私立中高進学通信
2015年10月号
授業見聞録
東洋英和女学院中学部
英語
英語を学ぶ楽しさを経験し生きた英会話が身につく授業

英語習得への近道は、たくさん話すこと。ボクソール先生の授業は楽しむことが基本。
生徒たちは真剣に、そして楽しそうに授業を受けています。

カナダのメソジスト教会によって築かれた同校の英語教育は、総合的な英語力の習得にとどまらず、英語圏の行事や文化を学び、生きた英語を身につけることをめざしています。
中1では週に6時間の英語の授業があり、そのうち2時間はネイティブの先生による英会話の授業を、20名ほどの少人数で行っています。ただし中1の1学期は、小学部出身者と、受験による入学者で分けて、英会話の授業をしているそうです。
「小学部出身者は小学1年生から英語に触れています。そのため最初は中学から入った生徒とは、英語力の差が出てしまいます。でも、1学期が終わるころには、ほとんど差がなくなるので、2学期からは、混合クラスで授業を行います」 (英語科主任/吉本琢哉先生)
また、英会話の授業では、先生が制作したオリジナルのテキストを使うなど、教材にもこだわりが感じられます。
「日本人教師の授業では『プログレス イン イングリッシュ21』という教科書を使っています。この教科書は、文法などを覚えるのと同時に、イギリスやアメリカの文化や歴史を学べます。文化や歴史は言語と密接な関係があるので、それらを英語で学ぶと、もっと理解を深めることができます。
そして英会話の授業では、英語の教科書に準じながら、実際の生活に合った英会話が学べるように、オリジナルの教科書を使用しています。オリジナルの教科書は以前から使い続けていて、毎年少しずつ内容を更新しています」
また中1の10月からは、授業の最後の10分で、それぞれの生徒が好きな本を選び、音声を聞きながら読む『多読』が始まります。
「イギリスやアメリカで出版されている本を、日本語は介さずに読みます。英語をそのまま理解する訓練として、昨年度から導入しました。辞書は使わず、わからない単語があっても前後の文脈や挿絵などで判断して読み進めることで、英語に慣れさせるのが目的です」
また授業のほかに、英語礼拝や、クリスマスプログラム、スピーチコンテスト、レシテーションコンテストなど、英語で発表する機会が学年に応じて用意されています。
「英語を活かした仕事に就きたいという生徒が多く、日々の学習が生徒の将来と結び付いていることを実感しています。だからこそ中学時代には、大学受験を意識するよりも、土台となる生きた英語を身につけてほしいと思っています」
授業レポート
オリジナルの教科書で友達とたくさん会話しながら学ぶ
中学受験で入学した生徒たちは、本格的に英語を勉強し始めてまだ3カ月。担当のボクソール先生は日本語も話せるので、時々日本語を交じえながらも、基本は英語での授業です。まず、英会話の教科書に出てくるセンテンスを学び、その後ペアになり、例文をアレンジして会話します。
「中学からの入学者の中にも、小学校である程度は勉強している生徒はいますが、やはり英語に慣れていません。でも、楽しくリラックスして学べるようにと心がけています」 (英会話/ボクソール先生)
時々わからない単語があると、生徒同士で教えあったり、挙手をして先生に聞いたりして、和気あいあいと楽しそうに会話をしています。
「たくさんの発音の練習が必要だと思います。大人にも『話すことが怖い』という人は多いですが、英語は楽しいと思える経験をすれば話したくなるし、勉強したくなるものです」
そのため黒板を使っての勉強よりも、生徒同士で話す時間を多くとっているそうです。
「私と話すよりも、友達と話すほうが楽しいでしょう?本校の生徒たちは、勉強したい、話したいという気持ちが本当に強い。だから、上達も早いのだと思います」


