私立中高進学通信
2015年6月号
目標にLock On !! 私の合格Story
城北中学校
文武両道を実践した6年間
身につけた集中力と忍耐力で東大に現役合格

城北 OB 有坂 望さん
東京大学 文科Ⅲ類1年
満足度の高い学校生活の中で目標を見出すことができた

東京大学に今春8名が合格。学習面をはじめ、部活動や行事を通じて心身ともに成長ができる学校生活の満足度は高く、今年の卒業生の3分の1が6カ年皆勤賞を受賞しました。
大好きな野球と勉強を両立させ、東京大学に現役で合格した有坂望さんは、「城北は第一志望校でした。オープンキャンパスに行き、学校の明るい雰囲気が気に入ったからです」と、話します。
幼い頃からお父さんとキャッチボールを楽しみ、小学校ではリトルリーグで5年間野球を続け、小学6年生の時、中学受験に集中するためにリトルリーグを退団しました。
城北に入学すると軟式野球部に所属、中3の時には都大会に出場。高校では硬式野球部に入りました。東京大学を意識し始めたのはこの頃。東京六大学野球に憧れ、東大で野球をしたいと思うようになったそうです。中学時代、硬式野球部から東大に行った先輩の姿を見てきたことが「僕にもできる」という自信につながったといいます。
有坂さんは高2でエースになり、硬式野球部は秋季東京都大会でベスト16に進出しました。
論理的思考力は練習を工夫することで身についていった

「高校で硬式野球部に入ってからは、中学の時よりも練習時間が増えて、家での学習時間は減ったので、毎日、授業を集中して聞くようにしました」
高3の夏に野球部を引退した有坂さんは、授業を大切にする姿勢を貫きながら、放課後は夜の8時まで学校に残って受験勉強に励みました。
「野球を通して集中力と忍耐力が身につきました。物事を俯瞰的に見ることもできるようになりました。それが大学受験に活かされたのだと思います」
そのときの有坂さんを最も近くで指導してきたのが硬式野球部監督の徳永博史先生です。
「本校の硬式野球部の部員全員が、明治神宮野球大会に見学に行った時のことです。移動中の電車の中で、有坂くんは英語の単語帳を開いていました。球場に着き、試合が始まると、今度は試合を真剣な眼差しで見守っていました。この姿を見て『頭を切り替えて時間を上手に使っているな』と感心したことを覚えています。
東大合格の知らせを聞いた時はうれしかったですね。実は私は野球一辺倒の高校時代を過ごてしまった経験があります。私にできなかったことをやり遂げた有坂くんを尊敬しました」
数学の教師でもある徳永先生は、当時の有坂さんの練習を「論理的に考えられていた」と振り返ります。
「有坂くんには6年間バッテリーを組んだ友人がいました。その友人と2人で考えて導き出した結論をもとに野球の練習に打ち込んでいました。有坂くんは自分の頭で筋道を立てて考えたことを実践しながら改善し、プレイの質を高めていこうとしていたのです」
6年間の努力はクラスメートや先生の支えがあったからこそ

有坂さんを支えていたのは、野球への情熱だけではありません。硬式野球部員やクラスメートの存在も大きかったと振り返ります。
「野球はチームスポーツです。自分本位な考え方は通用しません。部員達の存在は、チームだからこそ達成できることがあるのだということを教えてくれました。
そして、クラスメートにも恵まれていました。勉強でスランプに陥った時、みんなと楽しく語り合うことが何よりも気分転換になりましたね。クラスには東大をめざす仲間もいて、刺激し合い、切磋琢磨して成長したんです」
教科指導の先生方にも感謝していると有坂さんは話します。
「高3の時、東大の二次試験対策のために、日本史の授業を友人と2人だけで受けました。1対2という授業は初めてでした。たった3人の授業の中で、日本史の先生に勉強の悩みを打ち明けたり、納得がいくまで質問したりすることができたからこそ、二次の論述試験で高得点が取ることができたのです。そんなふうに、どの先生方も相談しやすい環境をつくってくださいました」
有坂さんにこれからの目標を聞くと「社会に役立つような人間になりたいと思います」と、はにかみながら答えてくれました。
人のあたたかみを感じながら今後も努力を重ねてほしい

「これから先、今まで以上に壁にぶちあたることもあるでしょう。そんな時は高校時代と同じように、まわりの人たちの助けを借りながら、その壁を乗り越えてほしいですね」(徳永先生)
取材したこの日は卒業式の翌日。生徒達の卒業後の成長を楽しみに、これからも温かく見守っていきたいと、笑顔で生徒達を送り出しました。
(この記事は『私立中高進学通信2015年6月号』に掲載しました。)
城北中学校
〒174-8711 東京都板橋区東新町2-28-1
TEL:03-3956-3157
進学通信掲載情報

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