私立中高進学通信
2014年12月号
大学合格力強化計画
関東学院中学校
着実な伸びを示す大学合格実績
起点は2008年導入の新カリキュラム

長期休業中に開催される『希望制講習』では、普段とは一味違った講義が行われます。
難関私大への合格者が過去3年間で大幅に増加

「人になれ、奉仕せよ」を校訓に据え、キリスト教を基盤とした教育を展開する同校。キャンパスは小高い丘の上にあり、自然に囲まれた環境の中で、豊かな感性と確かな学力の育成をめざしています。併設大学がよく知られていますが、推薦入試で進学する生徒は少なく、生徒の大半は一般入試で他大学へと進みます。2014年春は、卒業生の85%が国公立大学や他の私立大学へ進学するなど、その割合は年々増え続けています。
過去3年間の推移を見ると、早慶上理の合格者数が21名から31名へ、GMARCHの合格者数が56名から108名へと、大幅に増えています。また、現役合格を勝ち取る生徒の割合も増えており、浪人する生徒の数は3年間で半減したそうです。こうした推移を見ても、大学合格実績が着実に向上していることがわかります。
その背景には、2008年に導入した新しいカリキュラムがあります。それ以前、同校では生徒間の学力差が大きく、進度が遅れ気味な生徒へのケアが十分とは言えない状況がありました。そうした課題を踏まえ、週5日制を6日制にし、週の授業時数も30時間から34時間へと増やしたのです。
「授業時数が確保できたことで、ほとんどの生徒が着実に学習内容を吸収できるようになり、全体の底上げが図られました。成績の分布を見ても、下位の層が着実に消えています。その結果、各教科の授業が進めやすくなりました」(進路進学委員長/平岡典士先生)
「以前、数学の授業は、習熟度別に『A』『B』『C』の3グループに分かれて実施していました。それが現在は、下位層に当たる『C』が消え、『A』が1グループ、『B』が2グループで実施しています」(中学校入試広報委員長・数学科/西恭志先生)
もう一つの大きな変化が、理系学部へ進学する生徒の増加です。以前は6割以上が文系へ進み、理系は4割以下にとどまっていましたが、2014年度はほぼ半々になるなど、理系志向が高まっています。
「学校として、とくに理系を勧めているわけではありませんが、数学に苦手意識を持つ生徒が減ったことで、理系をめざす生徒が増えたのだと思います。また、2008年に竣工した新校舎には計5つの理科実験室があり、実験を増やしたことも関係していると思います」(西先生)
2008年の新カリキュラム導入と同時に、同校では先取り学習の進度も抑え気味にし、現在では半年程度を目安に行われています。こうした一連の改革により、生徒達が着実に学習内容を吸収できるようになったことが、ここ数年の確かな実績となって表れているのです。
手厚い指導体制と体系的なキャリア教育

週6日制・34時間のカリキュラムと並び、学力定着のもう一つの柱となっているのが、課外講習をはじめとする手厚い指導体制です。なかでも、長期休業中に行われる『指名制補習』と『希望制講習』には多くの生徒が参加するなど、学力の定着・向上に寄与しています。
『指名制補習』は、夏期休業中に8日間、冬期休業中に4日間、主要5教科の授業が目標点に達しない生徒を対象に行われています。こうして学び残しをなくし、不得意教科を消していくことで、生徒達は日々の授業にも前向きに取り組むことができます。
一方の『希望制講習』は、夏・冬・春の長期休業中に、発展的な学習を希望する生徒向けに行われる講習です。朝8時から夕方の5時まで、主要5教科を中心に数多くの講習が開設されています。普段の授業とは趣向の異なるユニークな講習、英検などの資格取得を目的とする講習なども開設され、生徒達はそれぞれのニーズに応じて選択・受講しています。

6年間を通じた体系的なキャリア教育と進路指導も、特色のひとつです。中学1年次にはスクールカウンセラーとの連携で “自分を知る” 活動を行い、中学2年次には働く人へのインタビューを行い、中学3年次には保護者による職業講話を聴きます。また、中学3年からは幅広い業種の職業体験を行うなどして、職業観を養っていきます。それと並行する形で、卒業生による進路ガイダンス、大学教授による講話などを聞き、大学受験への意識も高めていきます。
「キャリア教育の目的は、職業に対するポジティブなイメージを持ってもらうことです。中高生の中には、仕事を “お金を稼ぐ手段” と考えている生徒もいますが、仕事が “楽しいもの” だという印象を持ち、それと同時に『今学んでいることは将来役に立つのだ』という気づきを与えていきたいと思います」 (平岡先生)
同校の教員室前には『学習アシストセンター』と呼ばれるスペースが設けられており、生徒達が頻繁に訪れ、先生に質問するなどしています。こうしたきめ細かな指導が、生徒に見守られているという安心感を与え、それがより高い進路希望にチャレンジする意欲につながっているようです。
「以前と比べて、生徒達が自信を持って一般入試に挑戦するようになってきました。浪人する生徒も、そのほとんどがより高い目標をめざしてのものです」 (平岡先生)
2014年春の卒業生は、2008年に導入した新カリキュラムの “1期生” でした。今後、2期生、3期生と卒業していく中で、生徒達がどのような結果を残してくれるのか、期待は膨らみます。
2013年度(2014年春)
主な大学合格実績
( )内は既卒生の実績
大学名 | 人数 | |
---|---|---|
国 公 立 大 学 |
東京大学 | (1) |
東京工業大学 | 1 | |
東京外国語大学 | (1) | |
東京藝術大学 | (2) | |
横浜国立大学 | 2 | |
横浜市立大学 | 2 |
大学名 | 人数 | |
---|---|---|
私 立 大 学 |
早稲田大学 | 9 |
慶應義塾大学 | 7(2) | |
上智大学 | 5 | |
東京理科大学 | 12 | |
国際基督教大学 | 2 | |
学習院大学 | 13 | |
明治大学 | 31(3) | |
青山学院大学 | 25 | |
立教大学 | 16(4) | |
中央大学 | 10(2) | |
法政大学 | 25(3) | |
同志社大学 | 3 | |
立命館大学 | 1 | |
北里大学 | 14(3) | |
昭和大学 | 4 | |
順天堂大学 | 1 | |
東京女子医科大学 | 1 | |
関東学院大学 | 23 |
(この記事は『私立中高進学通信2014年12月号』に掲載しました。)
関東学院中学校
〒232-0002 神奈川県横浜市南区三春台4
TEL:045-231-1001
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