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私立中高進学通信

2014年7月号

校長が語る 思春期の伸ばし方

東京女学館中学校

とを豊かに結びつけよりよい社会を築ける女性

入学式

中学3年の沖縄修学旅行。旅行委員の生徒が中心となり、準備から実施まで生徒主体で運営されます。

思春期の女子は集団のなかで成長する
福原孝明 校長先生福原孝明 校長先生
プロフィール
1951年生まれ。群馬県出身。学習院大学文学部卒業。卒業と同時に、東京女学館中学校・高等学校にて社会科教諭として勤務。2000年に教頭、2002年に校長に就任。2006年より、学校法人東京女学館理事長を兼任。現在も、高校3年の選択倫理を担当している。

――子どもの成長過程において、
思春期はどのような時期だと言えますか。

 思春期とは、自我が芽生え、自立をめざすようになる時期です。小学生の頃までは、自分の目標を父親や母親と考えていた子どもが、自分自身を友達に投影して見るようになります。そこで、友達と自分を比較してコンプレックスを持ったり、不安を感じたりして不安定になりますが、心の成長過程の大切な段階ですから、周囲の大人が温かく見守る必要があるでしょう。

――女子に特徴的な傾向はありますか。

 女子は男子よりも、「集団のなかで成長する」傾向が強いと言えます。中高生の女子は、同性の友達との結びつきが強いですよね。仲の良い友達と同じクラブに入ったり、同じものに夢中になることで、仲間意識を持ちます。そして、互いに協力したり、切磋琢磨したりしながら、成長しあうのです。思春期の女子にとっては、一緒に時間を過ごせ、何でも語りあえる友達関係を育むことが大事だと言えるでしょう。本校では、そのことを踏まえ、生徒が仲間意識を高められるような教育環境を整えることに努めています。

人間相互の力を結びつけるリーダーシップの形成を
思春期の課題
  1. 人としての品性を高め、
    真剣に学ぶことで真の教養を身につける
  2. 集団のためになすべきことを
    的確に判断する力を養う

――学校が子どもの成長に果たせる役割は何でしょうか。

 本校の教育のモットーは「品性を高め、真剣に学べ」ということです。大切な成長期の生徒さんを預かる学校が果たすべき役割は、彼女らに深い教養に裏づけられた品性と、的確な分析力、判断力、行動力を養うための確かな学力をつけさせることだと考えています。生徒がさまざまな学びの場を通して知性を磨き、真の教養を身につけられるようになることをめざしています。

――特に力を入れている取り組みはありますか。

 人と社会に貢献できる女性の育成を教育目標に掲げ、「リーダーシップ教育」に力を入れています。これからの時代は、人と人とを豊かに結びつけ、よりよい集団や社会を構築できる力が求められます。この力を本校では「インクルーシヴ・リーダーシップ」と呼んでいます。リーダーシップと言っても、単純に人の先頭に立つことを指しているのではありません。集団全体を包括的に見て、自分が何をすべきかを的確に判断したり、仲間に声を掛けて協力を促したりする力のことです。

 そうした力をつけるために、本校では、行事や生徒会活動は、生徒自身が実行委員会をつくって主体的に企画・運営していく形をとっています。例えば、中学3年で実施される修学旅行も、2年生のうちに旅行委員長・副委員長を決め、その生徒が中心となって旅行の企画、準備から実施までを取り仕切ります。教員もサポートしますが、主体となって運営するのはあくまで生徒です。

 こうした「リーダーシップ教育」に取り組み始めて十数年になりますが、年々、生徒の表情が明るくなり、積極性も芽生えてきていると感じています。また、いろいろなことに意欲的に取り組もうとする生徒も増えてきました。

アイデンティティを尊重する子育てを

――思春期の子育てについて、保護者にアドバイスをいただけますか。

 親に反発することもあると思いますが、子どもが最後によりどころとするのは、やはり親です。そのことは、常に心に留めておいてほしいと思います。そして、子どもが生まれたときのこと、赤ちゃんだった頃のことを時々思い返して、話してあげてください。自分がどんなふうに生まれてきて、家族からどう迎え入れられたのか。幼い頃、自分が何をして、そのとき家族がどんな反応をしたのか。そうしたことを子どもは知りたがっています。これは、自分の存在やそのあり方を確認することなのです。自分のアイデンティティをしっかり持てる子は、親の存在を背中に感じながら、前を見て、自分の足でしっかり進んでいくことができるはずです。

生徒もクラスも成長する「研修旅行」
「研修旅行」中のスピーチの様子「研修旅行」中のスピーチの様子。真剣な友達の言葉に、感極まった生徒が泣き出すこともあるそうです。

 高校1年生を対象に、毎年5月に実施される2泊3日の「研修旅行」も、進路委員の生徒が中心となって企画・運営する行事のひとつです。合宿のメインは、クラスごとに分かれて行う、自分の将来についてのスピーチです。進路委員は、自分のクラスのスピーチを盛り上げようと、仲間に働きかけて意欲を引き出すことに努めます。個々の生徒の成長だけでなく、クラスとしての成長も見られる貴重な機会と言えます。

(この記事は『私立中高進学通信2014年7月号』に掲載しました。)

進学通信2014年7月号
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