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私立中高進学通信

2015年8月号

校長が語る 思春期の伸ばし方

和洋国府台女子中学校

他者と自分の区別がつき
自分の表現を模索する時期

同校は「実験・観察を重んじる学習」を教育方針とし、年間90回以上の理科実験を行い、明日の“リケ女”を育てています。

同校は「実験・観察を重んじる学習」を教育方針とし、年間90回以上の理科実験を行い、明日の“リケ女”を育てています。

自然に触れ人に触れる中で自分の役割を考えてほしい
太田 陽太郎(おおた・ようたろう)校長先生太田 陽太郎(おおた・ようたろう)校長先生

1946年生まれ。都立立川高等学校から東京大学へ進学。文学部哲学科で学ぶ。卒業後、社会科(倫理)の非常勤講師として和洋国府台女子高等学校の教壇へ。翌年から専任教員となり36年勤務。中学教頭、中学・高校副校長を経て2011年4月より中学・高等学校校長に就任。

――思春期の生徒と接するうえで、心がけていることをお聞かせください。

 親や先生の言うとおりに行動するのが小学生だとしたら、他者と自分の区別がつき始め、自分なりの表現を模索するのが中学生です。鳥の声、風のそよぎなど自然に感動する心を育てること、仲間と共に何かを成し遂げ、そのうえで「私はこうしよう」と自分だけの表現を得ることが、彼らの生きる力を育てると考えています。

――そのために、どのような取り組みをしていますか?

 さまざまな取り組みがありますが、象徴的なのは実験・実習です。実験・実習の意義は、人や物に接し、そこにどう関わるべきか考えることです。物は嘘をつきません。

 例えば中1の5月にはタンポポの小花を数える宿題を出し、自然の意外性に触れ、その成り立ちを考えるようにしています。想像以上の数に驚きます。自然や人間に触れる中で、自分が果たすべき役割について考えてほしいと願っています。

――自分と他者との違いに気づいた時、戸惑いを感じる生徒もいると思います。どう乗り越えればいいでしょうか。

 それを解きほぐすのが担任の役目です。学年ごとに施策は異なりますが、例えば現在の中2生は復習ノートをつけています。一日の出来事を思い出し、4〜5分間でノートに整理します。ノートに書くことで一日を振り返り、自分が習ったことの中で何が大事かを気づかせるのが目的です。

 重要なのは“気づき”なのです。人間関係のトラブルにせよ、勉強の悩みにせよ、自分自身で振り返って気づかせ、どういう方向に歩みを進めるのか、自分で見定めるように教員がアドバイスしながら、生徒と一緒に問題を解決していくようにしています。

他者とのつながりの中で自己表現できるように
思春期の子育て3原則
  1. すぐに怒らず、子どもの言動を受け止める
  2. 子どもの新たな行動を承認する
  3. やりとげたことをきちんと褒める

――自我の目覚めによって、反抗期を迎える生徒も多いのではないでしょうか。保護者が反抗期のお子さんに接する際の、アドバイスはありますか?

 親の立場では“反抗期”と呼びますが、本人からすれば自立心の現れです。確かにこの時期の子どもは、親からすれば「あれ?」と思うほど雰囲気が変わります。「今までの我が子とは違う」と感じることも少なくないでしょう。でも、「何よ、それ」「その程度のことしかできないの?」と突き放すと、反抗の火はどんどん燃え上がります。

 大切なのは、子どもの表現を承認し、受け入れること。そうすれば、本人も自立に向けてしっかりと歩み出せるはずです。

――では、思春期の子どもを伸ばすうえで大切なことを教えてください。

 試さない、怒らない、急かさないの3点が大切だと思います。本人が一生懸命取り組んでいることに対し、「もっとこうしなさい」と急かしたり、怒ったりするのは良いことではありません。ぜひ、子どもをありのまま受け入れてあげてください。

 また、京都大学霊長類研究所所長が語る、人間と他の霊長類との違いも思春期の育て方のヒントになります。サルの親は、子ザルを育てるのにとても寛容です。せっかく割った木の実を子どもに持っていかれても、黙々と実を割り続けます。

 人間はそこから一歩進み、子どものすることに対して「うんうん」とうなずいて承認し、さらに「上手だね」と褒めることができるのが特徴です。

 思春期の子どもに対する教育も同じです。できないこと、失敗したことを怒るのは簡単です。しかし、そこで踏みとどまり、安易に怒らず寛容に受け止める。新しいことにチャレンジしたら、頭ごなしに否定しない。がんばり、やりとげたことに対しては、きちんと褒める。そうすると子どもも生き生きと伸びていき、自立への一歩を踏み出すのではないかと思います。

 自立の基本は、他者とのつながりの中で安心して自己表現ができる心の余裕を持つこと。保護者が協働し子どもを見守っていけば、思春期を乗り越えてしっかり生きていく力が身につくのではないでしょうか。

少人数制の英語授業で和魂洋才の精神を学ぶ
“英語を話さざるを得ない環境”を作ることで、会話力が自然に向上。スピーチコンテストや英作文にも取り組みます。“英語を話さざるを得ない環境”を作ることで、会話力が自然に向上。スピーチコンテストや英作文にも取り組みます。

日本の伝統文化を大切にしながらも、海外の優れたものを取り入れる「和魂洋才」の精神。その習得をめざす同校では、英語の授業に力を入れています。なかでも、英会話ではネイティブ教員1人に生徒10人の少人数制授業を実施。習熟度別に教室が分かれるため、授業に集中しやすく、教員も一人ひとりに合わせた細やかな指導ができます。今年で3年目の試みですが、英検の合格率が大きく上昇し、高い効果を得ています。

進学通信2015年8月号
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