新しく『孤児』というテーマを扱う第1回目の活動。
まずは、「テーマにふさわしい情報を集めるにはどのサイトが適切か」といった正しい情報収集の方法や分析法についてのレクチャーからスタート。
質疑応答も英語で行います。
ペアになって、それぞれが割り当てられた国の立場になり、調査を開始。
解決策をまとめ、英語で披露します。
顧問の田中裕樹先生
グローバル社会が解決すべき社会問題、国際情勢を英語でディスカッションする活動を続けている模擬国連部。英語教育の充実を柱とする「グローバル人材の育成」で目覚ましい成果を上げています。顧問の田中裕樹先生と部長のTさん(高2)に、活動について話をうかがいました。
2015年にスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定された富士見丘高等学校は、「サステイナビリティから創造するグローバル社会」をテーマとする探究学習を推進してきました。一人ひとりが世界的視野を持ち、英語で自分の意見を伝える舞台をめざして、主体的に教科横断型の探究活動を実践しています。
「模擬国連部にはネイティブ教員2名を含む4名の顧問がおり、すべてオールイングリッシュで活動しています。単純に英語を使うのではなく、社会問題などの正解のない問題について、自ら研究し、考え、議論を重ねていく探究的な活動であり、SGHとしての本校の教育の在り方と連動している部活動です。活動日は毎週木曜日で、ほかの部活動に所属している生徒もこの日は優先して参加するよう、学校をあげて活動を奨励しています」(田中先生)
創部の目的は生徒たちの探究力・英語での表現力を高めるためでしたが、「当初は帰国生たちの居場所となっていました」と田中先生が言うように、帰国生の活躍の場となっていたそうです。
「校内で模擬国連部の発表機会が増えたことで、『私もああなりたい!』という生徒が増え、英語で表現することへのモチベーションが学校全体で高まっていきました。現在の模擬国連部には帰国生ではない生徒も多く、その結果、部活動に良い相乗効果をもたらしています。
例えば、帰国生は英語のパフォーマンスに長けていますが、一方で、帰国生でない生徒はコツコツと調べ物をしたり知識を整理したりすることに長けている、という傾向が見られます。生徒たちはお互いを補完し合ったり助け合ったりすることで、パフォーマンスの向上につなげています。
また、模擬国連部の探究的な活動を通して、英語が得意な生徒もそうでない生徒も、『単に英語ができるだけではだめなんだ』ということを自覚するようで、実践的な英語力を身につけるとともに、社会課題についての知識を習得することにも積極的になっていきます」(田中先生)
高1で模擬国連部に入部すると、まずは秋の大会に向けてディスカッションやプレゼンテーションの練習をし、レベルアップを図りながらさまざまな大会に挑戦して、学校外での経験値を上げていきます。
今年最初の活動は、Zoomを使ってオンラインで行われました。
「5月14日には新型コロナウイルス感染症の世界的収束に向けたオールイングリッシュの議論をオンラインで実施しました。高3生の部員がファシリテーターとなり、割り当てられた各国首脳の役を高2生が務め、小グループに分かれてそれぞれの国の立場から収集したデータを分析し、解決策を打ち出しました」(T.Aさん)
「環境問題に興味がある」という部長のT.Aさんは、部活動への意気込みを次のように話します。
「私はそれほど英語が得意ではありません。英語を使いこなし、ディスカッションやプレゼンテーションをする先輩の姿に憧れて入部しました。でもそれ以上に、リサーチ力やディスカッションする力、異なる意見を調整する力など、『自分が解決したい』と思う問題に向けてアクションを起こしていくために必要なスキルがあることを、模擬国連の活動を通して知り、その部分で私は強みを発揮できるのではないかと感じています。今後もこうした自分の強みを活かしながら、たくさんの新しいことに挑戦して、英語力を磨いていきたいと思います」(T.Aさん)
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