部員は経験者が多く、その経験と特性を活かしていくのが大西先生の指導方針です。
「1年生の見本になれるように、そして周りの人から応援されるような部活動にしたいです」(部長の小林彩さん)
試合は最後まで諦めず、勝っていても油断せずゲームセットまで全力を尽くすのが浦実スタイル。
活動時間は16時~18時30分が目安(木曜休み)。場所は同校内のテニスコートです。
浦実ソフトテニス部の代名詞でもある声出しによって雰囲気は変わり、成績も上昇しました。
モットーは“試合のように練習をしよう、練習のように試合をしよう”。
2020年9月に行われた新人戦南部地区予選個人戦において優勝した森田夏妃さんと倉持果奈さんのペアをはじめ、2年連続で5ペアが県大会に進出。同大会の団体戦では3位の成績を収め、こちらは4年連続で県大会の出場権を獲得するなど、成長著しい女子ソフトテニス部。
同部のモットーは、「試合で自分たちの持っている力を出し切ること」。そして、そのために心がけていることは、「普段から“試合のように練習をしよう、練習のように試合をしよう”ということです」と顧問の大西達哉先生(国語科)は言います。
「試合で負けて何が悔しいかといえば、力を出し切れなかったことです。ですから力を出し切るためにも、普段の練習から試合をイメージした適度な緊張感を味方にしつつ、しっかりと声を出して元気良くプレーすることを共有認識としています」
実は、この声出しが定着するのと、部の急成長した時期は重なっているのだとか。
「以前は練習中に“声”が出ていなかったのです。まずはそこから改善していこうと、毎日毎日声を出しながら練習するスタイルを身につけていきました。そうすると練習に活気が出てきて、部員たちの一つひとつの行動も俊敏になり、雰囲気が明るくなっていきました。それが試合で勝てるようになった要因の一つだと思っています」
活気が好成績を生み、成績が伸びるとモチベーションも上がる。右肩上がりの曲線は、ちょっとした心がけから生まれたのです。
“試合のように練習をしよう、練習のように試合をしよう”という考えは練習の流れにも反映されています。
試合は常にサーブ、レシーブから始まります。そこから行われる乱打のメニューは正クロス、ストレート、逆クロス、そしてショート乱打と、すべてのコース打ちを必ず行う“フルコース”。苦手なコースをつくらないこと、そして全コースへの対応力と技術を向上させることが目的です。
その後に組まれているのがストローク、ボレー練習です。ソフトテニスは二人一組で前衛と後衛がペアを構成するため、必然的に後衛はストローク練習が多くなり、前衛はボレー、スマッシュ練習が多くなる傾向にありますが、選手一人ひとりがオールラウンドプレイヤーとなれるよう、前衛・後衛の枠を取り払い、全員が同じ練習を行っています。日々の練習において、大西先生が心がけていることをうかがいました。
「選手には、自分で考えながらプレーしてほしいので、手取り足取りの指導は行わないようにしています。時々ヒントになるようなことや、“ここは押さえておいてほしい”といったポイントを話すことはありますが、指導者がああしなさい、こうしなさいというと自立心が育ちません。ですから選手自身が自分と向き合い、ペアと相談しながら、『なぜ、うまくできたのだろう』『なぜ、うまくいかなかったのだろう』と、日頃から“なぜ”を考えながらやっていこうと話しています」
もう一つ、大切にしているのが“あいさつ”です。
「“きちんとしたあいさつができる人間になろう”。これは部の伝統です。人としてのコミュニケーションはあいさつから入りますから」
伝統のあいさつと練習中の元気な声、この2つが融合して部全体が良い方向に向かっているのも、必然なことかもしれません。ちなみに、同校の教育目標は『知育(品性を正し礼節に重んじ豊かな人間性を育てる)・徳育(健全な精神を宿す健康な身体づくりの訓練を行う)・体育(個性の伸長発揮につとめ、自主独立の精神を培う)』。女子ソフトテニス部の活動は、まさに『知・徳・体』を育む大切な時間となっているのです。
中3のときに部活見学をした際、先輩が明るくやさしくし接してくれ、また練習の雰囲気にも惹かれて進学・入部を決めました。一人ひとりが目標を持って、今よりも上をめざしてがんばっていくことが部の目標です。そのためにいっぱい声を出して、良い雰囲気づくりを心がけています。
せっかくの高校生活なので、みんなにとって居心地の良い部活動にしたいのです。部活動をやっていて良かったと思えるのは、人間関係が広がったこと、性格が明るくなったこと、元気になったこと、そして友達とのコミュ二ケーションが良好になったことです。部員はみんな仲が良く、面白くて、個性豊かです!
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