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私立中高進学通信

2015年8月号

自立と自律

恵泉女学園中学校

視野を広げる経験が
自分で考え、行動する力を養う

東日本大震災後、生徒の声によって始まった宮城県南三陸町への訪問。畑や漁港でのお手伝いなどを行っています。写真は、地元の方々と一緒にわかめのめかぶ削ぎ作業をしているところ。

東日本大震災後、生徒の声によって始まった宮城県南三陸町への訪問。畑や漁港でのお手伝いなどを行っています。
写真は、地元の方々と一緒にわかめのめかぶ削ぎ作業をしているところ。

恵泉女学園には、生徒たちの視野を広げ、未来を切り拓く種となる数多くの機会があります。講演会や行事、ボランティアなどの活動について、松井信行先生にうかがいました。
自分の頭で考え本質を見極める目を養う
1964年生まれ。恵泉女学園中学・高等学校教諭(園芸科)。被災地ボランティア活動などの担当として、生徒の指導を行っている。1964年生まれ。恵泉女学園中学・高等学校教諭(園芸科)。被災地ボランティア活動などの担当として、生徒の指導を行っている。

 キリスト教に基づく教育を行う同校では、世界に目を向けて、平和を実現する女性となるために、「自ら考え、発信する力」を養うことを教育の中枢に据えています。

「普段の授業においても、自分の頭で考え、自分なりの答えを見つけることを大切にしています。例えば、4年生(高1生)の園芸の授業では、1つの植物を3冊の図鑑と3つのウェブサイトで調べる学習を行います。すると、同じ植物のはずなのに、書かれている情報にはかなりの幅があることがわかります」(園芸科/松井信行先生)

 そこに書いてあることは、あくまでもその本を作った人の捉え方。得られた情報を自分の頭で考え、自分なりに解釈し直すことで、初めてそのものの本質を見極めようとする目が養われると言います。

「あなたはどう考えるか」ということを、学内のさまざまな場面で問われます。毎日の礼拝で自分が日頃感じたり、考えたりしていることを話す「感話」もその一つ。1人あたり年に3回程度、1年生は原稿用紙3〜4枚ほどを、6年生にもなると原稿用紙7〜8枚もの原稿をまとめ、ほかの生徒の前で話します。

「感話は自分の考えを述べる機会となるだけでなく、他者の考えに耳を傾ける機会ともなります。上級生や友だちの話の中で、自分では思いもつかなかったテーマや考え方に触れることもあり、それがきっかけとなって、新たな視点を得ることも多いようです。こういった機会を通じて、自分の考えを深め、発信するとともに、自分とは違った意見を受け入れることを学んでいきます」(松井先生)

多くの生徒の前で、自分の感じていることや考えていることを話す「感話」は、自分を見つめ、自分の考えを深める機会の一つ。多くの生徒の前で、自分の感じていることや考えていることを話す「感話」は、自分を見つめ、自分の考えを深める機会の一つ。
さまざまな講演会が、生徒の視野を広げる大きなきっかけに。写真は、フォトジャーナリストによる「世界のさまざまな歩き方」がテーマ。さまざまな講演会が、生徒の視野を広げる大きなきっかけに。写真は、フォトジャーナリストによる「世界のさまざまな歩き方」がテーマ。
正解のない問題に自分なりの答えを見つける

 同校には、年間を通じて、さまざまな分野で活躍している方々の講演会や体験プログラムなどの行事があり、それは、生徒たちにとって、自分はどのように生きたらいいのか、自分は社会のために何ができるのかを考える大きなきっかけとなっています。

「講演会や体験プログラムは、生徒たちの視野を大きく広げてくれるものです。社会のために、何か自分ができることをしたいと考える生徒によるボランティア活動もさかんに行われています」(松井先生)

 ボランティア活動の多くは、生徒たちの思いや声により始まって、行っているもの。先生は、その活動を見守り、サポートしています。

 2011年の東日本大震災の後には、被災地の仮設住宅に自分たちで育てた花を配りに行きたいという声が上がり、有志の生徒とともに宮城県南三陸町の漁港を訪れたそう。そのときから町との交流を深め、これまでに5回の訪問が実現しています。 また、福島の原発事故で、避難生活をしている方々の声を取材して、全校生徒が集まる礼拝で報告した生徒もいます。

「このような活動の現場には、誰も正解を見いだせないような問題があふれています。しかし、こういった現実に生徒自身が直面することで、自分の心で感じ、自分の頭で考え、自分なりの答えを見つけるようになっていきます」(松井先生)

 活動を通じて感じたことや考えたことは、感話などを通じてほかの生徒にも伝えられ、さらなる活動へと波及していきます。これらの経験をもとに、自分の進路を決める生徒も多いそう。さまざまな体験は、未来を拓く大切な糧となっています。数々の機会を通じて得られた学びは、「考える力」として、そして、自分の意志を持って「行動する力」として、生徒たちを大きく成長させてくれます。

原発事故で避難生活を送る方の声を取材した生徒の礼拝。答えの出せない問題が、生徒たちに突きつけられます。原発事故で避難生活を送る方の声を取材した生徒の礼拝。答えの出せない問題が、生徒たちに突きつけられます。
南三陸町訪問後の感想文集。被害を受けた地域に足を運んだ生徒たちの心の底からわき出る思いにあふれています。南三陸町訪問後の感想文集。被害を受けた地域に足を運んだ生徒たちの心の底からわき出る思いにあふれています。

(この記事は『私立中高進学通信2015年8月号』に掲載しました。)

恵泉女学園中学校  

〒156-8520 東京都世田谷区船橋5-8-1
TEL:03-3303-2115

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