時間を忘れ夢中で制作を続ける生徒たち。
資料を基に下描きからスタート。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」をテーマに、お世話になった先生方を描きましした(高1)。
校長先生を囲んで記念撮影
中学生の優秀作品(中3)
高校生の優秀作品(高3)。ネコの瞳の表現が秀逸!
校長先生から生徒たちへ、労いと称賛の言葉とともに表彰、記念品などが贈られました。
黒板消しで作品を消す瞬間もていねいに。
女子美術大学付属高等学校では、2020年11月1日(日)に各教室の黒板が取り外され、ホワイトボードが設置されました。感謝の気持ちを込めて「黒板アート」を施し、女子美らしいカタチで長い間お世話になった黒板に別れを告げようと、工事前日の10月31日(土)、放課後に『黒板アート大会』が開催されました。
「本校にとって、黒板は単なる伝言板ではなく、授業以外でも大活躍しています。生徒と教員がお互いにメッセージを伝え合う心の触れ合いのツールでもあるのです。入学式、卒業式、誕生日など、教員から生徒へ、生徒から教員へ『おめでとう』『ありがとう』を伝える機会がたくさんあります。特別な日に限らず、女子美生と教員は日常的に黒板一面に自分の伝えたい気持ちをチョークで表現しています。
本校は美術を特色としている学校ですので、アナログの部分がかなり多くあります。一方で、1人1台のiPadや電子黒板の活用が進んだことにより、学習効率が上がり、調べ学習やプレゼンテーションなど生徒主体の新しいスタイルの授業や学習も積極的に行われています。
今回、電子黒板を最大限に活かすため、黒板をホワイトボードに取り替えることになりましたが、生徒や教員からさまざまなメッセージを託され、役立ってくれた黒板とお別れするのは寂しい気持ちもあります。そのような思いで、副校長が中心となって『黒板アート大会』を企画しました。10月14日(水)に急きょ開催が伝えられ、参加者募集を開始したところ、お世話になった黒板にありがとうの感謝を伝えたいと、中1から高3まで約10クラスの希望者が応募してくれました。生徒たちは約90分間という短い制作時間を精いっぱい使って、黒板アートに取り組んでいます」(ICT教育推進委員長/山田大祐先生)
当日は、事前に考えてきた原画を基に、生徒同士で意見を出し合いながらクラスメートと共同で制作に取り組みました。精いっぱい腕を伸ばし、背伸びもしてダイナミックな線を描いたり、指先でこすったりたたいたりして質感や色調を調整したり、顔と身体を黒板に近づけて緻密な描写をしたり、ときには少し離れて遠くから作品を眺めてまた修正を加えたり……と、全身を使って見たり考えたりしながら作品制作に打ち込んでいました。
生徒たちの熱意をくんで制作時間は約30分間延長されました。時間を忘れ、夢中になって手を動かし続けた約2時間の制作時間が終わると、次は作品鑑賞の時間です。校長先生も含めた先生方や参加した生徒たちがお互いの教室を回って作品を見比べ、隅から隅までじっくり眺めました。作品鑑賞のために教員や生徒たちが各教室を行き交い、感想を述べ合い、まるで特別なイベントのように校内は熱気に包まれました。
最後に校長先生から中学・高校それぞれの優秀作品の発表があり、受賞したチームには記念品が贈られました。作品鑑賞と表彰が終わると、作品を制作した生徒たち自身の手によって黒板アートはきれいに消し去られます。名残惜しいけれど感謝の気持を込めて、ていねいに黒板消しで拭き取られ、まっさらな状態になりました。楽しそうな生徒たちの様子から、アートに彩られたワクワクがいっぱいの学校生活を垣間見ることができました。
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