通常メニューに加え、週2日は校内の施設でフィジカルトレーニングも行っています。
体育館はエアコン完備。校内にはウェイトトレーニングができる設備もあります。
練習は16:00~18:30。体育館をメインに専用グラウンド、大学体育館を使用。
部員たちと良い距離感をつくるために、「部員全員と必ず話をしています」(池田先生)
「みんなで“やっていこう!”という雰囲気があり、楽しい活動ができています」(清古キャプテン)
2020年の全国選抜大会出場を勝ち取ったハンドボール部。現在部員は17名。
ハンドボールは“走って、投げて、飛ぶ”躍動感あふれるダイナミックなスタイルで、一度見ると魅了される人が多いといわれるスポーツ。同校のハンドボール部の歴史はおよそ半世紀。2019年は県の1年生大会で優勝、高校総体の県予選では3位となり、2020年の全国選抜大会の出場権を獲得(※大会は中止)するなど、目覚ましい活躍を遂げています。部のモットーは、「第一に学校生活」と顧問の池田憂輝先生(保健体育科)は言います。
「部活動は学校生活の一部であり、将来、社会に出て必要とされるための人間教育の場です。これは前任の増田敏雄先生から引き継がれている部の伝統です。そのためにも部員たちには、普段の学校生活において、「しっかりとした挨拶をする」「学校のルールを当たり前に守る」「学習への取り組み姿勢を持つ」と伝えています。たとえば誰かが何かを運んでいて大変そうな様子を見かけたら『僕が運びます』というように、人への心遣いや目配りができるようになるのも大切なことです。そのうえで常に感謝の気持ち、謙虚な心、強い覚悟を持ってプレーする。それがハンドボール部のめざすところです」(池田先生)
同部の活動は週6日(水曜休み)。主な練習メニューはストレッチに始まり、フットワーク練習、パス練習、シュート練習、シチュエーションを想定したオフェンス・ディフェンス練習、そして全体での攻防練習を行います。なかでもとくに重視しているのがパス練習です。
「ハンドボールで一番多く使う技術がパス、キャッチです。これがまともにできないとシュートまでたどり着けません。ボールを自在に扱うためにもボールハンドリング(ボールを巧みに扱い、把持する能力)は大事にしています」
練習は16:00~18:30までと決して長くはありませんが、絶えず声を出しながら、アグレッシブかつスピーディに動き回ります。その間、池田先生から指示が出されることはほとんどありません。
「最終目標は、部員たちがコートの中でゲームを組み立てて勝利へと結びつけることですから、普段の練習から『こうしなさい』というような指示はあまり出しません。その代わり『こういった局面ではどうすべきか、どうすればいいのかをみんなで意見をまとめて実践しなさい』と伝えています」
そんなところから生まれてくる、部員一人ひとりの自主性や発想が大切なのだとも言います。
「こちらが指示を出してしまうと、部員たちはロボットになってしまいます。もちろん、チームとして約束事をおろそかにした場合は厳しく言うことはあります。たとえば部員たちが映像などを見て、『あのプレーを取り入れてみよう』というように、チャレンジすることに関しては『いいね!』と声をかけ、受け入れています。部員たちの発想を大切にしたいのがその理由です。そうしたなかで『ハンドボールって楽しいな』『こんなプレーをしてみたい』という経験を積み重ねていき、それが勝利につながっていくと考えています」
練習中、常に活気ある声が響き合っているのも部のスタンスなのでしょうか?
「それは私の指導というよりも、キャプテンが中心となってそうした雰囲気を作っているからでしょう。部員たちは素直で一生懸命です。近年は好成績をあげることができていますが、『自分たちは強いのだ!』ではなく、謙虚さを持って取り組んでいることも、良い雰囲気を作っているのだと思います」
高い集中力と活気ある練習風景。同部の飛躍の理由を垣間見た気がしました。
めざすのは、自分たちの目標や考えをプレーで体現して、全国大会で勝負できるチームになることです。そのためにもチームを盛り上げる声と、時には厳しく周りを鼓舞するような声かけを意識しています。プレーとして大事にしているのは、ディフェンスです。そこから速攻を仕掛けて点を取り全員で喜ぶ。そこからまた守って、走って、ベンチも含めて、ユニフォームを着られなかった部員も含め、全員で声を出して戦い合うのが二松柏ハンドボール部のスタイルです。
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