私立中高進学通信
2015年8月号
授業見聞録
多摩大学目黒中学校
英語
習った英語を「いかに使うか」
表現力を高める授業

みんなの前に出て、「私の好きな言葉」をテーマにスピーチ。
『Where there is a will, there is a way.(意志あるところに道は開ける)』は、インターネットで見つけた言葉だそう。
生徒一人ひとりが目的意識を自覚し、向上心を持つことを大切にしている同校。日々の勉強や部活動、学校行事など、学校生活のさまざまな場面で目標を持つことが求められ、あらゆる場面がその達成に向けて努力するチャンスの場となっています。勉強面でも、得意な分野ではさらに上をめざすことを、苦手な分野でも試行錯誤を繰り返し、努力を続けることが重視されています。
英語科のM先生に聞いてみました。
「英語の授業の中でも、まずは目標を立てさせるようにしています。中学生の段階では、英検の合格や、テストの順位など、生徒にとってイメージのしやすい目標を立てさせます。英語が苦手な生徒にも、『ここまではやってみよう』というハードルを下げた目標を持たせることで、意欲を引き出すようにしています」
また、同校では世界の人々と対等に渡り合えるだけの英語力と表現力を伸ばすための授業づくりをめざしています。そのためにネイティブ教諭による少人数制の英会話の授業に加えて、普段の英語の授業でも、スピーチや発表をする機会が多く設けられています。
「中1では、教科書の会話文を覚えて発表することが多いのですが、中2以降は、みんなの前で自分の原稿を暗記して話す機会を増やしています。基礎的な用語や表現を反復して練習することが、英語を話すことへの抵抗感をなくし、使える英語を身につけることにつながっていると感じています」
中3の2月には、オーストラリアへ修学旅行に行き、約2週間、ホームステイをしながら現地の学校での語学研修も行います。日本語が通じない環境の中、悪戦苦闘する経験を経た生徒たちを待ち受けるのが、中3の終わりにあるスピーチコンテスト。100語の英語スピーチを行うことが、中学の英語学習の最終目標です。
生徒が自ら学びたくなるような授業、新たな知識を得ることが楽しいと思えるような授業を理想として、先生たちも常に試行錯誤を重ねています。
「年に2回、生徒による授業評価が行われています。生徒の声を直接聞くことができるので、こちらが意図したことがきちんと伝わっているのかを把握する良い機会になっています」
自分たちの意見が授業に反映されることで、生徒たちも今まで以上に真剣に授業に取り組む、良い循環が生まれているそうです。
授業レポート小テストやスピーチ……
テンポよく進む盛りだくさんの50分間!

特進クラス(中3)の英語の授業では、50分間の授業の中、小テストやスピーチなど、たくさんの内容がテンポよく進んでいきます。生徒たちの授業態度は終始真剣。挙手や発言にも積極的です。
「小学校での英語の授業は、楽しむ要素が強いと思うのですが、中学では勉強として取り組むことが必要になってくるので、その切り替えにかなりの時間をかけています。具体的には、英語の授業を受けるための『12のルール』が決められていて、中1の初めにガイダンスを行っています。その結果、授業に対する生徒の集中力を高めることができるのです」
評価には、相対評価と絶対評価があり、定期テストの点数のほかに、小テストや宿題、授業中の発言回数や忘れ物の回数などがすべて具体的な点数となるそう。こういった評価のポイントを生徒が理解していることも、授業への参加意欲につながります。
中学の英語指導の中で大切にされているのが、基礎的な表現を徹底的に身につけさせること。また、習った表現を使って、スピーチの原稿を自分で作文することや、その原稿を皆の前で発表する力も重視されています。
「高校生になると、受験に向けて、英語の構文を正しく理解することを重視した指導が多くなってきますが、中学生のうちは、英語表現のストックを増やしつつ、それを『いかに使うか』を大切にした指導をしています。発展的な内容も含まれるので、盛りだくさんの授業だとは思いますが、それでも意欲と緊張感を持ってついてきてくれるのは、生徒たち自身の力だと感じています」




(この記事は『私立中高進学通信2015年8月号』に掲載しました。)
多摩大学目黒中学校
〒153-0064 東京都目黒区下目黒4-10-24
TEL:03-3714-2661
進学通信掲載情報

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