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私立中高進学通信

2014年10月号

授業発見伝

東京成徳大学中学校

理科
失敗から学ぶ実験の意味
「なぜ」を深める振り返り

実験時の班に分かれてデータを整理する中2生達

実験時の班に分かれてデータを整理する中2生達。

 授業に体験を数多く取り入れ"なぜだろう"と生徒に考えさせる機会を作っている同校。教科学習全般で中学1〜2年を『理解徹底期』と位置づけ、学習意欲を育てながら基礎的事項の徹底理解を進めています。理科では実験を重視。授業時数の3分の1に相当します。

 中学2年の化学分野『金属の酸化反応』の単元では、金属を加熱し酸化した時に結びつく酸素の質量と金属の質量が比例することを学びます。

 すでに銅とマグネシウムの加熱実験を終えているため、この日は得られたデータから結論を導き出す作業を行いました。実験時の班に分かれてデータからグラフを作成します。

 銅やマグネシウムの重さや加熱時間などの"条件"は班ごとに少しずつ違います。自分以外の班のデータを収集し、グラフに起こしてみると何かがわかるかもしれません。

「たぶん直線かな?」そんな面持ちで取り組んでいた生徒ですが、そう簡単にはいかないようです。右肩上がりの点が描けた班、ジグザグになってしまう班などさまざまです。

「先生! 線で結んでもいいですか?」という生徒の問いかけに、汲田憲彦先生は「ちょっと待って」と制します。

 点が打たれたグラフを見て先生は「だいたいこんな線が引けそうかな? 何となく比例のようになるだろうか」と、各点の間を通る正比例の直線を引いて見せました。いまひとつ納得していない生徒達。点と点を結ばないのはなぜ? ジグザクのグラフではいけないのでしょうか?

 実はこの実験は誤差が生じやすく、理論値通りにならないことが多いというのです。だから先生はあえて「仮説」的な直線を引いて見せたのでした。

 生徒達の実験データは不確かなものかもしれません。その原因は「金属の重さをきちんと量れていなかったのかも」「加熱の仕方に違いがあったのかな?」などの可能性を話し合います。

「そうだね。だから実験というのは1回だけではうまくいかないものなんだ」という汲田先生のまとめがすっと入っていったようです。実験を成功させるのが目的ではない。失敗してもいいから「なぜ?」という気持ちを起こさせることを大切にする姿勢が伝わってきました。

 授業以外にも理科にまつわる取り組みはさまざまです。

「中学1年・2年の夏休みの課題研究では、家庭でできる理科実験を行います。例えばプラスチックが熱にどのくらい強いかを確かめる実験は鍋と水、温度計があればできます。
 10円玉をきれいに磨くには何を用いるといいかという課題では、石けん、洗剤、酢、しょうゆなどさまざまな素材を用いて試すことができます。身の周りにあるものを使って謎を解いていく、受け身ではない姿勢を育てたいのです」(汲田先生)

 毎週土曜日に行われる必修の課外活動『サタデープログラム』の中にも『理科実験』があります。普段の授業ではできないペットボトルロケットや人工イクラづくりなどにチャレンジしています。

 文系の進路をめざす生徒でも社会に出たとき"科学的思考力"があれば有利です。高校ではお台場にある日本科学未来館から専門家を招き、日本のエネルギーについて討論する特別授業を行いました。今後は大学の理工学部ともタイアップし、生徒の疑問に答える最先端の実験を体験できるプログラムを構想中とのことです。

『サタデープログラム』で行われている『エッグドロップ』『サタデープログラム』で行われている『エッグドロップ』。生卵を約10メートルの高さから落として割れないように紙のプロテクターをつくる競技。楽しく理科の力が伸びます。
高校生対象の『エネルギーに関する学習』日本科学未来館から講師を招いて6月に行った高校生対象の『エネルギーに関する学習』。討論するには科学的知識や思考力の裏付けが大事だと気づかせる、同校初の試みでした。
授業レポート
定番の『金属の酸化実験』はじっくり学ぶ
銅とマグネシウムの加熱後の重さ、酸素の重さのグラフを検証

 銅とマグネシウムの加熱後の重さ、酸素の重さのグラフを検証。0.1グラム単位の違いで実験をしたため結果に大きな誤差が生じた班もありました。生徒にとってはすっきりしない経験ですが、これをバネに理論や実験の本当の意味を学んでいくのです。

『金属の酸化反応』実験を終えて銅とマグネシウムの加熱前の質量と、加熱後の質量を比較し、金属と結びついた酸素の量を計算します。同じように計算した他の班のデータも集めてグラフ化していきます。法則があるのか、ないのか。答えを導き出していきます。

(この記事は『私立中高進学通信2014年10月号』に掲載しました。)

東京成徳大学中学校  

〒114-8526 東京都北区豊島8-26-9
TEL:03-3911-7109

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