東京家政学院高等学校には『リベラルアーツコース』と『アドバンストコース』の2コースがあります。高2からはさらに6コースに分かれ、志望に合わせて選択します。進路・進学指導の特色について、進路指導係の佐藤恵理子先生にお話しを伺うとともに、今春、同校を巣立った4人の卒業生にインタビューしました。
東京家政学院高等学校には『リベラルアーツコース』と『アドバンストコース』の2コースがあります。高2からはさらに6コースに分かれ、志望に合わせて選択します。進路・進学指導の特色について、進路指導係の佐藤恵理子先生にお話しを伺うとともに、今春、同校を巣立った4人の卒業生にインタビューしました。
「本校のコース制の特色は、1年次は全員が『リベラルアーツコース』と『アドバンストコース』に分かれて履修します。2年次からは希望進路に合わせて『リベラルアーツコース(文系)』『リベラルアーツコース(理系)』『アドバンストコース(文系)』『アドバンストコース(理系)』『家政・児童進学コース』『管理栄養進学コース』の全6コースからいずれか1つを選択して学んでいきます。
現在のコース編成に舵を切った3年前に入学した新コース1期生が、今年の春に卒業しました。それぞれが希望する進路を実現させ、夢に向かって大学生活をスタートさせています」(佐藤先生)
同校の教育の特色として、「少人数制による学習環境」「高2からのコース選択の自由度」「大学進学準備の安心度」が挙げられます。各コースの特色を見ていきましょう。
「リベラルアーツコース」は、文系・理系ともに選択科目が充実しており、高1で全科目の履修が終わると、高2以降は文系・理系で選択科目が大きく変わるのが特徴です。「探究系の科目」を多く設置し、広い視野で進路を見据え、身につけておくべき力を養います。また、総合型選抜、学校推薦型選抜入試での大学進学を視野に入れた基礎学力重視の授業を展開し、多様化・複雑化する入試形態に対応した、一人ひとりにふさわしい進路選択をサポートしていきます。
「アドバンストコース」もリベラルアーツコース同様に、高2以降は文系・理系に分かれます。応用力・対話力を磨く「演習系の科目」を多く設置し、一般選抜入試に対応できる確かな学力を養います。とくに英語の授業は最大で週9時間を確保。夏期・冬期・春期の長期休みには特別講習を開き、幅広い科目で入試問題演習に取り組みます。高1を対象とする総合型・推薦型入試対策にもなる「ニュース検定対策講座」も開講されます。
「家政・児童進学コース」では、衣食住を広く学ぶので、服飾や食物に興味のある生徒も多く存在します。東京家政学院大学に進学した卒業生のなかには、大学で幅広い衣食住の学問を学ぶうちに、当初とは異なる自分が本当に興味のある分野を見つけて将来につなげる人もいるそうです。
「管理栄養進学コース」では、進学後にも役立つ知識・技術を重視しています。理科の実験は、基本的に1人で1つ行い、操作の意味や考察について深く考えます。また、家庭科の授業は他コースよりも多めに設定されており、調理実験などを行っています。国家資格である管理栄養士の資格取得は狭き門なので、同じ目標をもつ仲間と情報交換し、励まし合いながら学びます。東京家政学院大学の人間栄養学部は、管理栄養士の国家試験において毎年高い合格率となっています。そこで学ぶ実力を養うため、きめ細かな実習を行っているのが特徴です。
「『家政・児童進学コース』には現代生活学部への、『管理栄養進学コース』には人間栄養学部(管理栄養士養成)への推薦優先権があります。新コースの1期生は、他大学の管理栄養学科や家政系、保育・幼児教育系を含めて、ほとんどが志望通りの進路に進みました。両コースの生徒たちは、高校に入学するときから進路目標をしっかりともち、3年間で自分の興味・関心を深めていけたのだと感じています。
本校での進路プログラムを通して、いろいろな大学で学べる内容を知り、東京家政学院で自分に合ったコースを見つけ、より良い進路設計をしていってほしいと考えています」(佐藤先生)
1クラスが20〜25名という少人数での指導は、進路についても細やかさが発揮されます。志望と進学先のミスマッチが起こらないよう面談を綿密に行うので、卒業生が志望を叶えたエピソードも豊富です。
たとえば昨年度、立命館大学に進学した生徒は、大学で持続可能な都市システムづくりを学びながら、中高時代に所属していたバドミントンを大学でも続けたいという希望をもっていました。立命館大学のバドミントン部は関西リーグで常に上位の成績を残す強豪校です。そこで高校では勉強と部活動を両立しながら、同大学の理系学部に合格を果たしました。
また、学校推薦型選抜で法学部に合格した卒業生は、ジェンダー格差問題をSDGs探究のテーマに取り上げていました。探究学習で研究や発表を繰り返しながら自己表現のスキルを身につけ、大学受験に活かす生徒もいます。
