これまでに経験したことのないコロナ禍の学校生活において、さまざまな形で取り組んできた対策や今後の課題などについて、衛生担当兼3学年副主任の小林徹先生に話をうかがいました。
これまでに経験したことのないコロナ禍の学校生活において、さまざまな形で取り組んできた対策や今後の課題などについて、衛生担当兼3学年副主任の小林徹先生に話をうかがいました。
生徒の安全を第一に、世の中の情勢を見ながら対応していく。これを大前提に、今まで経験したことのない学校生活が始まっています。まず、今年度のスタートともいえる入学式ですが、緊急事態宣言直前の4月7日、安全面を考慮して1クラスを半分に分けて実施しました。
授業に関しては、当初、YouTubeを使った1コマ15分程度の動画配信という形式をとりました。内容は各教員がそれぞれ収録・編集したオリジナルの授業です。例えば私が担当する3年生には、受験科目の問題演習を中心とした動画を制作・配信しました。通常登校であれば朝と帰りのSHRにあたる時間には、Zoomを活用してオンラインHRを行い、生徒とつながる時間を持ちました。加えて、生徒個々の様子を具体的に把握するため、オンラインでの二者面談も実施していました。
また、本校はもともと、自学・自習の習慣を身につけるために自己管理スケジュール手帳『フォーサイトノート』を活用しています。今回はその手帳に体温や体調なども記入させることで自己管理の徹底と、感染に対する意識を高めるきっかけとしました。手帳には生徒が記入できるコメント欄もありますので、その中から休校中の様子を知ることができるなど、メリットも感じられました。
1年生の場合は、まだ学校生活そのものがスタートしていなかったため、学校生活のガイダンス動画を配信することから始める一方、保護者とも電話を通じて生徒の様子を確認するなど、2・3年生とは違う形で状況確認を行うように配慮しました。
6月からは分散登校を開始。1・2年生は週4日、3年生は受験対策もあるので週5日の登校としました。形態としては午前登校と午後登校に分け、登校しない時間は自宅で動画視聴およびZoomを活用した双方向授業を受けていました。
学校に登校して授業を受ける際は、密を避けるために1クラスを分割して2教室を使用。それぞれのクラスに教員を配置することが望ましいのですが、人員確保が難しい場合は教員による授業の様子を(タブレット端末を通じて)隣の教室へ配信するといったように、限られた状況の中でいかに効果的に学びを進められるかを考えた授業を3週間行いました。
また、オンライン授業を実施しながらの休校期間中、そして分散登校の期間中は生徒が連絡事項を確認するために『Classi』や『スタディサプリ』のクラスページも活用しました。早期からこうしたツールを積極的に取り入れていたことで、このような状況にもいち早く対応することができました。
その後、6月後半からは通常登校となりましたが、まず3年生は授業などと並行して三者面談を実施しました。全体的な学びの進度を踏まえて、生徒の希望や要望を確認しながら受験に向けた準備と対策を整えるためです。
その3年生ですが、期末試験後の7月31日からは通常授業後に、放課後演習(1コマ90分)と夏期講習(1講座90分×3コマ)を実施しています。本校は、“学校で勉強をやりきる”という方針で、”学校完結型進路指導”をコンセプトとして掲げています。朝は8時からクラスや学年ごとに習熟度別の授業を行い、前述した夏期講習や放課後演習を含めて20時まで学内で学べる体制を整えています。
学内では、飛沫対策の一環として、教員はフェイスシールドを着用、生徒は机にデスクシールドを設置して授業を行っています。また、5・6時間目の授業を5分ずつカットして計10分間、担任を中心に消毒作業を実施。生徒たちも自己管理と意識付けのために自分の机とデスクシールドの消毒を行っています。食堂利用に関しては前半と後半のグループに大別して利用している状況です。
また、今年度のイベントや行事に関しては、基本的に中止の方向です。残念ではありますが、これで授業の時間数を例年と変わらず確保することができます。一方、部活動は感染症対策を講じながら、徐々に活動を再開しています。学校生活において生徒に不利益な状況とならないよう、できる限りの対策と対応をこれからも続けていきたいと考えています。
この学校の掲載記事をピックアップしました。