部員の多い弓道部員は普段はにぎやかですが、射場に入ると凛とした空気になります。
日本文化をはじめとして礼儀や美しい所作など、学ぶことがたくさんあるのが弓道です。
校舎屋上にある弓道場。弓道部専用の練習場です。
コーチとして指導にあたるのは弓道連盟の方です。
目黒学院高等学校の弓道部は歴史のある部活動です。校舎の屋上にある本格的な弓道場には「練習用」「本番用」の弓がそろい、男子と女子が一緒に練習しています。部員の多くが高校生になってから始めており、新入生歓迎会や文化祭の弓道体験をきっかけに入部する生徒が多いのだとか。活動日は週4回。文化部と兼部することも可能で、囲碁将棋部など日本文化を体現できる部活動との兼部が多いようです。
新入部員が最初に学ぶのは「射法八節」という基本動作です。1本の矢を射る際、両足を外八文字に開き、お腹に力を入れて立ち、手の位置や視線を向ける方向も決まっています。次に弓を構えて矢を放ち、矢が離れたあとにも決まりごとがあります。射法八節を身に着けたあとは、「ゴム弓」で練習を重ねると、約2カ月後には的に当たるようになります。
2018年度は多くの新入部員を迎え、現在の高校2年生が活動の中心となって約40名が所属しています。春・秋・冬に開催される「目黒区体育祭」には毎年のように参加し、「個人戦」「団体戦」ともに活躍。関東大会への出場に目標を定めて、日々の鍛錬が行われています。
武道に興味のあった僕が、弓道を見学した際に「カッコイイな」と思って入学したのが目黒学院でした。目黒学院は男子校時代から弓道が盛んで、そのために設備も練習道具も充実しています。なかには自分の弓を持っている先輩もいますが、ほとんどの部員が学校にある弓で練習しています。
「射法八節」を習得して「ゴム弓」の練習が終わった頃、自分の名前の入った袴を身に着けます。それが「カッコイイ」と入部を希望する人もいます。男子と女子の体力差はあまり関係のないので、趣味として、あるいは大会参加をめざして、自分のペースで取り組むことができる競技でもあります。
弓道は正しい形で弓を引かなければ的に当たりません。正しい形は日々の練習の賜物です。僕は毎日コツコツと努力するのが苦手だったのですが、弓道を通して努力を積み重ねることができるようになりました。これからも努力を積み重ねて自分の志望を実現させ、大学生になっても弓道を続けたいと思います。
今年は新型コロナの影響で3月から7月中旬までは練習ができず、部員たちは家に「ゴム弓」を持ち帰るなどして自主トレーニングをしていました。本来であれば6月の試合終了後に3年生は引退となるのですが、今年は大会が中止になってしまったため、9月の代替試合で引退となりました。
弓道を通じて身につけてほしいのは、「主体的に取り組む姿勢」です。部活動は授業のように必須科目ではないので、教員に言われたことをやるのではなく、先輩が後輩に教えるなど、自分たちで考えて行動する必要があります。実際のところ、真面目に毎日練習する部員ほど、上達は早いですね。
弓道は体力だけでなく、精神力も必要です。心が揺れると弓も揺れ、スランプが3カ月くらい続くこともあります。心の状態が如実に出る競技なので、自分を知るきっかけにもなると思います。
現在の目標は、まず試合で一勝することです。今まで上位大会に進めたのは男子だけなので、女子の初入賞も目標です。目黒学院全体の男女比も女子の割合が多いので、女子の活躍に期待しています。
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