
2015年にスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定された富士見丘高等学校では、『サステイナビリティから創造するグローバル社会』をテーマとする教育を推進してきました。SGHの成果は生徒たちの進路実現にも表れています。SGHのカリキュラムの中で学んだ2020年3月の卒業生94名の合格実績を見ると、東京外国語大学3名、上智大学10名、早稲田大学14名、立教大学10名、法政大学10名など、卒業生の3分の1以上が難関私立大学に合格。着実に合格実績を伸ばしています。
SGHカリキュラムの特徴は充実した英語教育と、一人ひとりが世界的視野を持って主体的に学ぶ“教科横断型“の探究活動の実践です。こうした学びは帰国生からの評価も高く、同校では多くの帰国生も学んでいます。進路指導部長・高3学年主任の伊藤有先生は次のように話します。
「大学合格実績伸長の背景には、在籍生徒の約20%という帰国生の存在も影響しています。本校ではインターナショナルスクール、海外現地校出身者や高度な英語力(英検準1級程度)を有する生徒を対象とする『アドバンストBコース』を設け、帰国生の受け入れ体制を整えています。このコースは海外大学や国内難関大学の国際系学部など、国際社会での活躍を視野に入れた進学をめざしています。
例えば早稲田大学国際教養学部のAO入試などは、併願校として海外大学をめざす受験生も想定した内容となっており、一般的な日本の受験対策だけでは対応できない英語力が求められます。このような大学の受験には、『アカデミックで国際的なテーマに関して明確な意見を述べることができる』レベルの、実践的な英語力が必要です。
そこでディスカッションが中心のゼミ形式授業や、海外大学入試に必要なエッセイ(英語で志望理由などを書く小論文)の指導、SAT(米国の大学進学希望者を対象とする共通試験)の対策なども導入しています。これらの成果が実り、多くの帰国生たちがAO入試や帰国生入試などを利用して希望進路をかなえられるようになったことが、ここ数年の大学合格実績に表れているのだと思います」