2020年度から女子生徒を迎え、「社会で活躍できるグローバル人財の育成」などをミッションに共学校となった横浜高等学校。共学化に向けられた期待度は高く、2020年度の入試には多くの女子が受験しました。その結果、男女合わせて927名が入学しました。
新生・横浜高等学校の一期生となる新入生の内訳は、男子393名、女子534名。それぞれが個性や希望によってコースに分かれて学びます。コースは第一志望の大学への現役合格をめざす『プレミア』、勉強にも部活動にも打ち込める『アドバンス』、その道のエキスパートをめざす『アクティブ』の3コース。こうして2020年春には一貫生のクラスと合わせて26クラスが誕生し、昨年の4月には新入生の初々しい姿で入学式がにぎわうはずでした。
ところが、新型コロナウイルスの影響によって、この予定が大きく変えられてしまったのです。入試広報部長・教頭の館山和央先生は次のように振り返ります。
「2020年度は共学化とコロナ対応で、本校にとって特別な1年間となりました。まず、4月6日に行われた入学式では、保護者の方々を本校のグラウンドまでしかご案内できませんでした。新入生のみが体育館に集まり、そこから自分たちの教室に移動したのです。教室までの案内役は、野球部の部長を兼任する葛蔵造校長の意見により、野球部員たちが務めました。
甲子園大会に何度も出場している本校の野球部を応援したいという願いから入学を希望してくれた女子生徒たちが多く、その気持ちに応えたかったことが理由にあります。教室ではクラスメートや担任の教員と顔を合わせ、放送による葛校長の祝辞を聞いた後、すぐに解散となりました。感染防止対策のためです。
クラス全員での記念撮影も密を避けるために行いませんでした。代わりにグラウンドに『入学式』と書かれた看板を立てた撮影ポイントを数箇所に設置しました。ここで新入生が保護者の方々と一緒に写真撮影ができるようにしたのです。そして、その翌日には緊急事態宣言によって本校は休校になりました。このように新入生にとっても、新入生の入学を楽しみにしていた教員にとっても、非常に残念な1日となってしまったのです」