自宅で受講する生徒やオンデマンドで受講する生徒、振り返りをする生徒など、さまざまな受講スタイルが可能です。
高3のGMARCH・国公立英語、共通テスト対策英語の様子。
教室の自分の好きな場所でChromebookを開く生徒たち。1つの教室でも、一人ひとりが違う講座を受けている教室もあります。
学習系の土曜講座は、講師の前にカメラを設置。
卒業生たちが土曜講座のお手伝いしてくれています。「私たちの在校中に土曜講座はなかったので、今日は中国語講座を受けます」「今日はこれから、後輩たちが使った教室をアルコール消毒します」「コロナ禍でなかなか大学に行けないので、母校のお手伝いをするのが楽しみでした」。卒業生でも講師を務めたり、教育環境の整備をしたりするなど、さまざまな形で関われるのが土曜講座です。
「海外の人とライブでつながるような土曜講座は、学校の枠を越えて社会との関わりを持つとことで、世の中の最先端とつながることができます」(飯塚真吾先生)
リアルタイムで海外とつながった探究系の講座。
2020年度からスタートした土曜講座は、普段の授業から一歩進んだ学習系、グループワークからプレゼンテーションまでを行う探究系、保護者や卒業生にも人気の語学系があります。講座に共通するテーマは、各自が目標に合った内容を選択して、自分の持ち味を活かす学習を実践すること。「大学受験に必要な数学をもっと学びたい」「世界で起きている問題を解決したい」「大好きな韓国文化を学ぶために、韓国語を習得したい」など、選択の理由はさまざまです。土曜講座は、一人ひとりが求める将来を実現するための「学びのプラットフォーム」です。
開講初年度となった今年は、コロナ禍で春から自宅学習となってしまいました。しかし、リモートやオンデマンドの授業形態は土曜講座にも活用され、学びの幅を広げる結果となりました。
「探究系の講座には、海外の人とオンラインでつながるワークショップがあります。例えば今回は、オーストラリアの人とつながって、ロックダウンしている街の状況をレポートしてくれた講座があります。コロナ禍に対する対策は国によって違うので、オーストラリアと日本の比較をしながらワークショップを行うことができました。
韓国文化を学ぶ講座でも、韓国の人が街歩きをしてライブ配信をしてくれました。フランスに住む日本人とオンラインでつながって、フランス人の哲学を学ぶ講座もあります。
探究系の注目講座は、マレーシア政府観光局公認で行う『マレーシアオンライン就業体験』の開発です。こちらもオンラインでマレーシアとつながり、現地の方にインタビューしながらツアープログラムを考えます。
さらに卒業生が受け持つ講座もあります。例えば、法学部で学ぶ学生は『逮捕ってなんだ?』という講義を、都市政策を学ぶ学生は『まちづくり』について講義をしてくれました。
学習系の講座は外部講師が担当します。受講スタイルは、①教室で受ける ②自宅にいながらオンラインで受ける ③録画された講義をオンデマンドで受ける、の3種があります。例えば同じ時間に開講される英語と数学の講義を受けたいと思えば、片方はあとでオンデマンドの講義を受けられるのです。
もともと本校では、ICTの環境が整備されていましたが、海外の人とライブでつながるような土曜講座は、コロナ禍の“ケガの功名”でした。学校の枠を越えて社会との関わりを持つと、世の中の最先端とつながることができます。すでにさまざまな企業・団体からのオファーもいただいており、世界とのつながりはますます深まっていくでしょう」
(総合学習担当・学年部長/飯塚真吾先生)
私はSDGs(持続可能な開発目標)をテーマにした土曜講座を選択しました。全部で4回の講座で、1回目はZoomを介して留学している大学生と英語でディスカッションし、2回目はミャンマーで活動するNGOの方の講義を受け、3回目は留学生とグループワークをしてSDGsの目標を達成する案を考え、4回目はプレゼンテーションをしてNGOの方にコメントをいただきました。
SDGsの目標(17の目標にひもづく169のターゲットがある)のうち、4番の『質の高い教育をみんなに』と10番の『人や国の不平等をなくそう』を主なテーマにしたのですが、私にとって世界にはさまざまな“教育格差”のあることを知ったのが一番の驚きでした。例えば同じ教科書を使っていても、先生が教えるレベルに大きな格差があって、それが教育格差につながっているという話は、日本で教育を受ける私にとっては衝撃的でした。ミャンマーでは高校卒業試験に合格している人は、国民の3割でしかないということでした。
最後に私たちの考える解決策をプレゼンテーションして、NGOの方がコメントをくださったのですが、「現地の状況をリアルに体験していない高校生たちだからこそ、物事を俯瞰で見てアイデアを出してほしい」というコメントが印象的でした。現地で活動するNGOは“蟻の目”で、私たち高校生は“鷹の目”で問題解決策を考えることが必要とのことでした。
私は海外の文化や価値観に興味があります。今後の土曜講座も受講するのを楽しみにしています。
私は英語と数学の土曜講座を受けました。英語はめざす大学の受験対策として、数学は自分の苦手教科であるという理由で選択しました。将来、政治経済系の学部を志望していて、数学は受験に必要なくても将来の学問に必須の科目です。
土曜講座は家でも受講できるのが良いところです。英語と数学の講義の時間が重なっても、片方を家で受講することができます。一人で画面をずっと見つめているよりも、学校に来たほうが集中できます。遠方から通学している友達は、通学時間を削減して家で受講できるのがいいと話していました。
探究系の講座では、プレゼンテーションのスキルを磨く講義を受けました。これは授業の中でも活用できると思いました。今後は韓国語やフランス語の講座も受けてみたいと思っています。
私が受講した『ミライの決断』は、進路を選ぶときの意志決定に活用できる講座です。最初は講座のタイトルに惹かれて軽い気持ちで受けたのですが、人間が意志を決定するときの仕組みがよくわかり、とても興味深いものでした。
講座では、自分が優先順位の上位にしていることや、大切にしたいことに点数をつけて表にしました。表を見ると、自分が思っていたのとは違っていることもあり、違う自分を発見できました。今までは進路についてあまり深く考えていなかったのですが、この講座をきっかけに、将来について具体的に考えられるようになりました。
私は国際関係の学部に興味があり、日本の文化を世界の人に伝えたり、日本文化を活性化したりするような仕事に就きたいと考えています。次の土曜講座には韓国文化を学ぶ講座があるので受講したいと思っています。単に言語を学ぶのではなく、他国の文化や価値観を知りたいのです。
探究系の土曜講座はワークショップが多く、友達の意見を聞く機会があるのは新鮮でした。いつも一緒にいるクラブの仲間やクラスメートでも、自分とはまったく違う価値観を持ち、違う将来を希望していると知ったのは新鮮な驚きでした。そして、普段は人前で話す機会のなかった自分が、ワークショップで何度か発言できたのもうれしかったことです。今回受けた『ミライの決断』は、日常生活でも活用したいと思います。
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