私立中高進学通信
2014年12月号
Teacher's Lounge 先生たちの座談会
足立学園中学校
始めからできなくてもいい
ありのままでいられる環境のなかで
文武両道の男子へと成長させる学園

参加の先生方(左から)
飯山泰介先生
●中1担任、芸術科主任、吹奏楽部顧問。
委員会活動、部活動などでも生徒をサポートし、保護者からの信頼も厚い。
寺川 信先生
●中1担任、英語科副主任、学習指導係、水泳同好会顧問。
冷静沈着かつ辛抱強い指導で、生徒を導き、支えている。
昆野 満先生
●中3担任、地歴公民科主任、進学指導係、中学野球部顧問。
自身の男子校時代の経験から『知的野蛮人』の育成に熱意を注ぐ。
西片 慈先生
●中3学年主任、国語科、高校バレーボール部顧問。
ふだんは厳しいが学園祭で見せるステージで生徒から親しまれている。
※司会進行役は広報部長の髙井俊秀先生
英国の名門ラグビー校で行われる海外語学研修。少人数での語学研修やスポーツ、イベントを通じてコミュニケーション能力、交流会ではプレゼン力を身につけます。また、英国の歴史や文化に触れ、グローバルな人材へと成長していきます。

❷学園祭
生徒同士が絆を強める文化祭に加え、先生との一体感も生まれるのが、伝統の後夜祭。最後は、実行委員の生徒と先生が同じステージに立ち、他の生徒も一体となってフィナーレを迎えます。生徒と先生の距離が近く、楽しい学校生活を送れることも同校の校風です。

❸強歩大会
「競い歩く」ではなく「強く歩く」強歩大会は毎年4月に開催される恒例行事。30キロの道のりを先輩・後輩・教師がともに歩き、友情と忍耐力、そして自信が芽生える行事です。

髙井先生
男子校の良さをどのように考えていますか?
昆野先生
一般的にもよく言われることですが、多感な思春期に異性の目を気にする必要がなく、ありのままで過ごせるという安心感が第一ですよね。
西片先生
そういう環境のなかでは、どんなことでも素直にどんどん吸収してくれますよね。だからこそ、学校は良いものをたくさん与えていきたいと思っています。
昆野先生
私が男子校の高校生だった時に、担任の先生に教えられた『知的野蛮人』というのが、私にとって男子校の理想を表すことばになっています。「本や教科書で学ぶ知識ももちろん大事だけれど、失敗してもいいから貪欲にチャレンジして、自分で体験したものを知識にしていきなさい」というような意味です。ですから文武両道は本校生徒の必須であり、勉強はもちろん、クラブ活動や行事、委員会活動などを通じて、礼儀や心の部分の「男磨きを!」という指導をめざしています。
寺川先生
本校のロールモデルは、日本の旧制中学の流れを組んでいる伝統校やイギリスのパブリックスクールなどです。本校では、そうした伝統を誇る海外の学校と提携を結んでいて、夏休みに希望者を募って❶『海外語学研修』(中3~高2)を行っています。そこの学生は、勉強に加えて芸術活動やスポーツ活動も、これでもかというくらいに力を入れていて、オックスフォード大やケンブリッジ大で学びながら、ラグビーのU18イングランド代表になっている卒業生をたくさん育てています。そういった伝統の男子校ならではの教育環境で得られるものは尊いなと感じていて、本校も、そんな人物を育てられる学園でありたいと思うのです。
髙井先生
本校にも生徒たちが文武両道の活躍ができる場面は多いですね。
飯山先生
たとえば❷学園祭では、中1から高3までのスタッフが一緒に学校行事に携わっていくシステムが以前からありますよね。ほとんど生徒たちだけで、自主的に積極的に集い、運営を行っています。
昆野先生
教員がいちいち言わなくても物事が前に進んでいくというのは、生徒自身が培ってきた伝統ともいえます。生徒会活動や行事・部活動などを通じて高学年の生徒の背中を追いかけているうちに低学年の生徒が6年間で自然に学べることはたくさんあると思います。
飯山先生
❸『強歩大会』(中1~3)は、そういった意味でも本校にとって大切な行事です。今年最も印象的だったのが、足が痛くなってしまった中 1生を先輩がおぶってゴールしていた光景です。
髙井先生
勉強面では、どのような実感がありますか。
寺川先生
本校には、小学校時代の成績が上位とはいえなかった子どもたちも入学してきます。自分のペースでゆっくり学ぶスローラーナーや、スロースターター、要領が良くない生徒も多くいます。だからこそ、まずはできることをしっかりやらせて、できた場合は「こういう努力をしたから、結果につながったのだよ」と確認させていく。それが伝わった生徒が、高2の終わり頃くらいから急にグ~ッと伸びてくる。男子は特に結果が出るまでには時間がかかるので、励まし続けて自信を持たせるというのが、本校の教育です。
西片先生
入学したばかりの生徒たちは宿題を出しても取り組めなかったり、きちんとその結果を自分で確認できなかったりする傾向にあります。そこで毎回目標を持たせて、基本事項を徹底的に身につけるために小テストを実施しているのですが、中3~高1くらいになると、自主性が芽生えてきます。
昆野先生
私は中3を担任していて、1週間の予定を学習計画表などで月曜日の1時間目に確認しています。すると、そこに毎日『小テスト』とある。生徒に「大変そうだね」と言うと「大変じゃないです」と応えます。彼らにとって、小テストはあたりまえになってきているのです。そうなってくると、強制的な学習から、徐々に方法論に変わっていき、成果が出せるようになっていきます。
西片先生
本校は家族のように生徒の成長を喜び、見守っていきたいと思っています。学習面だけではなく、生徒の人格ともしっかりと向き合っている、そういう学校です。




(この記事は『私立中高進学通信2014年12月号』に掲載しました。)
足立学園中学校
〒120-0026 東京都足立区千住旭町40-24
TEL:03-3888-5331
進学通信掲載情報

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