卒業生でもある4人の先生方に、桜丘で過ごした高校時代の思い出から教員になろうと思ったきっかけ、そして普段の授業や学校生活の様子についてお話しいただきました。
卒業生でもある4人の先生方に、桜丘で過ごした高校時代の思い出から教員になろうと思ったきっかけ、そして普段の授業や学校生活の様子についてお話しいただきました。
寺澤先生授業がとても楽しかったことが印象的です。中学までは義務的にやっていただけでした。高校の授業は中学に比べると内容は高度ですが、進路指導や力の込もった授業のおかげで目的を持って学ぶことができ、勉強を楽しいと感じられるようになっていったのです。
新井先生重厚感のある建物が醸し出す雰囲気があり、生徒もみんな落ち着いていて、とても居心地の良い学校というのが第一印象です。また、授業はとても工夫されていて、教員はただ知識を伝えるだけの存在ではないと感じ取ることができました。教員が担う役割の広さや、生徒の人生に与える影響の大きさや責任を実感したことで、先生の存在をありがたく感じ、その思いが教員をめざしたことにもつながっています。
中野先生先生方が親以上にしっかりと叱り、褒めてくれる。勉強以外のところも含めて、生徒のことを本当によく見てくれる学校だと感じました。それまでの私は学校を「勉強のできる生徒が評価される場所」と思い込んでいたのですが、桜丘に来てからは、「学校って楽しいところだな」と感じるようになっていきました。
辻本先生生徒のためになることはハッキリと遠慮なく言ってくれる親身な先生ばかりで、ある先生に言われた厳しい言葉が、とても印象に残っています。先生が生徒一人ひとりを本当によく見ていて、個々に合った言葉がけでやる気に火をつけてくれる学校だと感じました。
寺澤先生吹奏楽部で部長を務めるなど、勉強だけでなく部活動にも打ち込んできました。当時の桜丘は共学化したばかりでしたので、「学校の新しい伝統を私たちがつくっていくんだ」というエネルギーがあったのです。それに対して、先生方も生徒の自由な発想を否定せずに受け入れてくれて、一緒に学校をつくっているという感覚を持つことができ、とても充実していたと思います。
新井先生中学時代に学校生活がうまくいかない経験があり、桜丘に入学した当初は「どうせ自分なんて……」と思いがちな生徒でした。ある時、一生懸命に勉強に打ち込んでいるクラスメートの姿勢に触発されて、私も意を決してがんばり始めたところ、成績が伸びていったのです。2年に進級するときに、『選抜クラス』という当時の成績上位者が学ぶクラスに入ることになり、自分でもとても驚きました。先生は何も言いませんでしたが、私のことをいつも気にかけて、私のがんばりや、成績の伸長をきちんと把握していてくれたのです。
また、バレー部では1年からレギュラーになり、大会に出場するなど、部活動でも成果を出せるようになっていきました。素直に自分を出して、純粋にがんばれることをみんなが応援してくれる雰囲気の中で「自分にもできる!」という経験を重ね、自信を取り戻した3年間だったと思います。
中野先生部活動に全エネルギーを注いだといっても過言ではない高校時代でした。「勝てる野球部をつくりたい!」と宣言して、先生や先輩の理解を得て、大きな舞台で成果を残せるような、新生・野球部を創り上げることに夢中になっていました。生徒も先生もとてもおおらかに受け入れてくれ、大会で成果を出すという実績を作ることもできました。実は勉強が疎かになってしまうことも正直ありましたが、ある日職員室に呼び出されたとき、別の先生が「中野は野球をがんばってるからいいんだ!」とかばってくれたのです。そのことがとても印象に残っています。そうやって、たくさんの先生が一人の生徒のいろいろな面を見てくれているところが、桜丘の校風なのだと思います。
辻本先生私も高1から合唱部の部長を務め、部員たちが目標を持って活動し、本気で臨める部にしていきたいと、部活動に取り組んでいました。顧問の先生にお願いして合唱指導を専門とする方を外部からつけてもらったり、部員集めをしたり、練習方法を変えてみたり……。その結果、コンクールに出るところまで実績を残すことができました。部活動を通じて成功体験を積み重ねてこれたのは、貴重な経験だったと思います。
寺澤先生教員になろうと具体的に決めたのは大学時代ですが、桜丘に本当にお世話になったので、恩返しをしたい気持ちがずっとありました。桜丘で学んだおかげで勉強が好きになり、その好きな「勉強」を仕事にできたらと思い、それなら母校で教員になりたいと思うようになりました。
新井先生私は前職で他校に勤めていました。桜丘に来て改めて思うのは、自由度が高い学校ということです。私はベテランの先生方に比べてまだ経験は浅いですが、そんな私のアイデアにもきちんと耳を傾け、受け入れてくれます。だから、授業づくりがとても楽しいのです。このような雰囲気の中で、学校をもっと良くしたいという意欲を持って働いています。
中野先生実は、教員になりたいとめざしてきたわけではありません。とにかくやりたいことを貫こうと進んでいくなかで、教員という職業に就いていた感覚です。だからこそ、今も教員の枠におさまらず、広報の制作物を作るなど、できることや、やりたいことに取り組んでいます。
生徒にもそうした生き方をロールモデルの一つとして示せればと思っています。もちろん、一つの職業をめざすことを否定はしませんが、先が予測できないこれからの時代を生きる生徒たちには、職業以上に「どのような生き方をしたいのか」というところを考えてほしいと思っています。そのために、生徒には学校生活でたくさんの失敗をしてほしい。失敗してもいいから、とにかく挑戦や試行錯誤をするなかで、自分なりの生き方や自分の強みを見出してほしいと思っています。
辻本先生教員に興味を持ったのは中学生の頃です。桜丘に在学中、教員への憧れが強くなっていき、教育実習で桜丘に帰ってきて生徒たちや先生方と関わるなか、「教員として桜丘に戻ってきたい!」という気持ちが強くなりました。生徒たちも3年間で自分のやりたいことを見つけてほしいです。また、生徒個々がそれぞれ自分らしく成長できる学校でありたいと思っています。どんな生徒にもその生徒なりの成長があり、笑顔で卒業することに大きな意味があると思っています。
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