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私立中高進学通信

2015年4・5月合併号

授業発見伝

東洋英和女学院中学部

理科
「好奇心」「学ぶ意欲」に育てる
生徒参加型の授業

中学2年生の化学分野の授業。この日の実験で得られたデータをもとに、次の授業で考察を深めます。

中学2年生の化学分野の授業。
この日の実験で得られたデータをもとに、次の授業で考察を深めます。

 多くの観察や実験を取り入れ、自ら考え判断する考察力を育むことに力を入れる同校の理科の授業。理科1分野(物理・化学)と理科2分野(生物・地学)を並行して学ぶバランスのよいカリキュラムで、生徒達の興味・関心と探究心を引き出しています。

「中学受験を経験しているので、半数以上の生徒が教科書の内容のほとんどを学ぶ前からすでに理解しています。そこで、実際に実験を行うことで現象を確認し、応用力をつけるための授業を行っています」 (理科2分野/森田正吾先生)  学習内容にもよりますが、実験のペースは2週間に1回くらい。実験室の多さや、実験の準備や片づけをサポートしてくれる助手の先生の存在など、恵まれた環境が整っています。 「教室の机の上で学ぶ知識の授業と理科室で行う実験を、切り分けた形で行うのがこれまでの学習のスタイルでしたが、今後はこれを一歩前進させ、実験の中で生徒の学びを引き出す『参加型授業』にも力を入れていきたいと考えています」 (理科1分野/長舩おさふね圭宏先生)

 そういった試みの一つが、アメリカで実践されている『チュートリアル』という参加型授業の展開方法を参考にした物理分野の授業です。

「この授業法の最大の特徴は、教師が生徒に教えないこと。生徒達は、グループに分かれて、結果の仮説を立ててから実験を行い、その結果から、原因を探ります。結果を忠実にとらえ、結論に向かって自分達の頭で考える過程で、自然に学びを深めていくのです」(長舩先生)

 生徒自身が主体的に参加することで、より深い理解、より確かな定着、より確実な思考力を育む参加型の授業。同校では、英語や数学、社会科などの分野でも参加型授業への取り組みが進められています。

「私達教員もそのような教育を受けてきている訳ではないので、試行錯誤しながらの取り組みです。他校の例や他の教科の先生方の工夫を参考にしています」(森田先生)

 理科教諭が中学部と高等部の両方を教えているため、高校の内容を先取りして授業に生かすなど、発展的な内容が多く取り入れられていることも同校の大きな特徴。無駄がなくなるので、その分の時間を配分して、実験や観察に多くの時間を割くことが可能になっています。中高一貫教育ならではのゆとりのあるカリキュラムの中で引き出された好奇心は、生徒達の学びを深め、さらなる学びへの意欲につながっていくことでしょう。

授業レポート
自分の頭で考えることで、学びを深める
参加型授業の様子(1)

1 アメリカの『チュートリアル』という参加型授業の手法を参考に行われている中学1年生の物理の授業。今回のテーマは「光」です。担当の長舩先生から簡単な手順の説明があった後は、これから行う実験結果について各自で仮説を立てます。この授業の中での先生の役割は、生徒をリードするファシリテーター。結論にたどりつくまで生徒に問いかけ、生徒自身に考えさせることを促します。


参加型授業の様子(2)
参加型授業の様子(3)

2 各自で考えた後は、班ごとに分かれて話し合った仮説を黒板に貼り出してから、実際に実験を行って、その結果を考察します。先生は、生徒達の間を歩きまわり各班の話し合いをリードするだけです。少しでもヒントを引き出そうと、生徒達からは次々と質問の声が上がりますが……。

「どんなに質問をしてもいいけれども、『これで合っていますか?』という質問には一切答えないようにしています。生徒からの質問には、質問で返して、生徒達がゴールにたどり着くまでを自然な形でリードしていきます」(長舩先生)


3 1つの授業時間の中に2~3つの実験課題があり、一つひとつ考えてクリアしながら、次の課題へと学びを深めていきます。

「前の課題から得た結果の流れでいくとこうなるだろうと予想される内容が、次の課題で覆されるように教材が構成されています。生徒達の驚きの表情に手ごたえを感じますね」(長舩先生)

参加型授業の様子(4)
参加型授業の様子(5)

参加型授業の様子(6)

4 今回も予想した結果への期待を大きく裏切られた生徒達。驚きの声とともに自ずと話し合いが始まり、実験に引き込まれていくのがわかります。

「結論にたどり着きたいという気持ちが強いので、生徒達は指示を出さなくても自然と考え始めるのです。手間と時間はかかりますが、その過程を踏むことが大切で、本質的なテーマに対して理解を深められると実感しています」(長舩先生)

(この記事は『私立中高進学通信2015年4・5月合併号』に掲載しました。)

東洋英和女学院中学部  

〒106-8507 東京都港区六本木5-14-40
TEL:03-3583-0696

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