中学受験の準備や入試の費用、そして入学後にかかる費用など、教育に関するお金について、先輩ママに伺いました。
Nママ
私立男子進学校・高1のママ。上に国立中高に進学した長女がいる。
中学受験にかかった費用はどのぐらいでしたか? 通塾年数と塾にかかった総額を教えてください。
Nママ
3年間の通塾と最後の2カ月の家庭教師費用、夏や冬の勉強合宿を含めて、総額270万円ぐらいかかったと思います。
入試に関する費用はいかがでしたか?
Nママ
うちは、5校受験し、ダブル出願もしていたので、受験料だけで13万円ほどです。そのほか、交通費や雪対策のための宿泊などで、合計4万円ほどかかりました。
雪対策にもお金がかかるのですね。合格後納付する入学金など、初年度校納金はどのぐらいでしたか?
Nママ
入学金と合わせて107万円ほどでした。息子が入学した学校の校納金の額は、他の候補校よりほんの少し低かったです。それは学校選択の理由の一つになりました。
寄付金はありましたか?
Nママ
強制ではありませんでしたが、初年度は納めました。学校経営を円滑に進めていただくために、寄付金は必要だと思ったからです。ただ、上の子が通った国立中学校の寄付金(任意)1口の額と比べると何十倍という金額だったので、明確な使い道を提示してほしいと思いましたね。
入学後に想定外の出費はありましたか?
Nママ
部活動に関する費用がけっこうかかりました。息子は山岳部に入ったので、登山用の靴やリュック、レインコートなどを購入しましたが、思いのほか高額でした。びっくりです。
家計において、私学に関する費用の負担感はどのようなものですか? また、費用捻出のためにされていることはありますか?
Nママ
正直、私学に通わせるのはなかなか大変だなと感じています。以前からわが家は夫婦共働きです。
現在、お子さんに直接かかる費用はいかがでしょう。
Nママ
通学定期と自転車駐輪場代を合わせて3カ月で3万4千円ほど、部活動費が年間1万2千円(合宿代は別途、約4万円)、小遣いが月3千円で、それとは別に文具と書籍代が月2千円、スマホ代が月1500円程度です。
習い事や塾には通われていますか?
Nママ
ピアノと塾に通っています。ピアノは月約1万円、塾は月4万円ほどかかります。
お伺いしていると、お子さんの教育費用はかなり高額のようですね。私立に通わせるとお金がかかると言われますが、それでも私立中高を選んだのはなぜですか?
Nママ
地元の公立中学校に進学する選択肢もありましたが、「公立は内申に振り回される」と聞き、私学で6年間じっくりと勉強や部活動に打ち込める環境を子どもに与えたいと思いました。また、先取り学習など、私学の授業内容の質の高さに魅力を感じたこともあります。
実際に私学に入学されて、その選択をどう思われていますか?
Nママ
私学を選んで良かったと思っています。息子はこの学校で、進んで学習する態度を身につけ、自分の将来について真剣に考えるようになりました。また、向上心をもった友達に恵まれ、刺激を受けています。
教育にお金をかける価値とはなんでしょう。
Nママ
「人生の幅が広がる」ということではないでしょうか。
Sママ
私立女子進学校・高1のママ。お子さんは一人っ子。
中学受験のためにかかった費用はどのぐらいでしょう。
Sママ
小4の5月から通塾を始め、塾の費用は全部で230万円弱かかりました。そのほか日々の通塾のバス代が片道100円(帰りは車で迎えに行っていました)。小6の時に参加した20日間の夏期講習はいつもより遠い校舎で行われ、交通費が1日500円と、荷物を減らすために塾で頼んだお弁当代が1日600円かかりました。学校説明会や文化祭などの学校見学や、模試の日の交通費と食事代もけっこうかかっていたと思います。
入試にかかる費用はいかがでしたか?
Sママ
受験料は1校3万円前後で、5校受験。交通費はトータル1万円ぐらい。願書用の写真が7千円。インフルエンザ予防接種が家族3人で9千円でした。また、面接のある学校を受験したため、デパートでブレザーなど一式買い、約7万円使いました。セールをしていたので、受験に必要のないコートまで購入。金銭感覚が少しおかしくなっていたのかもしれません(笑)。
合格後の校納金についてはいかがでしょう。
Sママ
入学金、授業料、施設維持費、後援会費を合わせた初年度校納金は、101万円ぐらいでした。6年間払っていく授業料などの金額は、学校選びの際の重要項目の一つでしたね。
制服などの費用もかかるのではありませんか?
Sママ
そうですね。制服は合服と夏服で約9万円、体操服が約3万円、上履きや体育館履きが合わせて1万円ぐらいです。さらに、秋ごろに冬制服とコートを約6万円で購入しました。
現在、お子さんに直接かかる費用はどのぐらいですか?
