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私立中高進学通信

2014年9月号

授業発見伝

国学院大学久我山中学校

国語
のページをめくりながら
「知の世界」を広げる

久我山周辺地域探訪で訪れた妙寿寺の宮沢賢治の詩碑

『久我山周辺地域探訪』で訪れた妙寿寺では、宮沢賢治の詩碑を見学しました。
こうした経験をきっかけに、宮沢賢治の本に興味を持つ生徒もいます。

 15年ほど前から、中学1年生を対象に、週5時間の国語の授業のうち1時間を図書館授業に充てている同校。

「当時、図書館に足を運ぶ生徒があまり多くいなかったことを憂い、生徒に気軽に図書館を利用できるきっかけづくりをしようと始めた授業でした。入学して間もない中学1年生のうちに、図書館の利用方法や、調べ学習の基本を学ばせて、もっと本に親しんでもらおうという目的でした」
(国語科主任/濵眞一先生)。

 図書館授業の特徴のひとつは、国語に限らず、いろいろな教科に応用・活用がきくことです。

「中学1年の総合学習の一環として行っている『久我山周辺地域探訪』では、国語科・社会科の教員の指導のもと、学校周辺の寺院や名所を巡りながら、久我山の地理・歴史・文化などを学びます。この学習の後、生徒が各自、テーマをひとつに絞ってレポートにまとめることになっているのですが、そのときも図書館授業を使い、図書館の資料を調べて、知識や情報を得るようにしています。また、中学3年の社会科では、生徒全員が大学の卒業論文に当たる『修学論文』を書くのですが、ここでも〝テーマ決め〟から資料探しまで、図書館を大いに活用するように指導しています」

 昨今は、文献に当たるよりも、パソコンのインターネットで手早く検索して情報収集するのが当たり前のようになり、学校の授業でもパソコンの使い方の指導に重きが置かれるようになっています。しかし、そんな時代だからこそ、「あえて書物に当たりながら、時間をかけて知識を得ることにこだわりたい」と濵先生は強調します。

「インターネットの情報は発信者の責任所在が不明確なことが多く、信頼性に欠ける場合がありますが、本には必ず奥付が載っていて、誰がいつ書いたか、どこの出版社が発行したかが明記されています。〝責任編集〟されているという点において、情報の重みが違うといえるでしょう。生徒達には、お手軽な情報に振り回されるのではなく、図書館の本を1冊1冊開いて目を通しながら、〝知の世界〟を広げ、かつ深めていってほしいと思います」

授業レポート本の世界に浸れる歓びを味わってほしい

 この日、見学させていただいたのは中学1年女子部のクラス。テーマは自由読書でした。濵先生が「読みたい本を自由に探しなさい」と指示を出すと、生徒達は一斉に立ち上がり、思い思いの棚へと足を運びました。本を選ぶ時間は20分間。パソコンでお目当ての本を探す生徒、絵本を広げて友達と語り合う生徒、アンネ・フランクの本を数冊抱えて、どれにしようか迷っている生徒もいました。

 選び終わると、自分の席に戻り、黙々と文字を目で追いながら、本の世界に入り込んでいきます。そこには、濵先生の言う「何にも邪魔されずに本の世界に浸れる贅沢な時間」が流れていました。

「図書館授業の本来の目的は、生徒が読書に親しめるようにすることです。好きな本を読んでいいのですが、国語の授業で、教科書に出てくる作家のエピソードなどを私が話すと、次の図書館授業では、その作家の本を手に取る生徒もいます。生徒の読書の幅を広げるために、教員が普段から"種まき"をしてあげることが大切だと感じています」
(濵先生)

 中学2年以降、図書館授業はなくなってしまいますが、1年間読書に親しんだ生徒達は、その後も図書館に通い続けるそうです。

7万冊以上の蔵書がある図書館7万冊以上ある蔵書のなかから、「自由に選んでいいよ」と言われ、目を輝かせる生徒達。
本を選ぶのも楽しみのひとつ。読みたい本がなかなか決まらなくて、友達と相談する生徒もいました。
本を読んでいるときの生徒のまなざしは真剣そのもの。みんな自分だけの世界に入り込んでいるようでした。

(この記事は『私立中高進学通信2014年9月号』に掲載しました。)

進学通信2014年9月号
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