２年目を迎え順調に進行中のＧＡクラス

「全教科で基礎的な学力があれば解ける問題を出題しています。その結果、入学してきた生徒を中高６年間で大きく育てる、というのが本校の基本姿勢です」

　と加藤晃孝校長が言うように、同校の入試問題には例年、基礎知識を問う良問が並びます。

　２０１５年度の主な留意点は、昨年発進し、人気が高まるＧＡクラスの選抜方法。『２科は国・算・英から２科選択、４科はそれに理・社を付加』に変更されます（前回までは『２科＝国・算が必須、４科＝国・算＋理・社・英から２科選択』）。

　ＧＡ（ＧＬＯＢＡＬ　ＡＲＴＳ）クラスとは、グローバル人材育成を目標とする新クラス。英語教育を強化するとともに、豊富なアクティビティー、複数の留学プログラム、中高大連携教育など多彩な取り組みを盛り込んだ、注目のクラスです。入試問題には英語が設置されていますが、帰国生や英語を得意とする生徒だけが対象のクラスではありません。英語はもちろん、世界標準の学びの実践にこそ、ＧＡクラスの真髄があります。

「国際化がさらに進んだ近未来の社会では『ＹＥＳ、ＮＯ』はもちろん『ＷＨＹ、ＨＯＷ』もきちんとアピールできる人でないと活躍することはできません。単に英語に強いというだけでなく、自らを明確に主張できる人材の育成。それがＧＡクラスの目標です」（加藤校長）

「異文化だけでなく日本文化への理解も深め、理数教育にも手を抜かない。日常的に世界標準の学習を実践する新しい発想の教育プログラムですが、２年目を迎え、ＧＡクラスの生徒たちは順調に成長しています。英語は初体験という生徒がかなり含まれているなか、英検における実績も目覚ましく、強い手応えを感じています」

　と話すのは、同クラスをリードする秋葉達也先生。

　２０１３年に本格始動し、成果をあげるＧ Ａ クラスの勢いは２０１５年も続きそうです。

国際化社会をたくましく生き抜く力を培う

　ＧＡクラスの設置に象徴される同校の躍進。その背景にある教育目標がよく表れているのが英語、そして例年、特徴的な出題をすることで知られる理科です。出題傾向をチェックしてみましょう。

　英語では『語彙（英単語）と文法』『読解』『計算』『会話』というテーマを持つ４つの大問が出題されます。レベルは英検４級程度、『英語』としては決して難関ではありませんが、計算問題など、『英語を使って解く』問題に特徴があります。

　その狙いは「英文を読み取り、その情報を理解したうえで計算できるか否かを問う問題。登場人物、期日や時間、曜日、数字、金銭などに関する情報処理・論理能力が必要です」と秋葉先生。非常に難解そうですが「さほど難しくはありません。設問の内容に驚かず、落ち着いて考えれば十分対応できます」といいます。

　次に例年、物理・化学・生物・地学の４分野から１問ずつ、４つの大問が出題される理科。

「例年、 “日常からアプローチする問題” を盛り込んでいる点が大きな特徴といえます。去年はグリーンカーテンについて出題しました。本校では、自分の周囲の何気ない事象に関心を抱き、面白いと感じられる生徒を求めています。本来、子どもは理科を面白いと感じる素質を持っていると思うのです。その感性を本校では大切に伸ばしていきたいと思っています。また、解答のなかに理科的ではない解答、論理的ではない突飛な選択肢を一つ盛り込んでいるのもポイントですね。そうした選択肢を設けることで、物事を常識的に考えることができるかどうかを見ています」 （理科主任・坂本純一先生）

「誤解を恐れずに述べれば、本校の大目標は『一人でメシが食える人間』の育成。つまり今後の国際化社会を、たくましく生き抜く力を培うことです。入試問題には、そんな本校の理念が色濃く反映されています。ぜひ、本番で確認してみてください」（加藤校長）

（この記事は『私立中高進学通信2014年12月号』に掲載しました。）