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私立中高進学通信

2015年1月号

授業発見伝

東京農業大学第三高等学校附属中学校

理科
生徒の “探究心” に火をつけ知識と理科的思考力を伸ばす

生徒達の作業を見守る渡邉先生。安全についても、繰り返し注意を促します。

生徒達の作業を見守る渡邉先生。安全についても、繰り返し注意を促します。

 自然豊かな環境の中にある同校では、 “実学教育” を理念とした学習活動が各教科で展開されています。その内容は、自ら見たことや聞いたことをもとに「なぜ?」「どうして?」と疑問や課題を見つけ、その解決を通じて確かな知識や知恵を獲得していくものです。中でも理科では、生徒達の探究心をくすぐる科学実験が、各学年で行われています。

「数ある実験の中で、生徒達の反応が最も大きいのは、変化が目に見える化学分野の実験です。しかし、 “ 驚き” で終わってよいのは中1まで。中2以降は『なぜ、こうなったのか?』と考察をめぐらせることが大切です。実験の授業は、そうした思考力を伸ばせるように組み立てています」(理科担当/渡邉俊希先生)

 実験前、生徒達には白紙のレポート用紙が配布されます。用紙には、実験名、目的、道具、方法、結果、考察を書きますが、記述の手法は自由です。文章だけで記述する生徒もいれば、実験の絵や図解を入れる生徒もいます。白紙を渡しているのは、生徒の自由な発想を引き出すと同時に、実験の流れをゼロから記述することで、理科的な思考力を高めるためだと渡邉先生は話します。

「将来、科学を専門とする職業に就く生徒は、一握りかもしれません。しかし、仮説を立てて検証し、それをまとめる理科的な思考法は、どのような職業に就いても必要とされる力だと思います」(渡邉先生)

 設備面では、二つある中学生用の実験室に最新の機器が整えられている同校。ソフト・ハードの両面から、建学の精神にある「旺盛な科学的探究心と強烈な実証精神」を高める理科教育が展開されています。

授業レポート
紫キャベツで酸性・アルカリ性を調べる
「どうなるんだろう?」ワクワクしながら、試験管に液体を注入します。「どうなるんだろう?」ワクワクしながら、試験管に液体を注入します。

1 3年3組の生徒達が、ちょっとユニークな化学実験に挑みました。その内容とは、ある物を使って、酢、炭酸水、キンカン(薬)、水酸化ナトリウムが酸性かアルカリ性かを調べるというもの。最初に、生徒達はこれら4つの液体を1mlずつ試験管に入れ、BTB溶液を2~3滴加えていきます。


色の変化に目を丸くする生徒達。この驚きから、強い探究心が生まれます。色の変化に目を丸くする生徒達。この驚きから、強い探究心が生まれます。

2 すると、透明だった酢と炭酸水が黄色に、キンカンと水酸化ナトリウムが青色に変わり、実験室から歓声が上がります。

 しかし、これはあくまで前振り。続いて出てきたのは、スーパーなどで売られている紫キャベツです。これを塩でもんで真水を加え、紫色の液体を作ります。そして、先ほどと同様に、4つの液体に入れていくと、次々に色が変化していきます。

「すごい!でも、さっきと違う!」
「赤、紫、青、緑の4色になった!」

 BTB溶液ではなく、身近な野菜で作った液体で変化が見られた分、生徒達の驚きも大きいものがあります。

「2色ではなく、4色に分かれました。これがどんな意味を持つのか、よく考えてみてください」


3 渡邉先生の指示を受け、生徒達はレポート用紙に、実験の結果と考察を書き込んでいきます。その記述からも、酸性・アルカリ性に“強度”があることをしっかりと理解した様子が伝わってきます。

「高校に上がるとpHという酸・アルカリの強弱を詳しく学びますが、ここで苦労する生徒が少なくありません。その意味でも、強度の違いを目で見て、感覚的にとらえておくことに意義があると思います」(渡邉先生)

実験レポートを書く中3生。中1の時から書き続けているので、慣れた様子です。実験レポートを書く中3生。中1の時から書き続けているので、慣れた様子です。
実験室には、高性能な顕微鏡など、最新の機器もそろっています。実験室には、高性能な顕微鏡など、最新の機器もそろっています。

(この記事は『私立中高進学通信2015年1月号』に掲載しました。)

東京農業大学第三高等学校附属中学校  

〒355-0005 埼玉県東松山市松山1400-1
TEL:0493-24-4611

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