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私立中高進学通信

2014年11月号

授業発見伝

日本大学豊山女子中学校

理数科
創造的な学習意欲を育てる
課題研究発表会

世界初の電池「ボルタ電池」(希硫酸に亜鉛板と銅板を浸した電池)について研究した物理班の発表

世界初の電池「ボルタ電池」(希硫酸に亜鉛板と銅板を浸した電池)について研究した物理班の発表の様子。

理科主任の松永先生お話をうかがった理科主任の松永先生

 女子校ではめずらしい『理数科』が同校の高等学校に設置されたのが、1971(昭和46)年。以来、医療や科学分野で活躍できる人材の育成を目標に掲げ、他校にはない独自の理数教育が実践されてきました。近年では理数科に在籍する生徒の約50%が医療系分野へ進学しています。

 その理数科を象徴する取り組みが、『課題研究』です。課題研究は、高1秋のオリエンテーションからスタートし、数学・物理・化学・生物の4分野からどれか一つの課題を選び、グループ単位で研究を深めていきます。

 2014年7月、高2の夏に行われる『課題研究発表会』を取材するとともに、同校の理科主任を務める松永貴裕先生にお話をうかがいました。

「理数科に在籍する高2生たちは、文化祭を終えた昨年の9月からそれぞれの課題研究に取り組み始め、今年7月、その発表の大舞台となる『課題研究発表会』を迎えました。高1で課題を設定してから、研究計画、調べ学習、実験、考察とレポート作成、発表までを約1年間かけて行っていきます。授業だけでなく、放課後を使ったグループでの話し合いや自宅でのまとめ作業など、時間を有効に使い、やっとの思いで達成できる取り組みです。課題解決を図るためのひたすら地道な学習を通して、生徒たち自身の問題解決能力や自発的・創造的な学習意欲を育てていくことができます」

 研究発表は、数学1班、物理2班、化学3班、生物3班の計9班に分かれ、それぞれ準備・発表・後片付けを含めた15分間を持ち時間として行われます。

「発表の手順などは指導しません。先輩たちの発表内容や、プレゼンテーションをよく見て学び、この秋から始まる総合ガイダンスに備えてほしいと思っています」というように、今回の発表会には先輩たちの発表から学ぼうと、理数科の高1生たちが聞き手として参加していました。

 約1年間にわたりチームで取り組んだ研究成果を発表する生徒たちの表情はいきいきと輝き、仲間と研究を心から楽しんできた思いが伝わってきます。

 一人では気がつくことのできない研究の楽しさ、チーム全員の気持ちを一つに集中して困難を乗り越えた経験があるからこそ、理科や数学のおもしろさを発見することができる。同校の理数科のこだわりは、その点にあるようです。

「各班に担当教員が2名ずつついていますが、"こうやるとうまくいくよ"というようなアドバイスはまったくしていません。なぜなら答えを導き出すのは生徒自身であるべきだからです。たとえば"専門書ではこういう結果になっている"ということを知ったところで、それは理数科で学ぶ生徒たちのためにはならないでしょう。答えが出ていないこと、答えが見つかっていないこともたくさんあるのです。生徒たちが社会人になるこれからの世の中では、答えがまだ出ていないということを理由に途中で諦めてしまったり、誰かの言葉や他人が出した答えに従ったりするのではなく、"自分はこう思う"と、しっかり主張ができるような人物が必要とされるでしょう。そうした創造的な理系人材として、社会で活躍していってほしいと願っています」

授業レポート
答えのない世界に挑むからこそおもしろい

「試行錯誤しながら研究を続け、成果を出した先輩たちの姿勢から、多くのことを学んでもらいたいと思っています」と松永先生。

 高2の発表会には高1の理数科の生徒たちも全員参加し、先輩たちのひたむきな研究発表を間近で感じることで、次年度につながるモチベーションを高めていきます。医療系の仕事に就くことをめざして進学する生徒が多い理数科。発表を聞く高1生の表情も真剣そのものでした。

 発表後には、約1年間にわたって課題研究に取り組んできた苦労、新たな発見があったときの喜び、一人ひとりが声を掛けあって最後まで乗り切ることができた達成感などを語る生徒たちに、大きな拍手が送られました。

 インタビューに応じてくれた物理班の生徒たちは、発表までの道のりを次のように振り返ります。

「あらかじめ答えがわかっている実験ではないので、みんなで試行錯誤した日々が忘れられません。実験や観察は協力しながらやるものだということがよくわかりました」

「実験が成功したときの感動はすごかったですね。みんなのチームワークの勝利です」

「最後まで諦めないでやっていけば必ず道は開けるということを学びました。最初はPCの使い方もぎこちなかったけど、最終的にプレゼンのスキルも身につきました」

「誰かがやればいいじゃなく、各自に自然と役割ができたところがよかったですね。一人では途中で挫折していたかもしれませんが、課題研究を最後までやり抜けたのはお互いの協力があったからこそですね」

(この記事は『私立中高進学通信2014年11月号』に掲載しました。)

日本大学豊山女子中学校  

〒174-0064 東京都板橋区中台3-15-1
TEL:03-3934-2341

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