私立中高進学通信
2015年10月号
注目のPICK UP TOPIC!
日本大学豊山女子中学校
「サイエンス部」が全国大会に出場
都内で唯一の「理数科」がある女子校

全国に点在する日本大学付属校の中で、唯一の女子校である同校。高校では都内でただ一つ、「理数科」を設置していて、医療系大学への進学に高い実績を誇ります。
部活動では「サイエンス部」の活躍がめざましく、昨年参加した理科研究発表会の全国大会予選を見事通過、7月・8月に滋賀県で開催された第39回全国高等学校総合文化祭自然科学部門(研究発表生物部門)に、東京都代表校として出場しました。
「発表した内容は、『身近な食品の抗菌作用について』です。11種類の食品と4種類の菌(納豆菌・乳酸菌・酵母菌・コウジカビ)を使って、どの食品だとどの菌が生えにくいかを調べました」 (部長/進藤百葉さん・高2)
実験は、1日6時間にわたることもあり、頭を使うだけでなく体力勝負なのだとか。「大変ですが実験結果に一喜一憂しながら楽しくやっています。納豆菌は繁殖力がすごいので、10分の1に薄めて使うんですよ!」と、進藤さんは熱心に語ってくれました。
また、夏休みなどの長期休暇中には、中学生・高校生合同で解剖実験を実施することもあります。同校の理数科出身であり、サイエンス部顧問を務める白戸智恵先生が解剖について教えてくれました。
「今年の夏は、豚の眼や腎臓、鶏の頭の解剖を行いました。解剖の方法は、経験豊富な高校生が中学生にていねいに教えます。こうして、年齢の垣根を越え、縦のつながりを構築できるところが中高一貫の良さだと思います」
毎年9月に開催される文化祭(秋桜祭)では、こうした体験型実験を用意し、来客者に好評だそうです。今年の文化祭では、人工イクラに色をつけ、カラフルなイクラを作る体験を考えているとのこと。この人工イクラの実験は、神奈川県にある日本大学生物資源科学部へ訪問した時に教えてもらったもの。各地の日本大学との連携が取れるのも、付属校ならではの魅力です。
こうして理数科、サイエンス部、ともに専門性の高い勉強ができるため、それに伴った実績を求められることも事実。しかしそれだけではないと白戸先生は語ります。
「結果だけを求めるのではなく、まず自分が楽しく、納得することを大切にしてほしいですね。どんな分野に進んでも、自分の知りたいことをとことん調べて突き進んでほしいです」
楽しむこと、向上心を力にして、これからますます活躍する女性を育成したいと、言葉に力を込めました。
第3回東京都高等学校 理科研究発表会

昨年11月に開催された、全国大会の予選にあたる都大会に出場。ポスターを用いたプレゼンテーションで優良賞を受賞し、全国大会出場権を獲得しました。
「身近な食品の抗菌作用に 関する研究」の実験

都大会、全国大会の研究テーマを実験している様子。「写真で使用している『クリーンベンチ』という機械は、無菌状態で作業ができる大変高価なもの。高校でこの機械を設置しているのはかなり珍しいです」 (白戸先生)
豚の眼を使った解剖実習

高校生が中学生に指導しながら解剖を行います。中学受験生向けの学校説明会や、文化祭でも解剖を披露し、理科への興味を高めます。
全国大会へ向けてプレゼンテーションの練習

プロジェクターを使った発表練習。「質疑応答があるので、とっさに答えられない、わからない、とならないように対策を練っています」(進藤さん)
サイエンス部にある鶏の標本

鶏を丸ごと買ってきて作った標本。「お肉は美味しくいただいてから、漂白剤などを使って骨だけにして組み立てました。細かい骨や爪はどの部分かを探すのが大変でした」 (進藤さん)
衣類に使われる繊維の燃焼性と吸水力を調べる実験
実験テーマは、本やインターネットで調べたり、都大会や全国大会で見た他校のテーマから発展させたり……面白そうと思ったものについて、みんなで話し合って候補を絞ります。


都内唯一!理数科の授業風景
サイエンス部部員の半数以上は理数科に在籍し、日々高い目的意識を持って学習に取り組んでいます。全国大会へ出場するようなサイエンス部の活動を中心に、理数教育に力を入れています。



(この記事は『私立中高進学通信2015年10月号』に掲載しました。)
日本大学豊山女子中学校
〒174-0064 東京都板橋区中台3-15-1
TEL:03-3934-2341
進学通信掲載情報

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