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私立中高進学通信

2015年1月号

授業発見伝

文京学院大学女子中学校

理数実験
探究心あふれる女性サイエンティストを育成

頭も体もフル稼働の50分はあっという間です。

頭も体もフル稼働の50分はあっという間です。

 先進的な理数教育を実施している学校として、『スーパーサイエンスハイスクール(SSH)』 に指定されている同校。グローバル社会に適応した国際性と探究力を備えた女性サイエンティストの育成に力を入れています。

「SSHは、理数教育のためのカリキュラムを開発するという使命を負っています。そのため、文部科学省の教科書を用いた通常のカリキュラムに加えて、学校が開発したオリジナルカリキュラムによる『学校設定科目』の授業を行っています」
(教頭/北野啓子先生)

 今回取材したのは、学校設定科目のうちのひとつである『SSプレカレッジⅠ』。理数キャリアコースの高2生を対象に、物理、生物、化学、数学分野の実験を年間で20回行っています。3年間の学校設定科目のカリキュラム全体で、大学の卒業研究とほぼ同様の流れを経験する内容だと言います。

「理科好きの生徒にとって、視野が広がる機会がたくさん用意されていると思います。生徒達は、各自で課題を決めて研究を行う『SSクラブ』という活動にも熱心で、高校生向けの研究成果発表会などに出場して結果を出す生徒も増えてきました。夏休みの期間も毎日登校して研究活動をしている生徒もいましたね」
(物理/織田真奈美先生)

 SSH活動につながる理数教育の基盤は、中学の3年間でしっかり育成されます。このような環境で、自分の進路についてより具体的な考えを持つ生徒が増えてきたとか。

「以前、理数クラスの生徒は、看護や臨床検査などの医療分野を志すケースがほとんどでしたが、SSHのカリキュラムやSSクラブの活動のなかで興味のある分野を見つけて、工学部や理学部などへの進学をめざす生徒が増えてきました」(北野先生)

 同時に力を入れているのが、姉妹校提携を結んだタイの『プリンセス・チュラボーン・カレッジ・ペッチャブリー校』との交流です。同校は、タイ全土に12校ある科学教育に特化した高等学校の一つ。メールのやりとりから交流を始め、昨年冬には、生徒10人をタイへ派遣。タイの生徒達が日本へ来たときには、高2・3生の生徒全員が、英語での研究発表を経験したと言います。

「理系の生徒は英語に苦手意識を持つことも多いのですが、タイの高校生との交流を通じて、英語に対する認識が変化していくのを感じます。相手とコミュニケーションをとるためには、英語ができなくてはいけないということを素直に理解できたようです。生徒の主体性を引き出すいい形での学びの場になっていますね」(織田先生)

 来年度からは、中1後期からコース別の特別授業の時間が設けられる予定。探究心にあふれた女性達が、科学界の未来を担っていくことが期待されます。

授業レポート
細かな指示はせず生徒の工夫を引き出す授業

『SSプレカレッジⅠ』のカリキュラムである物理の実験の授業。担当の織田先生から簡単な説明があった後、生徒達は必要な道具を自分達で選びます。

「生徒達には、敢えて細かい指示を出していません。自分達で考えて実験を組み立てていくスタイルをとっています。また、実験は、必ずしも教科書通りの結果が出るとは限りません。測定に誤差が出た場合は、その理由を考察させます」(織田先生)

 今回の実験の目的は、「針金振り子の物体が持つ運動エネルギーと重力による位置エネルギーの関係を見つける」というもの。この目的がしっかりと達成できるように、グループごとに工夫をします。使う道具もビニールテープや定規などバラバラです。

 授業時間終盤、黒板には「運動エネルギー」「重力による位置エネルギー」「力学的エネルギー」の3つのキーワードが提示されました。授業で測定したデータをもとに、1週間後にレポートを提出します。実験が終わったグループでは、レポートを作成するための真剣な話し合いが行われていました。

物理の実験の授業
物理の実験の授業

(この記事は『私立中高進学通信2015年1月号』に掲載しました。)

進学通信2015年1月号
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