私立中高進学通信
2014年10月号
授業発見伝
三田国際学園中学校
英語
"自分で考える力"を鍛える
「相互通行型」の英語授業

笑顔が絶えない教室。
全員が声を出し、参加できるのが
「相互通行型」授業だ。

中1には結構難しい。
百十余年の歴史を持つ戸板中学校・戸板女子高等学校は、2015年、共学校の三田国際学園中学校・高等学校として生まれ変わります。同校がめざすのは「21世紀型教育」。教員から生徒への「一方通行型」の詰め込み教育ではなく、考えることをサポートする「相互通行型」の授業です。
これからの時代を生きる生徒にとって、英語は非常に重要な教科。中学校でも来春から、本科の他にインターナショナルクラスを設置します。
「近い将来、ほとんどの企業が、英語でコミュニケーションできる人材を必要とします。これからは、英語を話せることはマスト。一番大事なのは、わからない問題が出てきたときに、"考えること"ができるかどうか。そして自分で考え、導き出した結論を相手にプレゼンする能力も必要です。そうした力を鍛える相互通行型の授業を、今年スタートしました」
(広報部部長/今井誠先生)
「中1の1学期は、まず英語に慣れることが大事。副担任にネイティブの先生をつけて、英語の授業はオールイングリッシュで行っています。ネイティブの先生には、ホームルームやお弁当の時間なども生徒と触れ合ってもらい、生徒が英語に慣れる環境を作っています。今年は特に生徒たちのリスニング能力の伸長を実感しています」
(英語科/明石道子先生)
生徒たちは、日々ネイティブの英語に触れているため英語を怖がらなくなり、「相互通行型」授業の効果で、人前に出て発言することを嫌がらなくなったと言います。
授業では、最初にジェスチャー入りの英語の歌を歌い、声と身体の準備運動。教師がその日に習うテーマや、アクティビティ(ゲームなど)の説明を行い、みんなでアクティビティをした後、最後にテーマの復習と宿題を発表します。ルールの説明も、ほぼ英語です。アクティビティは、この日に取材した「はえたたきゲーム」やすごろく、神経衰弱などさまざま。自然なシチュエーションで生きた英語を学べるように、生徒のみんなが声を出して参加できるゲームを先生方が考案し、全員で助け合ってゲームができるように手助けをするのです。
一歩先を行く21世紀型授業を実践していくために、その源となる教員研修にも非常に力が入っています。最新の大学入試問題を全教員が解き、全教科が模擬授業で授業力の研鑽を図り、全教職員がipadで常に情報交換をし、お互いの授業でコラボレーションしたりと、絶えず切磋琢磨しているのです。
「今年は、学校説明会がお父さんに人気です。お父さんは、日々の仕事を通して、来るべきグローバル社会において日本人に足りないものを実感しているのではないでしょうか。今は、江戸時代から明治時代に変わるくらい、社会が劇的に変化している時です。これからの生徒は、受験技術を身につけるだけでは将来生き抜くことが難しいのではないでしょうか。外国人ともコミュニケーションができ、自分で考えて問題を解決し、プレゼンし、共有できる能力が必要なのです」
(今井先生)
授業レポート
自分で考えて動く 21世紀型の人材に
身体を動かして、自分で考える授業

ネイティブの先生が発音した英語を聞き、何と言ったかを当てる「はえたたきゲーム」。ネイティブの発音を聞いて"英語耳"を鍛えます。思い切って叩いても怪我しないように、はえたたきを使うのがユニーク!勝ったチームには、英語の時間だけ胸につけるネームプレートに、ご褒美のスタンプを押します。
アクティビティは時間をかけて用意


アクティビティに使うゲームなどは、明石先生と高橋恵莉先生(右)がアイデアを持ち寄って、時間をかけて検討し、授業のプランを練ります。左は生徒同士で英語でアンケートを取り合い、時間内に何人調べられるかを競うアクティビティ「リサーチ」の用紙。
アクティビティに使うゲームなどは、明石先生と高橋恵莉先生(下写真)がアイデアを持ち寄って、時間をかけて検討し、授業のプランを練ります。上の写真は生徒同士で英語でアンケートを取り合い、時間内に何人調べられるかを競うアクティビティ「リサーチ」の用紙。
ネイティブの英語に触れ苦手意識をなくす

