私立中高進学通信
2015年1月号
めざせ 次代のグローバルリーダー
多摩大学目黒中学校
「英語が話せる」ではなく
「英語で何が話せるか」で勝負してほしい

中学生対象に2014年度からスタートしたアメリカ語学研修。
夏休みの2週間、ホームステイしながら実践的な英語力を身につけます。
ネイティブ教員と日常的に会話できる
国際社会で、多様な文化や言語を背景に持つ人々とコミュニケーションを取りながら、自分の考えをしっかり主張できる人材を育てることをめざしている同校。コミュニケーションや表現のための “ツール” となる英語の教育には、特に力を注いでいます。
中学の英会話では、1学級を2分割した少人数クラスで、イギリス出身とアメリカ出身のネイティブ教員による授業を展開しています。2人の教員は、半年でクラスを交代するため、生徒が年間を通して、イギリス英語とアメリカ英語のどちらにもなじめるように配慮されています。また、校内でネイティブ教員と話すときは、原則として英語のみを使うことになっており、授業中だけでなく、質問や雑談もすべて英語で話すことを徹底させています。
「例えば、英語係の生徒が先生に次の授業の持ち物などを尋ねるときも、英語で質問します。質問の方法がわからなくて日本人教員にアドバイスを求める生徒もいますが、ヘルプは最小限に抑え、できるだけ生徒自身の英語力を駆使するようにサポートしています。ネイティブ教員は2人とも専任のため、生徒はいつでもコミュニケーションを取ることができますから、日常的に英語を使う機会も多く、英語を話すことへの抵抗感がなくなっていきます。また、ネイティブの発音に耳を慣らすトレーニングにもなっているようで、本校の生徒は、英検などの結果を見ても、特にリスニングの成績は優秀です」
(英語科主任)
イギリス出身のフィリップ・チャンドラー先生と、アメリカ出身のデイヴィッド・ワイウディ先生。
2人とも専任教員のため、生徒が日常的に英会話に親しむことができています。


「書く」練習を積み重ね自己主張できる人になる

同校では、2013年度から海外への語学研修や留学の機会を増やし、生徒に実践的な英語力が身につくように取り組んでいます。ただし、「英会話が上手になることが最終目的ではない」と英語科主任の先生は強調します。
「英語はあくまで “ツール” であり、重要なことは、英語を使って何を表現できるかということです。本校の英語の授業では、生徒に作文の機会を多く設けています。例えば、『将来の夢は何か』といったテーマについて書かせるとき、なぜそうなりたいのか、理由を必ず3つ添えて書くように指導します。理由まで考えて書くことで、生徒は自分の考えを深め、より確かなものにすることができるのです。また、自分の考えを他者に理解してもらうためにどのような書き方をしたらいいか、文章表現を工夫する力もつきます。中学生の英語力では、あまり深い内容は書けませんが、自分なりの英語力で考え、表現することが大事だと考えています」
こうした活動の集大成となるのが、中学3年のオーストラリア修学旅行の後に、旅行の思い出を100語の文章にまとめて発表するスピーチコンテストです。
「本格的に英作文に取り組む授業は、中学2年から始まりますが、最初のうちは、テーマを与えても『何を書いたらいいかわからない』と戸惑う生徒もいます。それが、中学3年のスピーチコンテストを行う頃になると、自分の考えを英語の文章でうまくまとめられるようになります。『書く』練習の積み重ねによって、自分の考えをしっかり持つことや、英語で主張する力が育まれているのだと感じています」
語彙力を上げることや見聞を広めることも大切

「グローバルリーダーに問われるのは、英会話のうまさではなく、英語で何が語れるかです。たとえ英語が流暢でも、すぐれたものの見方や人を惹きつけるような発想力のない人は、リーダーにふさわしい人材とは言えません。
例えば、表現力を磨くためには、国語の学習で語彙を増やすこと、日本語の文章を書くことも大切です。また、他教科や総合的な学習、行事を通じて得られる学びや体験も、見聞を広め、思考を深めるためには不可欠です。こうしたさまざまな学習や経験が人間性を豊かにし、魅力的で有能なグローバルリーダーに育て上げるのだと言えます」(英語科主任)
(この記事は『私立中高進学通信2015年1月号』に掲載しました。)
多摩大学目黒中学校
〒153-0064 東京都目黒区下目黒4-10-24
TEL:03-3714-2661
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