる姿勢がたくましく生きる力を育む日本大学第二中学校
- 自分たちで考え、実践する経験を積み重ねる学校生活昭和学院中学校
- 仏教主義の人間教育が育む豊かな心と未来を切り拓く力武蔵野大学中学校
- レベルの高い授業と生徒との個人面談でやる気を高め、着実に学力アップ! 第一志望の大学合格をめざす「特進クラス」立正大学付属立正中学校
- 基礎学力定着のための地道な努力と体験型学習で着実に伸びる合格実績関東学院中学校
- 細やかな学習支援プログラムで志望大学合格へと導く女子聖学院中学校
- 目標だった「25歳の男づくり」 振り返り気づく先生の支えサレジオ学院中学校