写真は1年生の副担任のアスガー先生(通称アッシュ先生)。手に持っているのはイギリスにいる先生のいとこの結婚式のために英語科から贈ったお祝いの書。先生が日本に戻られたら、今度はイギリスの結婚式の様子や日本の伝統文化に対する反応などをレポートしてくれる予定です。生徒たちが異文化に触れる機会も大切にしています。
(この記事は『私立中高進学通信2014年10月号』に掲載しました。)
三田国際学園中学校
〒158-0097 東京都世田谷区用賀2-16-1
TEL:03-3707-5676
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- サッカー部/野球部東京農業大学第三高等学校附属中学校
- タブレット端末などを活用する反転授業佐野日本大学中等教育学校
- 「自主自律」の精神のもと 自ら学ぶ意欲と力を育てる東京家政大学附属女子中学校
- 感謝音楽祭昭和女子大学附属昭和中学校
- 2015年度から新たな制服で始動する「一貫特進コース」への意気込み帝京大学系属帝京中学校
- 夢に向かうための進路を選ぶ中学1年からのキャリア教育立正大学付属立正中学校
- “体験”を重視したプロジェクトで総合的な「人間力」を身につける八王子学園八王子中学校
- 日常のすべてが“キャリア”につながる女子美術大学付属中学校
- 2013年に完成した新校舎で未来に向かってさらなる飛躍を!国府台女子学院中学部
- 東日本大震災被災地支援芝浦工業大学柏中学校
- 10年先、20年先にも対応できる『創造性を育む教育』を体験しよう!瀧野川女子学園中学校
- ダンス部/写真部トキワ松学園中学校
- 前向きで聡明な女性が育つ活気あふれるキャンパス品川女子学院中等部
- 国際社会で発揮 日本人としての教養 華道・茶道を通じて女性のたしなみを学ぶ麴町学園女子(麹町学園女子)中学校
- 統的な礼法で“相手を思う心”と品格を育む共立女子第二中学校
- 本番に向け練習会を実施!全日本高校模擬国連大会に参加実践女子学園中学校
- 海外での異文化体験に感動!感激!初めてのオーストラリア修学旅行品川翔英中学校
- 満を持して、いよいよ東洋大学京北がスタートする東洋大学京北中学校
- 英語 “自分で考える力”を鍛える「相互通行型」の英語授業三田国際学園中学校
- 理科 失敗から学ぶ実験の意味 「なぜ」を深める振り返り東京成徳大学中学校
- 教員と生徒、生徒同士の強い絆で合格実績が飛躍的に向上多摩大学目黒中学校
- 友達・先生との強い絆があって未来への第一歩を踏み出せました和洋九段女子中学校
- 光塩の先生との出会いがなければ今の私達はなかったかもしれません光塩女子学院中等科
- 『ごきげんよう』のあいさつとともに大切に育てられた中高6年間東京家政学院中学校
- 図書館と全校生徒が集える講堂を中心により安全で安心なキャンパスへ三輪田学園中学校
- K‐SEP春日部共栄中学校
- シンガポールで国際会議に参加 世界の若者と意見交換かえつ有明中学校
- 『玉聖革命』のスローガンのもと、より良い方向に学校を変えていきたいと考えている玉川聖学院の生徒会玉川聖学院中等部
- 少人数制の無料補習授業で希望進路に合う学力を養成普連土学園中学校
- 合唱コンクール八雲学園中学校
- 創立85周年記念音楽祭玉川学園(中)
- 2015年4月男女共学スタート!新しい試みに満ちた制服はグレー基調のすっきりスタイル安田学園中学校
- 空が広い高台のキャンパス 光あふれる校舎が生徒をのびやかに育みます目白研心中学校
- “学芸を修めて人類のために”貢献する女性を育てる 進路・進学指導と心の教育大妻嵐山中学校
- 理科 自然科学の素晴らしさ、学ぶ楽しさを体験できる夏季講座「理科実験」共立女子中学校
- 日々の鍛練と段階的な体験で心と頭を磨く横浜創英中学校
- 補習・講習が学力を支え先輩との交流がやる気を後押し佼成学園中学校
- 吹奏楽部/剣道部国士舘中学校
- 安全・安心な学習環境で育む 感謝の心と女性としての自立川村中学校
- 記念式典 留学コース創立25周年淑徳中学校
- 独自のプログラムを通じて“知・仁・勇”を備えたリーダーを育成成城中学校
- 積極性があって元気いっぱいの城北生城北中学校


