2020年9月26日、オンライン上で開幕した『未来祭2020』(文化祭)。コロナ禍で行われた学校初の取り組みは、生徒たちにとって挑戦の機会となり、大きな成長をもたらしたようです。例年以上に実りある「未来祭」をつくり上げた生徒たちの活躍を、文化祭指導教諭の三原まどか先生(国語科)にうかがうとともに、山口康太くん(実行委員長)、中林正一くん(文化祭実行委員)、長谷川慶くん(文化祭実行委員)の高2生3人に聞きました。
2020年9月26日、オンライン上で開幕した『未来祭2020』(文化祭)。コロナ禍で行われた学校初の取り組みは、生徒たちにとって挑戦の機会となり、大きな成長をもたらしたようです。例年以上に実りある「未来祭」をつくり上げた生徒たちの活躍を、文化祭指導教諭の三原まどか先生(国語科)にうかがうとともに、山口康太くん(実行委員長)、中林正一くん(文化祭実行委員)、長谷川慶くん(文化祭実行委員)の高2生3人に聞きました。
三原先生例年であれば8月末頃の開催に向けて、その年の4月から文化祭実行委員の生徒を中心に準備が本格化していきますが、2020年度はそれどころではなかったというのが実情です。ただ、休校期間が続きオンライン授業が順調に進んでいくなかで、校長から「本校では普段からICTを活用したプレゼンテーションなど表現の場がたくさんあって、生徒たちは高い発信力と表現力を持っているし、環境も整っている。だからこそオンラインを活用して本校ならではの充実した『未来祭』にできるのではないか」という提案がありました。
休校期間中はGoogle Meetを使って、どういう形であれば実現可能なのかと企画を立てて話し合いを重ね、各クラスや有志団体で動画コンテンツを作って配信することを決定しました。さらに生徒たちから「『未来祭』の臨場感が味わえるようにリアルタイムでの配信もしたい」という声が上がり、当日はYouTubeによる朝9時から11時までのライブ配信と、ストリーミング配信の2本立てで「未来祭」を実施することになりました。
生徒たちの動きは早く、「未来祭」の専用ホームページを立ち上げて、感染症対策を含めた準備の様子を日々伝えていくうちに、だんだんとオンライン「未来祭」を盛り上げていこうという気運で学校が一丸となっていきました。学校側も最寄り駅にポスターを貼りに行ったり、地域のフリーペーパーにQRコード付きで広告を出したり、さまざまな方の協力をいただきながら事前告知をしました。
山口くん先生からオンライン「未来祭」の話があった4月末頃は、文化祭の中止を決める学校が多く、2020年度の開催をなかば諦めている状況でした。文化祭は生徒主体で進めていく行事で、とくに高2はその中心となる学年です。生徒主体だからこそできることをやろうと、とても楽しみにしていただけに、気持ちが沈んでいました。そのため開催の知らせを聞いたときは驚きましたが、本当にうれしかったです。
まずはオンライン向けに、先輩から引き継いだ「未来祭」の規約をすべて書き換えるところからスタートし、苦労した部分もありましたが、先輩たちの誰も経験していない新しい形の「未来祭」を創り上げるということにワクワクしました。
中林くん登校が再開して6月に、山口くんからオンライン「未来祭」のことを初めて聞いたときは、「今からで間に合うのだろうか……」という不安も少なからずありました。僕は各クラス企画の取りまとめが主な役割で、挙がってきた企画の内容を見たところ、バラエティ豊か、そしてどれもがとても楽しそうだったので、当初の不安が「面白くなりそう」という期待に変わっていきました。
長谷川くん僕は昨年「放送IT委員会」として「未来祭」に関わった経験も活かして、ホームページ制作や、SNSを使った集客、ICTを使った効果的な動画配信の仕方、コンテンツの作り方など、主に技術的なサポートを担当しました。昨年は放送IT委員会と文化祭実行委員とが独立してしまっている部分が多く、情報伝達にうまくいかない部分もあったのですが、2020年度は委員長同士の連携も良く、そのことがオンライン「未来祭」の成功にもつながったのではないかと思います。
三原先生2020年度の「未来祭」では、放送IT委員会が大活躍でした。動画の撮影や音響に使う機材を用意して、円滑に収録が進むようにしてくれました。
三原先生教員から見ても生徒たちの企画は素晴らしく、リアルタイムの視聴回数は延べ3,000回近くありました。クラス企画に関するアンケートにも650件ほどの回答があるなど、外部の方からも評価していただき、実施したかいがあったと思います。本校の生徒たちが逆境にも負けない創造力を持っていることを実感できる良い機会だったと思います。
長谷川くんオンライン「未来祭」は、日程などの条件が合わず、なかなか学校に足を運べない方々に僕たちのことを知ってもらえるチャンスです。自分たちが楽しむだけでなく、アクセスしてくれた方が楽しめるようなコンテンツづくりを経験し、いろいろと学ぶことができました。
中林くん休校期間中のオンライン授業では、僕たちは視聴者側でもありました。その経験を活かして、今回の「未来祭」では視聴者側の視点も採り入れたコンテンツづくりができました。それと同時に、先生方の苦労や工夫もわかり、よりいっそうありがたさを感じています。
山口くんさまざまな行事がコロナ禍で中止や延期になるなかで、学校全体が一丸となって楽しめる機会にもしたいと思いました。在校生のみんなが、2020年度初のオンライン「未来祭」のことを、開智未来生として過ごした思い出の一つとして胸に刻んでくれたら、こんなにうれしいことはありません。
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