
1962年東京生まれ。3歳から高校時代まで野球に熱中し、日本体育大学に進学後は強豪のハンドボール部に所属。卒業後、文華女子高等学校の保健体育教員に着任。生活指導部や生徒会顧問、進路指導部などを務め、生徒と距離の近い先生として一人ひとりの将来を見守ってきた。ハンドボール部の顧問を務め、東京都ベスト8に導く。2019年校長に就任。
1962年東京生まれ。3歳から高校時代まで野球に熱中し、日本体育大学に進学後は強豪のハンドボール部に所属。卒業後、文華女子高等学校の保健体育教員に着任。生活指導部や生徒会顧問、進路指導部などを務め、生徒と距離の近い先生として一人ひとりの将来を見守ってきた。ハンドボール部の顧問を務め、東京都ベスト8に導く。2019年校長に就任。
今春、今までに経験したことのないような予測困難な状況の中で学校生活が始まりました。「3月の期末試験はできるのだろうか」「卒業式や入学式、新学期からの授業はどうするのか」など、他校の先生方とも情報共有し合って検討を重ねました。
私たちの使命は第一に生徒の命を守ること、第二に生徒一人ひとりの能力を伸ばすこと、第三にどんな状況にあっても充実した学習環境を提供することです。学習環境は授業支援アプリ『ロイロノート・スクール』(※)を介して課題のやり取りから始め、授業用の動画を作成した教員もいました。
※ロイロノート・スクール……教室内でインターネットを使って学習支援を行うためのプログラム・システム・アプリのこと
分散登校が始まる前には、電車が混雑する時間帯を調査しました。本校は西武線『田無』駅と『ひばりヶ丘』駅から登校する生徒が多いので、駅に通勤通学ラッシュの時間帯を確認し、その時間を避けて登校できるように9時30分からの授業開始としました。
学校が再開したとき、生徒たちはとてもうれしそうでした。リモート授業と対面授業のどちらがいいかアンケートを取っても、対面授業を希望する生徒が大半を占めました。学校に来て、部活動ができて、友達や先生と話しながら食事をするということがいかに大切なのかを再認識したようです。当たり前の日常が当たり前ではなくなったとき、そのありがたみがわかるものです。
コロナ禍で仕事をする医療従事者の姿も、生徒たちがキャリアを考えるきっかけになったようです。もともと本校では医療従事者を希望する生徒はいましたが、たとえ医療関係の専門職でなくても、「働く」ことの意義を一人ひとりが考えたのではないでしょうか。新型コロナウイルスは生徒たちにもさまざまな影響を与えましたが、これを乗り越えた生徒たちは、力強く自分が進むべき道を見出すことでしょう。
昨年度、スローガンは「精神的脱皮を繰り返し新しい自分と出会おう」でした。今年は「何事も自分ごととして捉えよう」を目標にしました。今は大学入試をはじめとして、学習環境は変革の時期を迎えています。生徒たちは初めてのことに挑戦して乗り越えなければなりません。世の中で起きている問題を自分ごととして捉え、考えて悩むならば、何かしらの学びがあります。自分なりの答えを導き出したときには成長があります。それが新しい世界に一歩を踏み出す力となるはずです。
成長の種は日常生活の中にあります。新型コロナウイルスによるさまざまな苦労は、生徒たちが身の回りにある課題を自分ごととしてとらえる機会となりました。当たり前の生活ができたことに感謝する気持ちが自ずと生まれたとき、「人のために何かできることはないか」と考え始めました。
本校で育てる人材は、サブリーダーです。どんな集団にも目立たないところで人を支える役割を担う人がいます。人を支えるためには、人の気持ちを推し量り、理解しなければなりません。多様性のあるグローバルな時代に生きるためには、他者を理解する気持ちが必要です。
例えばキャリア教育においても、教員は一人ひとりの生徒の思いや気持ちを大切にしながら進路指導を行います。大学受験のための面接指導やプレゼンテーションの練習にも、担任、進路指導の教員、教科担当などさまざまな教員が関わります。サブリーダーという生徒に求める人間像を、教員も実践しながら進化していきます。
今後の学校生活は、中止になる行事もありますが、その代わりに新しい形で実施する行事もあります。体育大会は来場者を招くことはできませんが、部活動での取り組みを発表したり、クラスの団結を深めたりする機会を設けます。
体育大会は例年、学校オリジナルのダンスを発表する場ですが、高校3年生にとっては最後のダンスです。春に中止になってしまった体育大会は、文化祭と合わせて実施します。
新しい学校生活は未だ進化の最中です。本校は創立以来、授業も行事もキャリア教育も手作りで行ってきました。その伝統を活かして生徒と教員がアイデアを出し合い、私たちらしい新しい時代の学校生活を創り上げていきます。
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