京華女子高等学校の進路・進学目標は「志望校を進学校にする」。大学合格だけを目的とした進路選択ではなく、自分の将来を考えた進路選択をしてほしいとの思いがあります。
秋にはさまざまな先輩たちが学校を訪れます。講演や体験談を話してくれるのは、就職活動を始めた大学3年生、卒業から約半年を経た大学1年生たちです。受験を終えたばかりの高3生が受験勉強について語った年もありました。
2020年度は社会人1年生のOGが、文系・理系選択を目前にした高1生に向けて進路講話を行いました。
京華女子高等学校の進路・進学目標は「志望校を進学校にする」。大学合格だけを目的とした進路選択ではなく、自分の将来を考えた進路選択をしてほしいとの思いがあります。
秋にはさまざまな先輩たちが学校を訪れます。講演や体験談を話してくれるのは、就職活動を始めた大学3年生、卒業から約半年を経た大学1年生たちです。受験を終えたばかりの高3生が受験勉強について語った年もありました。
2020年度は社会人1年生のOGが、文系・理系選択を目前にした高1生に向けて進路講話を行いました。
11月に行われた「卒業生による進路講話」は、2015年度の卒業生が2人1組になって4教室を回りました。1クラスで約10分間、現在の仕事の内容や、なぜその仕事を選択したのか、進路の方向性を決めた時期と理由、高校時代に頑張ったことなどを話しました。
食品関連企業に勤める松尾京佳さんは、「高校生のうちに勉強も学校生活も一生懸命やってほしい。生活も勉強も自分でコントロールしなければならない大学生活は、高校時代に取り組んだいろいろな経験が活きるから」と、高校生が今やっておくべきことについて話しました。
保育士として働く原田萌々華さんは、高3時の職業体験で制作した絵本を、今でも仕事で使っているそうです。「私は日頃から試験用のノートを作っておきました。日頃の授業を活用して、自分なりのやり方を見つけてください」とのアドバイスは、高1生たちに有用なものとなりました。
東洋大学大学院に在籍中の上坂紋菜さんは、好きな和歌を伝えたくて文学研究科に進学したそうです。「高校時代にいろいろな教科を勉強するのは、自分が熱中できる何かを見つけるため。熱中するものがあると、大学生活は充実します」と語りました。
シンガポールに留学経験のある亀井あすかさんは、食品商社でバイヤーを務めています。「人生にはいろいろなことが起きます。つらいこともあるでしょう。でも、つらいときに支えとなってくれるのは、自分の好きなことです。文理選択に迷ったら、“自分の好きなことは何だろう?”と考えてみてください」と、文理選択に迷う高1生を励ますアドバイスを送りました。
各クラスを巡ったあと、グループに分かれて後輩の質問を受け付ける分科会が行われました。真剣な表情で先輩の話に聞き入る高1生たちが今の迷いを話して先輩からアドバイスをもらったことで、清々しい顔になる生徒もいます。
終了後、4人のOGがインタビューに応じてくれました。
京華女子は先生のサポートが手厚い学校でした。在校時にお世話になっただけでなく、卒業してからも就職活動に関するアドバイスをいただきました。
部活動はバドミントン部に所属して、男子校である京華高等学校の体育館を借りて練習していました。強い部ではなかったけれど、仲が良くてとても楽しく活動していました。
後輩たちは、文系・理系選択のほかにも、「警察事務」について興味・関心をもってくれました。私は社会の役に立つ仕事として警察事務に就きましたが、警察官以外にも事務職で警察官を支える仕事があることに驚いていたようです。神奈川県警は30歳になると昇任試験を受けることができます。それまでにさまざまな経験を積んで、仕事の幅を広げたいと思います。
看護師の仕事を選択した私ですが、高校時代は理系の科目が苦手でした。乗り越えられたのは、一般受験をめざして団結し、一緒に勉強した仲間がいたからです。
高校時代には、小児ボランティアや看護体験、警察のボランティアにも参加しました。いろいろなものに興味があるのに、「自分は理系が苦手」などと決めつけて挑戦しないのはとてももったいないこと。それが後輩たちに一番伝えたかったことです。
現在、私はICUに勤務しています。患者さんの状態が改善する現場に立ち会えることがやりがいで、理系の勉強が苦にならないくらいの喜びがあります。コロナの影響で、医療関係の仕事は「興味がある」だけではできない務まらない仕事だと実感しています。これからもいろいろなライセンス取得に挑戦して、集中治療に特化した看護師をめざします。
高校時代に一生懸命になっていたのは、硬式テニス部と箏曲部の両立と、友達とたくさん語り合うことでした。
女子校は気取ることなく、自分の好きなことを追究して、素直に個性を出せるのがいいところです。友達も個性的な人が多くて、アニメ・声優・映画・ゲームなどさまざまな「オタク」がいて、情報交換や情報共有をしていました。大学も京華女子と同じような雰囲気の駒沢女子大学に進みました。
大学で勉強したかったのは心理学です。「卒業生講話」でも、心理学部についての質問が多くて、「自分の好きなこと1本に絞ってもいいのだろうか?」「もっと広い学問を選んだほうが、将来のためには有利だろうか?」という質問がありました。私は高校時代に、そこまで突き詰めて考えていたのだろうかと思うくらい、後輩たちは真剣でした。
営業という仕事にも、大学で学んだ心理学は活きています。また、数学が得意だった私は高校時代には理系を選択していたので、個性的な車のメカニックに触れられるのも楽しいです。これから先、もしかしたら営業職ではないかもしれませんが、バリバリ仕事をして経験を積んで、自らの足で立って歩いていける自分でありたいですね。
高校時代に所属していた演劇部は、いいときも悪いときも、頑張る力を与えてくれる部活動でした。部活動に早く行けるように勉強を頑張ったり、嫌なことがあっても部活動の仲間たちから元気をもらったりすることができました。
京華女子の演劇部は、戦争を題材にした舞台を創ることが多かったように思います。そのとき学んだ歴史や文化は、社会人になっても役立っています。人と話すときにも、相手のバックグラウンドを考えることができるようになりました。
機械工学部を卒業した私の仕事は、技術の知識をもった営業職です。「将来、営業職に就きたいけれど、文系に進まなければいけないのかな? 自分は理系志望だけれど、変えたほうがいいのかな?」と悩む後輩が多かったのですが、今の時代は理系の知識をもった営業が求められています。今回の進路講話では、文系・理系、男性・女性などの既成概念だけで将来は決まらないことを後輩に伝える良い機会になりました。
この学校の掲載記事をピックアップしました。