例えば、「勉強か」「クラブ活動か」というような狭い選択肢の中から高校生活を送るのではなく、「やりたい」ことを全力で応援するのが共栄学園高等学校のスタイル。モットーは『文武両道』(教育理念)です。進路指導部で10年間にわたり部長を務める杉山晴彦先生も、そんな生徒一人ひとりに気さくに寄り添う先生です。ここ数年の進学実績からうかがっていきます。
「ここ数年、首都圏の私立大学を中心に、“定員の厳格化”という縛りがより鮮明になり、その分、本校も苦戦していることは否めません。しかし、そのような状況下にありながらも、国公立大学や難関私立大学の現役合格を勝ち取った生徒が少なくないことも事実なのです」
同校の進路指導の方針には、確固たる「3つの主義」が存在します。
「①第一志望主義 ②現役合格主義 ③学校完結主義です。学校説明会や個別相談会など、高校受験を控えた中学生向けのイベントでの説明はもちろんのこと、在校生が参加する進路ガイダンス、あるいは、保護者向けの進路ガイダンスの場でも、この3つの主義については本校の進路指導の核として必ず話をしています」
「大事なことは『初志貫徹』の心を持ち続けることである」と、杉山先生は重ねて強調します。
「大学合格を迎える日までは長いので、どうしても途中でくじけそうになることもあります。だからといって第一志望校を諦めるのではもったいないと思います。そのためには、なんとしてでも現役合格にこだわり抜く姿勢が欠かせません。一方、第一志望校に現役で合格することを意識すればするほど、塾や予備校に通いたくなる気持ちも強くなっていくものですが、本校では“学校完結型の手厚い受験サポート”を惜しむことなく続けています。これは本校の伝統と言ってもいいでしょう。実際、通塾率について調べてみると、同程度の高校(公立高校も含む)と比べたところ、かなり低いことがわかっています。私たち教員も、それこそ“思いつく限りの施策は全部やる”との意気込みで、生徒一人ひとりの大学受験をサポートしています」
同校では、高3になってもクラブ活動を引退する生徒はごくわずかで、受験勉強が本格化する直前の大会に出場する生徒もいるようです。
「むしろクラブ活動をぎりぎりまでやり続けた生徒のほうが、結果として進路実績が良いのも事実なのです。この傾向は10年以上続いています。教育理念でもある『文武両道』は、実績の上でも定着していることを確信しています」