Sママ
定期代が半年分で約7万円。スマホ代が月5千円。塾前の腹ごしらえとしての飲食費が月5千円。部活動は会費などはありませんが、楽器購入費用がかかりました。また、合宿代が約2万円かかります。小遣いは、学年ごとに500円増やし、現在は3500円。漫画や音楽ダウンロード、プリクラ、友達への誕生プレゼントなどに使っているようです。
塾や習い事などの費用はいかがですか?
Sママ
塾に通っています。月謝が5万円と、季節講習が5~7万円ぐらいかかります。
学校の宿泊行事の費用はどのぐらいでしょう。
Sママ
中学校の修学旅行代は8万円弱でした。その他の宿泊行事は6万円ぐらいですね。
在学中に留学する可能性はありますか?
Sママ
本人が強く希望すれば行かせたいと思っていましたが、新型コロナの影響で中止になりました。
お金がかかると言われる私学を選んだ理由は何でしょう。
Sママ
多感な中高時代に、部活動など興味あることに打ち込んでほしかったことと、将来は個人の能力や個性がより重視される世の中になると思われるので、高度で安定した教育を受けさせたいと思ったからです。また、私学は似たような家庭環境の生徒が集まるので安心して教育を受けられ、個人へのフォローがしっかりしていることも魅力です。入学してみて、教育内容や施設が充実していることを実感し、この選択は間違いなかったと思っています。
Mママ
私立共学進学校・高3の長男と、別の私立共学進学校・中3の次男のママ。
中学受験のための塾の費用はどのぐらいかかりましたか?
Mママ
長男は約3年間通った集団塾に約270万円と、最後の1年半併用した個別指導塾に約60万円で、合計330万円ほどかかりました。次男は、集団塾と個別指導塾を合わせて約300万円です。長期休みの講習や合宿、定期テストなどの費用も含みます。
そのほかに、受験の時期にかかった費用はありますか?
Mママ
塾の先生の勧めで、科学館や博物館に出かけたり、地理の勉強を兼ねた旅行をしたりしたので、その出費がありました。また、子ども新聞や漫画で読む歴史や理科、国語(ことわざなど)の本にもお金を使いましたね。
入試にかかわる費用についてはいかがでしたか?
Mママ
長男は7校受験で受験料は合計18万円ほど。次男は、4校受験して合計約13万円でした。ほかに、受験の都度、交通費や外食費がかかりましたね。願書に貼付する写真は写真屋さんで撮り、費用は3千円ほどでした。
入学した学校に納める初年度校納金はどのぐらいでしょう。
Mママ
長男の学校は、入学金と合わせて約115万円。次男のほうは約90万円で、別途、英検や数検などの検定料や、学期ごとに教材費などの支払いがありました。
学校によって校納金の額には違いがあるのですね。家計における授業料等の負担感はいかがですか?
Mママ
小学生の時は通塾やほかの習い事をしていたので、その費用が、私学の授業料に変わったという感覚です。
私学の修学旅行や宿泊行事などには、どの程度費用がかかるのでしょう。
Mママ
長男の学校は、中3で約1週間の海外研修旅行があり、36万円ほどかかりました。入学直後から2年間、毎月1万5千円積み立てるシステムでしたね。研修旅行は、現地大学生との交流やホームステイなど、短期間で充実した経験ができて有意義でした。
次男の学校は、国内の研修旅行が2泊3日で8万5千円ほどでした。学校の特色である宗教の教えに基づいた体験カリキュラムもあり、貴重な機会になりました。また、選択制で海外研修の制度もあり、成長できる良い機会なので、本人が望めば3カ月の留学をさせたいと考えています。費用は130万円ほどのようです。
お子さんたちの学校に、公立よりもお金がかかると言われる私立を選んだ理由はなんでしょう。
Mママ
小学生の時とは異なり、たくさんの友達と出会い、のびのびと手厚い教育を受けられることですね。また、私学は、教育理念やカリキュラムなどが学校ごとに異なるので、本人に合う学校を選べて、より充実した6年間を過ごせると思いました。これからの時代に必要なスキルを身につけるための幅広い教育に、お金をかける価値はあると考えます。
実際に入学してみて、どのような感想をおもちですか?
Mママ
2人とも私学に進学させて良かったと思っています。長男は5年間、部活動も充実していました。心配なことがあっても相談しやすい雰囲気で、先生がしっかり向き合ってくださいます。次男も、入学当初から中3になった今でも、毎日学校に行くのが楽しいと言っています。行事や特別授業などお金がかかることもありますが、それだけ幅広い経験ができるので得るものは多く、視野も広がります。こうした経験が、将来の方向を決める良いきっかけにもなっていると思います。
ライター りさママより
「私立中高に通わせるにはお金がかかるけれど、それに見合う教育が受けられている」と、先輩ママたちは実感されているようでした。教育というプレゼントを、お子さんに贈ってあげたいですね。