東野高等学校には「特進コース インターナショナルIクラス」「特進コース スーパーSクラス」「進学コース アドバンスAクラス」の3コースがあります。今回、登場する卒業生の椎野夏光さんは、特進コース(現 特進コース スーパーSクラス)に在籍し、志望大学への合格を勝ち取りました。久しぶりに母校を訪れて恩師の平井廣治先生と再会。3年間の思い出について語り合いました。
東野高等学校には「特進コース インターナショナルIクラス」「特進コース スーパーSクラス」「進学コース アドバンスAクラス」の3コースがあります。今回、登場する卒業生の椎野夏光さんは、特進コース(現 特進コース スーパーSクラス)に在籍し、志望大学への合格を勝ち取りました。久しぶりに母校を訪れて恩師の平井廣治先生と再会。3年間の思い出について語り合いました。
椎野さん平井先生、お久しぶりです。
平井先生お元気そうで何よりです。椎野さんとは3年間、担任として関わりました。特待生制度を利用して入学した椎野さんが入学式の日、生徒代表としてあいさつをしていた姿を今も鮮明に覚えていますよ。
椎野さん人前で話すことが苦手だったので、すごくプレッシャーでした。高校受験に際しては、特待生制度が使えることも条件の一つとして学校選びをしていました。そうしたなか、塾の先生から「東野がいいのでは?」と勧められたのです。母からも「それなら1度学校に行ってみたら」と言われ、初めて東野へ。私の目に飛び込んできたのは、ほかの学校にはない斬新なデザインの校舎でした。「ここにしよう!」と速決しました。
平井先生非常に真面目な生徒というのが椎野さんの第一印象でした。部活動ではバスケットボール部に所属していました。試合の翌日は、必ずと言って良いほどどこかしらを負傷した状態で登校していた気がしますが、それでも最後までやり続けた。勉強もそうでした。がんばっている姿をあえて周囲に見せようとはしませんが、定期試験の結果を見ると、努力の跡がはっきりとわかるのです。ですから“がんばり屋さん”に間違いありません。
椎野さんありがとうございます。勉強と部活動の両立ができたのは、変にプライドが高いからだと自己分析しています(笑)。例えば、定期試験で1位を取ってしまうと、「次は絶対に落とせない」と強く思うようになります。もっと言えば、「部活動もしっかりやって、勉強で1位になったらすごいよね」というような(笑)。
平井先生なるほど(笑)。
椎野さん平井先生はとにかく、私たち「1組のボス」でした。先生の言うことは「もう絶対」みたいな感じで。最初こそちょっと反発する生徒もいるのですが、だんだんと慣らされていくというか……。それで「よし、やってやろう!」っていう気持ちになるんです。
平井先生椎野さんは、割とはっきりものを言うタイプだったので、指導のしがいがある生徒でした。ちなみに副担任も3年間変わらなかったので、副担任と私で、「こういう3年間にしていこう」というプランは初めからあったのです。ですから椎野さんたちからすると、何から何までいろいろと決まっているような感じで戸惑ったと思いますが、だんだんと慣れていったのだと解釈しています (笑)。
椎野さん3年間で印象に残っていることを聞かれると微妙なのですが、高3の1年間は本当にあっという間に過ぎていきました。とても忙しくて、「とにかく勉強した!」という1年間でした。
平井先生椎野さんは得意科目もなければ不得意な科目もない、いわゆる“アベレージタイプ”で、安定性は抜群でした。
椎野さんそうはいっても、得意な科目があるとそれだけで受験に強くなるので、何とか得意分野を作ろうと努力はしたのですが、全部同じくらいの点数でした。
平井先生まんべんなく努力するので、常に一定ラインはキープしていましたね。過去問などは9割以上点数が取れることがあるので、「次の模試ではもっといけるかな?」とこちらが勝手に期待するのですが、そうするといつもどおりの結果だったり(笑)。いつもギリギリなので心配はしていました。
椎野さん大学受験も最後の最後までギリギリで……(笑)。
平井先生でも、最初の志望大学からもう少しランクを上げてみることを勧めた際、ものすごくやる気になってくれました。あれはいつ頃でしたか?
