勉強があまり得意ではなかった私が高校生活で目標にしたのは、自分の得意分野を見つけることでした。そのために簿記を学べる商業高校を選んだのですが、高校に入学して初めて経験する簿記の勉強はとても難しいものでした。でも、勉強して簿記が理解できたとき、今までにない達成感を得ました。
勉強と部活動を両立できたことも自分の自信につながっています。私は硬式野球部の部長を務めていましたが、「勉強も部活動も人に負けたくない」という負けず嫌いの一心で両立できたのだと思います(笑)。硬式野球部の部長として70人近い部員をまとめた経験は、教員の仕事にも活きています。
勉強を続けて成績が上がると、もっと頑張ろうというモチベーションも上がります。簿記の資格試験に合格するたびに自信がついて、高3では全商簿記1級を取得することができました。今の教え子たちは、私の時代よりもさらに多くの資格試験に挑戦しています。それは私と同じように、一つひとつの学びに達成感を感じているからではないでしょうか。
高3のとき、商業科の教員免許を取ろうと思って大学の学部選びをしました。その理由は、勉強が苦手だった私に勉強の面白さを教えてくれた商業科目を、今度は自分が次の人たちに伝えたいと思ったからです。
大学受験に向けて、先生やクラスメートと志望理由書を書いたり、面接練習をしたりと、楽しい思い出がたくさんあります。担任の英語の先生が「面接では自分のことを存分にアピールしてきなさい。栫くんは自分のやってきたことをしっかりと語れたら大丈夫」と励ましてくださったのを覚えています。
大学卒業後、一般企業の営業職も経験して母校に戻ってきました。民間企業に勤めたのは、商業科で実学を教えるためには社会経験が必要だと思ったからです。教員になってからは「毎日の勉強は試験のために行うものではなく、社会で必要な力をつけるために学んでいるんだよ」という話をよくしています。
夏休みを迎えた今は、夏期講習や総合型選抜入試の出願に向けた準備をしています。生徒一人ひとりが自信をもって社会に出ていけるように、全力でサポートしたいと思います。