立ち上がって6人の友達に質問「What do you do everyday?」。答えをもらったら、教科書の空白に書き込みます。


海外語学研修・留学

前半は、同校の制服をデザインしたハミルトン校長の出身大学の寮に滞在し、語学研修を行います。後半は「赤毛のアン」の舞台であるプリンスエドワード島でのホームステイなど、内容が充実しています。
文部科学省が推進するスーパーグローバルハイスクール(SGH)事業において、アソシエイト校に指定され、グローバルな視野を育む教育を展開しています。その一環として希望者を対象に、海外語学研修や留学の制度があります。中3以上が参加できる3週間の「カナダ語学研修」、高1・2では、2週間の「アメリカ短期留学」や、1月~3月の2~3カ月間行われる「海外短期留学」。高校生対象の「海外認定留学」は、1年間海外へ留学し、留学中の単位を高等部の単位に置き換えることが可能です。
また、海外ではありませんが、7月と3月に校内で2日間行われる「イングリッシュ・シャワー」では、ネイティブの先生と海外から来ている大学生を招き、ディベートとプレゼンテーションを学んでいます。
(この記事は『私立中高進学通信2015年10月号』に掲載しました。)
東洋英和女学院中学部
〒106-8507 東京都港区六本木5-14-40
TEL:03-3583-0696
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 2015年度より校名変更 生徒のやる気を支え伸ばす「夢をかなえる」6年間秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校
- 伝統と先進を融合させた独自の中高一貫教育で未来を見つめ自ら力を発揮する女性を育成する昭和女子大学附属昭和中学校
- 初めて6学年が一堂に会し走り、飛び、躍動した体育祭 感動はドームを包み込みやがて心は一つになった!狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- 勉強も行事も大切!生徒みんなの力を結集した元気いっぱいパワー全開の体育祭文化学園大学杉並中学校
- GMARCH合格者が前年度の2倍 新しいキャリア教育で進路意識を変革日本工業大学駒場中学校
- 美術を通して積極性と認め合う心を育てる自発的な行動に目覚め、感性を鍛える1年間女子美術大学付属中学校
- 「サイエンス部」が全国大会に出場日本大学豊山女子中学校
- 全クラスでグローバル教育を拡充 伝統の姉妹校交流で国際人を育てる城西大学附属城西中学校
- 高度なアクティブ・ラーニングで実現 深い理解と表現力の向上 6年をかけて育む学力と自己発信力八王子学園八王子中学校
- 「グローバル・サイエンス力」を育成する教育姿勢と校風が反映された学びの場芝浦工業大学柏中学校
- TTによる英語の授業 浴びるように英語を聞いて養われる言葉の感覚武蔵野大学中学校
- 英語 英語を学ぶ楽しさを経験し生きた英会話が身につく授業東洋英和女学院中学部
- 自分たちのことは自分たちの手で「自治」が育む、生き抜く力自由学園(男子部・女子部)中等科
- 新たな学習環境で知識と教養を身につける「25歳の男づくり」サレジオ学院中学校
- 文武両道の精神を育てる環境 内面を磨き、高い技術をめざす!多摩大学目黒中学校
- ボランティア研修 日々の祈りを行動に移し他者に手を差し伸べる目黒星美学園中学校
- 恩師に憧れていた中高時代 夢がかなって母校の教員に品川女子学院中等部
- スポーツ祭典、トキワ祭、音楽コンクールの三大行事は人間的成長のチャンス 「探究女子」が取り組めばアイデア満載トキワ松学園中学校
- 桐蔭祭への意気込みと学校の魅力東京成徳大学中学校
- 英語 ネイティブ講師による授業で耳と口を鍛え、心の垣根を取り払う品川翔英中学校
- “英語を話して当たり前”の環境で世界基準の英語力と国際感覚を身につける三田国際学園中学校
- 英語に“浸る”毎日で使える英語を身につける浦和実業学園中学校
- めざすは哲学を持って生きる 本当の教養を身につけた国際人東洋大学京北中学校
- 国際デイ 世界への視野を広げる交流玉川聖学院中等部
- 新しい時代を生きる子どもたちのためにこれからの時代にふさわしい力を育てる革新を続ける注目校の教育とはかえつ有明中学校
- 新しい自分を発見する 旧交を懐かしむ 来場者6000人に魅せる“エドジョ”の祭典江戸川女子中学校
- 先生との距離が近いからすぐ聞ける、よくわかる!活気あふれる学び舎大妻嵐山中学校
- ハワイ・オーストラリア修学旅行 グローバル社会への発信力を鍛える藤村女子中学校
- 富士登山 「日本一高い山」へのチャレンジで身につく精神力と自信 目黒学院中学校
- オープンキャンパス 多彩な学びを体験共立女子中学校
- 正しい国際感覚を身につけ、人格を形成 外国人留学生と歩く関西歴史研修横浜創英中学校
- 18年の積み重ねがあるから講師やスタッフとの絆は強い!「3カ月語学留学プログラム」八雲学園中学校
- 本年度より中1授業にiPadを導入 中1担任と専門支援員がタッグを組んで挑むオリジナリティあふれるICT授業聖徳学園中学校
- 失敗には寛容に接し挑戦の機会を与え続ける星野学園中学校
- 中・高・大連携のオープンスクール!玉川学園(中)
- 生涯を通じて輝ける人になる 『学力・人間力育成プロジェクト』始動跡見学園中学校
- ニュージーランド3カ月留学 実践を通して英語は“武器”になる武蔵野中学校
- 日本を、日本人であることを世界に向けて発信できる生徒を育てたい国士舘中学校
- 答えのない問いの「納得解」を探す力をつける21世紀型教育聖学院中学校
- 給食試食会 在校生の保護者が引率して学校生活を“味わう”駒込中学校
- 新校舎 交流と一体感が生まれる空間青稜中学校
- 学校からの信頼を得て、生き生きと活躍する生徒会本郷中学校
- 新入生全員がiPadを使って1年半 学校生活に不可欠なサポートツールとして定着 桜丘中学校