美大進学を志望する生徒には、美術部顧問の先生がコーチとなって受験をサポートします。昨年、武蔵野美術大学に進学した卒業生は、文化祭のウエルカムゲートをデザインするなど、学校生活の中で実技を磨いていきました。
「大学が受験生に求めるものは、志望理由はもちろん、入学してから何を学びたいのかという目的意識だと強く感じます。生徒のなかには高3になっても、自分の興味・関心を見いだせず、将来の志望を思い描けない生徒もいます。そのようなときには、『まったく興味のない学部を見てごらん。本当にその分野に興味がないのか、あるいは将来興味がもてそうなのかを確認できるから』とアドバイスすることがあります。
オープンキャンパスに行くと、思いがけず興味を惹かれるものに出会うこともよくあります。また、学校や学部名を見ただけではわからないので、卒業生との懇談会や大学見学会を実施して、自分で進路を選択する機会も数多く設けています。『行ける進路先』ではなく『行きたい進路先』の選択に導くのが、本校の進路指導のポリシーです」(佐藤先生)
日本女子大学を受験した理由は、「家政経済学科」というこの大学にしかない学科があったからです。この学科では、私たちの身近な “生活の視点” と結びつけながら経済学を学ぶことができます。生活をするうえで、社会へ出るうえで必要な知識を得るために、この大学を受験しました。
東京家政学院では、推薦入試における「面接」の対策として、面接対策プログラムが用意されています。面接のプロである講師の方を学校に招き、実践練習をしていただくプログラムです。実践に近い形で練習ができるため、自分の課題が浮き彫りになり、修正点を把握することができました。
また、校長先生や担任の先生、部活動の顧問の先生なども面接指導をしてくださいました。特に自分のことをよく知っている担任の先生や顧問の先生からの指摘は、とてもためになるものでした。実際に面接を終えて、あの練習がなければ答えられなかった箇所がいくつもあったので、講師の方や先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。
アットホームで先生と生徒の距離が近いため、普段のコミュニケーションと共に勉強面での質問もしやすいところが、この学校の良い所です。私は高校生になってから、初めて先生に質問をしに行くようになりました。そうした環境が、私の大学合格に結びついたのだと思います。
私は内部推薦で東京家政学院大学を受験しました。受験方法は書類審査と面接でした。夏休みや放課後に校長先生や担任の先生、面接の講師の方が指導してくださり、受験当日は緊張することなく面接に臨めました。
私は高校時代、「家政・児童コース」に所属していました。家政・児童コースでは子どもの発達や「弾き歌い」などを教えていただきました。保育士に必要な基礎をたくさん教えていただけたので、大学入学前の高校から学べたことはとても良かったです。
私は手芸被服部と美術部に所属し、手芸被服部では部長、美術部では副部長、ほかには合唱祭執行部、花道の責任者も務めていました。部長や副部長、責任者の立場は苦労もありましたが、大人数をまとめる力が身につきました。
温かく信頼できる先生方に囲まれて過ごしてきた6年間は、とても充実していました。改めて東京家政学院に入学して良かったと思います。この学校のいいところは先生方との距離が近く、わからないところをわかりやすく最後まで教えてくださり、困ったことがあったら親身に相談にのってくださる先生方がたくさんいるところだと思います。
高校2年生のとき、探究学習で副リーダーを務めました。チームをまとめたり、支えたりすることは初めてで、最初はなかなかうまくいきませんでした。自分から話しかけたり、相手の意見に耳を傾け相槌をうったり、みんなが話しやすい雰囲気づくりをしていきました。
そうするなかでみんながそれぞれの強みや個性を発見し、自然とまとまっていきました。大学でもリーダーに立候補したり積極的に行動しています。高校時代の経験があったからこそできたのだと思います。
本校の少人数制できめ細やかな指導を受けられたことに、卒業してからより一層ありがたさを感じています。少ない人数だからこそ、学びを深めることができたり、挑戦する機会を多く得られたりするので、とても有益な時間を過ごせました。
キャリアについて考える学習やSDGsを通した探究活動など、刺激をもらえるプログラムが多くあることも本校の魅力のひとつだと思います。
受験期には多くの先生方が会う度に声をかけてくださり、応援してくださっているのを感じて心強かったです。手厚いサポートのおかげで受験に専念することができました。東京家政学院は、伝統を感じながら、生徒が主体となって活動できる環境であると思います。
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