本校は、これまで進学校への歩みを進め、さまざまな教育に取り組んできました。普通科専一化にあたって実践してきた教育の成果を整理しまとめたものが『日駒トリニティ』です。その内容からお話ししていきましょう。
約110年の歴史を有する本校は、これまで時代に合わせて新しいチャレンジを続けてきました。その中で注目すべきは、やはり教員の「教育力」です。教育力とは、「創意工夫の精神」「熱意ある指導」「自己研鑽」と言い換えられるもので、これらは現在も“ティーチングマインド”として本校に息づいています。
次に、「教育姿勢」が挙げられます。「面倒見の良さが本校の真骨頂である」と歴代の校長が口をそろえるように、適切な行動を生徒自身でが選択できるように、さまざまな仕掛けを作りながら「意図的教育」で生徒を導きます。そして、生徒の良いところを見つけて伸ばす「美点凝視」。また、「選択と集中」を実践して、基礎学力の定着を図ることが「教育姿勢」の要素となります。
こうした「教育力」と「教育姿勢」に裏付けられた教育実践こそが、『日駒教育構想』です。その中には3つの項目があり、「言語教育」「探究」「錬成」が掲げられています。学力の根本は国語と言われますが、それを徹底したものが「言語教育」です。ここには“能動的読書体験”をはじめ、“批判的思考”や対話的態度を養う“生産的会話”という本校独自の教育も含まれています。「探究」は、AI時代を生きる力、「錬成」は、現在のコロナ禍や自然災害など予測困難な時代を生きる力を養うもので、生徒が持っている創造力やコミュニケーション力などを引き出すための教育です。
このように『日駒トリニティ』は、大項目である「教育力」「教育姿勢」「教育実践」から、さらに3つの項目に分かれる重層的な三位一体の構造を持つ教育体制となっているのです。