椎野さん高2の秋頃です。筑波大学医学群看護学類を意識し始めたきっかけは、友達が看護系の学部をめざしていることを知ったからです。もともと国立大学の医療系には興味があったので、「じゃあ一度、大学を見に行ってみるか」と。
平井先生実際に筑波大学のキャンパスを訪れて、気持ちが固まったのですね。
椎野さんそうです。それからは完全に受験モードに入り、とくに高3の夏休みはお盆休み以外、毎日学校で勉強していました。
平井先生けっこう朝早くから来ていましたね。
椎野さんそれは平井先生が帰り際に、「明日は7:00から開けるので、やる気のある人は来てね」とおっしゃるからです(笑)。遅くても7:30とか8:00には学校にいて、最終のバスが出る直前の17:00頃まで勉強していました。友達も一緒にがんばっていたというのもありますが、平井先生から自分が勉強した分だけマス目に色を塗るシートを渡されて……。マス目は500時間分あるのですが、平井先生は「あの生徒はたくさん塗っているのに、椎野はこんなに少なくていいの?」とプレッシャーをかけられて(笑)。でも、自分の中では「1日10時間やる」と決めていました。
平井先生7月の定期テスト終了から8月の終わりまでが約50日あったので、「1日10時間の勉強×50日分」で500時間。椎野さんのトータルは480時間でちょっと少なかったのですが、客観的に見て夏にやるべき勉強量としては十分合格ラインでした。
平井先生ところで、大学生活はどうですか? やはりオンライン授業が中心ですか?
椎野さんそうですね。新型コロナウイルスの影響で、前期はすべてオンライン授業で勉強していました。先生方から出される課題の量がとても多いので大変でしたが、高3の夏の自分を思い出してがんばりました。
平井先生椎野さんのお母様と連絡を取った際、「夜中まで課題提出に取り組んでいます」と教えていただきました。なんだかんだ言っても、やはり手を抜かずにがんばる人なのだと思い、とてもうれしかったです。
椎野さん母にはなるべく金銭的な負担をかけたくありませんでした。ですから国立大に進学できたことは、多少は親孝行につながったのではないかと思っています。
平井先生立派な親孝行ですよ。実は、本校では努力している生徒、活躍している生徒一人に対して1年間の奨学金制度を用意しています。椎野さんは高2から高3に上がるとき、その奨学金を自分の力で勝ち取りました。普段はあまり褒めませんが、そのときは思いっきり褒めてあげました(笑)。
椎野さんたまに褒めていただけるのも、うれしいものですね(笑)。
平井先生将来の目標は決まりましたか?
椎野さんまだ明確なものではありませんが、看護師の資格取得はもちろんのこと、他学部の授業を受けたり、大学院に進む道を模索したりするなど、学びの幅を広げてみようと考えています。大学の寮に住んでいるので、他学部の学生たちとの交流も楽しいです。
平井先生東野高校で良かったことは何ですか? こんなことを椎野さんに聞くのは初めてですが……。
椎野さん自分の性格に合った学校で良かったと、それだけははっきり言えます。私は特進コース(現在は『スーパーSクラス』)でしたが、目標ごとに選ぶことができるコース制の学校なので、自分と違うコースの友達の話を聞くのもとても面白かったです。そういう意味で、「自由」がたくさんある学校だと思います。
平井先生中学生のときと高校生になったときの違いはどんなところですか?
椎野さん中学時代の成績について自信がなく人前に出て話をすることもありませんでした。ところが東野に入った瞬間から、嫌でも先生方にかまわれるので(笑)、いえ、面倒を見ていただけるので、気がついたら自分に自信がついていました。
平井先生そう言ってもらえるとうれしいですね。入学してきた生徒一人ひとりを責任もってお預かりし面倒を見て、最後は納得できる進路に送り出してあげるのが私たちのこだわりなのです。椎野さんも最初から力があったわけではありませんが、がんばり続ける力は確かにありました。そこは椎野さんの魅力ですし、これからもがんばり続けてほしいですね。
椎野さんどうもありがとうございます。高校に入ってから強く思うようになった「負けたくない」という気持ちを維持し続けて、これからもがんばっていきます。
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