私立中高進学通信
2015年4・5月合併号
中1ギャップをなくせ! 学び始めの肝心帳
獨協中学校
チームの力が高まることで
個々も成長する支え合いの学習環境

2014年の新入生合宿の様子。
チームの一員として成長を

居住地域の異なる生徒達が、中学受験を経て、晴れて『獨協生』として集う4月。新しい仲間達との信頼関係を築く大切な第一歩は、2泊3日の新入生オリエンテーション合宿からスタートします。
「2014年まで4月の入学式直後に実施してきた新入生合宿では、お互いのことを知らない生徒同士の心を解きほぐすことに多くの時間を費やす必要がありました。それはもちろん大事なことですが、真の集団形成に欠かせないのは、一人ひとりが自律した個人としてたくましく成長することです。そこで、新入生合宿の内容を、集団内での個人の成長に焦点を当てたものに見直し、再スタートすることになりました。2015年の新年度からは実施時期を約1カ月近く遅らせ、ゴールデンウィークを利用して4月下旬に新入生合宿を行います。新入生同士、名前と顔は一致していても、お互いに考えていることはまだわからない段階ですので、生徒一人ひとりが気がねなく語り合える場を整えてあげることが重要だと思います」 (入試室長/坂東広明先生)
衝突を避けずに乗り越える力を育む

「クラスは一つのチーム」と強調する坂東先生。同校の生徒達は、単に学校に所属するのではなく、助け合い、支え合い、チームとしての役割を果たしながら共に成長していくことを意識して、学校生活を送っているといいます。その意識づけとしても、新入生合宿は大きな意味を持っているのです。
「新年度から実施時期を遅らせて行う新入生合宿には、学年やクラスという集団の中で、自分が果たすべき役割を見つけてほしいという思いがあります。例えば、『彼はこういうところが得意でも、ああいうところは不得意だから、あの部分についてはぼくが手助けをしよう』と、そんなふうに一人ひとりが気づき、行動することで絆が生まれ、集団は一つのチームとなっていきます。また、助け合い、支え合い、お互いに仲間のために自分ができることを実践していく中に、自分らしさを実感できる瞬間が生まれてくるのです。そうしてそれぞれの個性が磨かれていくと、自信と誇りを持てるようになります。それらは、本校がめざす『社会貢献できる人物』にとって欠かせないものです」
チームメート同士がお互いを認め合い、成長していくための準備として「新入生合宿では生徒同士が自由に意見交換する機会を数多く設けたい」と坂東先生は話してくださいました。
「意見の食い違いなどによる衝突は当然のように起こるでしょう。だからといってその衝突をマイナスに捉えるのではなく、お互いに努力して乗り越えるチャンスと捉えることが大切です。それが、チーム全体の成長にもつながっていきます。また、衝突と向き合わず、避けてばかりの生き方を選ぶようでは、21世紀を担う人物として活躍することは難しいでしょう。生徒同士はもちろん、教員も、生徒に対してとことん真摯に向き合って、その姿勢を示していきたいと考えています」
先輩の活躍する姿が中1の未来を後押し

中1の生徒達を、21世紀を担う「社会貢献ができる人物」へと成長させる。その成長を支えるのは、先生方だけではありません。男の子だけで過ごす中高6年間の学校生活で、後輩達の良きお手本となっているのは、社会との接点を模索しながら主体的に活動する先輩達の存在です。
「本校の生徒の行動には、自分の力を学校の中だけではなく、広く社会に向かって還元していくという積極性が備わっています。その良い例が、昨年度の文化祭で取り組んだペットボトルのキャップを使用したモザイクアートの制作です。本校では長年生徒会活動の一環として、学校で出るペットボトルのキャップを集め、その売り上げを元に発展途上国の子ども達にポリオワクチンを贈るエコキャップ運動を行ってきています。昨年度の文化祭では、そうした仕組みを広く多くの人達に知ってもらいたいと考えた実行委員の生徒達が中心になって、全校生徒でモザイクアートの制作を行いました。まずクラスごとに担当する部分のパネルを作り、最終的にそれらを合体させて一つの巨大な絵を作成。
文化祭が終了したあとには、作品に使ったペットボトルのキャップを集めて、1058.2人分のポリオワクチンを発展途上国の子ども達に贈ることができました。このような社会貢献活動は、私達教員が提案したものではありません。生徒達が自発的に始めて、本校の伝統として定着しているものです。一人ひとりが自分の果たすべき役割に気づき、先輩達やチームの期待に応えようと努力し、その結果として『チーム獨協』の一つの象徴的な活動として周囲から認められるまでになっているのです。そうした生徒達を誇らしく思います」
ここに注目!
学習面でも『支え合い』を強化
「『チーム獨協』の強みを生かして集団の中でお互いに “教え合う” ことができるような、学習面での仕組みづくりを強化していきたいと考えています。勉強を教え合うと、教える側の知識も深まり、お互いの学力が伸びていくでしょう。本校全体の学力アップにつながる良い相乗効果を生むことを期待しています」(坂東先生)
ここが肝心!
『獨協手帳』の時間管理で部活動と自宅学習を両立

思春期の男の子は女の子に比べて自己管理が苦手という傾向があるといわれています。そこで同校では、中1から、オリジナルの『獨協手帳』を導入。各自が学習計画を立て、スケジュールに沿って、計画的に学習が進められる便利なツールです。中1の生徒には、毎日2時間の自宅学習の習慣づけを大きなテーマとし、時間管理を意識させる『獨協手帳』を効果的に用いるように指導が行われています。「部活動に励む生徒ほど、自宅学習とのバランスがよくとれている」という坂東先生。部活動に打ち込み、好きなことに精いっぱい打ち込める男子校ならではの環境を楽しみながら、やるべきことはきちんとやる。それが獨協生なのです。
(この記事は『私立中高進学通信2015年4・5月合併号』に掲載しました。)
獨協中学校
〒112-0014 東京都文京区関口3-8-1
TEL:03-3943-3651
進学通信掲載情報

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