『GCP』の授業を受けた2年生、竹内駿人さんと森井まのさんにも話を聞きました。建学の理念『人間愛』にひかれて同校に入学したという竹内さんは、『IDENTITYお手玉』に静かな公園の絵を描きました。穏やかな性格を表現したかったそうです。
「この授業を受けて、僕が大きく変わったと感じる部分は、周りを広く見渡せるようになったことです。たとえば、中学生の時に知っている職業は限られていましたが、今は数多くあることはもちろん、それら一つひとつの内容を深く知りたいと思うようになりました。そして、多岐にわたる職業があるなかで、以前から憧れていた鉄道関係の仕事が社会に大きく貢献できることに改めて気づいたのです。この仕事に就きたいという気持ちが、今はいっそう強まりました。また、英語以外の外国語にも関心がわくなど、海外に向けて興味の幅も広がっています」
こうした竹内さんの成長が『クリエイティブ・チャレンジ』を実りあるものにしようとしています。竹内さんはSDGsの達成目標にある『人や国の不平等をなくそう』『平和と公平をすべての人に』に強く共感。その探究活動に励もうとしているのです。
森井まのさん(高2)
一方、森井さんはお兄さんが同校の卒業生ということもあり、両親から勧められて入学したといいます。森井さんは『IDENTITYお手玉』に筆の絵を描きました。書道部に入っていることを伝えようとしたのです。
「『GCP』では、英語の間違いを気にすることなく、自分の主張や考えを自由に述べられるので、表現力が豊かになった気がします。また、友達一人ひとりに個性があるように、世界にもさまざまな価値観や文化があり、それらを受け入れることがいかに大切であるかを学びました。先入観を捨てて物事を判断することの重要性にも気づきました」
そう話す森井さんの将来の目標は、看護師になること。そこで『クリエイティブ・チャレンジ』では、福祉や医療について探究したいそうです。
「今はコロナ禍で難しいと思うのですが、福祉の仕事に就いている方や医療従事者の方の苦労を現場で体験し、待遇の改善などに貢献できたらと考えています。そして看護師になる夢がかなった時、『GCP』や『クリエイティブ・チャレンジ』で学んだこと、身につけた力をチーム医療に活かしていきたいと思います」
グループに分かれ、切り取ったお手玉を集めてシャッフル。
生徒同士で誰がどのお手玉を描いたのか当て合います。
GCPの授業では、ジョナサン先生の呼びかけに応じ、生徒たちはお手玉のイラストに自分のアイデンティを形成する国籍や場所(生活圏)、性格、趣味などを絵にして描き入れます。
各グループを巡回しながらアドバイスを送るジョナサン先生。
GCPの授業では原則として英語を用いますが、コミュニケーションが目的なので日本語を使ってもかまいません。タブレット端末もコミュニケーションに活用しています。